当該記事は、2002年2月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ソフトメーカーのサバイバル術 〜規模か戦略か〜」の第一章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第一章:「総合型は難しい」
「近年、ゲームの開発にかかる費用が以前と比べて高騰しつつある」。プレイステーション2(PS2)発売前後から、こう指摘されることが多くなったゲーム業界。PS2の高性能化が招いた弊害でもあるが、開発費の高騰はソフトメーカーにとっては頭の痛い問題である。
開発費の大部分は人件費が占めると言われ、「開発費=人件費」であると称してもおかしくはない。開発費が高騰したということはゲームを制作する過程において、それだけ多くの人間が必要になった証拠でもある。その中でも開発者をより多く動員しなければならないものが「グラフィック制作作業」であろう。
ハードがプレイステーション(PS)からPS2へ変わり、最も目に見えて進化した性能の一つに描写性能がある。ハードの進化によってグラフィックが一層きれいに美しくなったのだが、その反面ゲーム制作の手間が増えるようになり、開発費が高騰する一因にもなっているのは事実である。つまり、昨今指摘されている開発費の高騰の原因の一つとしてグラフィックの進化が挙げられるのである。
グラフィックの進化が、必要以上に演出過多のゲームを多く生み出し、それが開発費の高騰を引き起こしていると考えている人物がいる。ゲームアーツ社長宮路洋一氏だ。宮路氏は開発費が増大する現状をこのように分析する。『(開発費が高騰した)最大の理由は、グラフィックに凝ったこと。グラフィックは、ハリウッド映画を見ればわかるように、お金を掛ければいいものが作れます。だから、演出に凝るゲームは、開発費が高騰して当然なのです』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエストキーマン・インタビュー 「ゲームアーツ社長宮路洋一さん」 2002年 カッコ内筆者)。
グラフィックの進化により、ゲーム開発費が高騰する結果になったが、これは中小規模のソフトメーカーにとっては大きな問題であろう。大手と違い資金的にそれほど余裕がないからだ。それゆえ、ゲーム業界内での企業の淘汰・再編が進むと予想する声が強い。
だが、宮路氏は『規模は関係ありません』(同)と断言する。規模よりも大切なものが「特化」であり、それがなければ大手のソフトメーカーでも厳しいと主張する。『プロレスゲームならばどこにも負けない、というように特化したものを持つことが大切です。大手でも開発を持つ総合型では困るでしょう。…企業は、つい総合メーカーになりたがるが、これからは厳しいでしょうね』(同)。
宮路氏の主張は、一般的に言われている事とは少し違う。規模が小さい所は厳しく、淘汰・再編の対象になる所が多く出るという予測を否定し、規模の大小では無く、特化を目指さない総合型メーカーが厳しい目に遭う、と発言する宮路氏の言葉は面白い。
では、どうして彼は企業規模を問題視せず「特化型・総合型」に注目したのだろうか。特化型が良く、総合型が厳しいと判断したのはなぜなのか。今回はそこに焦点を当ててみたい。(つづく)
→第二章:「総合型の失敗」へ続く
2007年05月27日
スクエニ:過去最高の売上高 07年3月期決算 FF13は08年度以降発売へ
インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。
スクエニ:過去最高の売上高 07年3月期決算 FF13は08年度以降発売へ
スクウェア・エニックスが23日に発表した07年3月期決算によると、売上高は前年同期比31.3%増の約1634億円、営業利益は同67.5%増の約259億円、経常利益は同68.8%増の約262億円だった。 05年にタイトーを買収してから通期で業績が出たのは初めてで、過去最高の売上高となった。
家庭用ゲームソフト事業は、PS2用「ファイナルファンタジー(FF)12」(北米168万本、欧州110万本)、PS2用「キングダムハーツ2」(欧州 70万本)など米欧で好調だった。国内でもニンテンドーDS用「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」(141万本)、DS用「FF3」(99万本)を出荷、売上高などで貢献した。オンラインゲーム、モバイル、出版の各事業も利益を伸ばしたが、建て直しを図る子会社・タイトーのゲームセンター事業は営業赤字を計上するなど低調だった。
08年3月期の予想は、売上高1625億円、営業利益210億円、経常利益200億円。注目のPS3用ソフト「FF13」は、08年4月以降の発売になる見通し。
◇
スクウェア・エニックス和田洋一社長との主な一問一答は次の通り。
--「ドラゴンクエスト9」の開発状況はどうか。
きわめて順調だ。(ドラクエシリーズのゲームでは)06年末にDS用「モンスターズ ジョーカー」を出して、通信対戦で盛り上がった。夏にはゲームセンター用「バトルロード」、Wii用「ソード」を展開する。その後、リメーク版などを出してから、「9」の販売を考えている。ただ、販売時期も完全には確定していないこともあり、流動的だ。
--販売本数は(『ドラゴンクエスト8』)の3倍という声もある。ゲームの価格は?
目標本数は、差し控えさせていただきたい。価格については、市場を見ながら弾力的に設定するべきと思っている。
--「FF13」の状況は?
(米国のゲーム展示会『E3』で)お披露目をしたが、もう少しかかる。少なくとも今年度は無理だ。
--今後のゲーム市場の可能性についてお聞きしたい。
成長していくと思う。ユーザー、ゲーム機の多様化は数年前から想定していた。ただDSの爆発的な(ユーザー、市場の)増え方は予想外だった。
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2007/05/073ff1308.html
2007年05月26日
PS3の在庫は潤沢に──「長期戦」強調
インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。
PS3の在庫は潤沢に──「長期戦」強調
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/23/news060.html
エンターブレイン、浜村弘一社長が"ゲーム産業の現状と展望"を語る!
http://www.famitsu.com/game/news/2007/04/13/103,1176467364,70182,0,0.html
PS3勝利の秘策、自社ソフトで制覇!? 3年でWiiを完全逆転も、Xbox 360に苦戦
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/02/27/403.html
PS3、4年でゲーム市場を制すも、Xbox 360の先行ダッシュ響く - PS2に及ばず
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/01/24/001.html
戦う相手はPS3ではない──任天堂社長が語る今年の戦略
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/05/news044.html
2007年05月24日
過去のコラム編集:2002年2月「GC(ゲームキューブ)の不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」part4
当該記事は、2002年2月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「「GCの不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」の第四章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第四章:「残された宿題」
任天堂はGCをPS2やXboxに対抗させることを嫌った。GCを両ゲーム機とは様々な面で差別化を図り、非競合状態に持ちこんだのだ。競合する相手がいなければGCは生き残る、と任天堂は考えたからだろう。PS2が全世界で普及台数を伸ばす中で、それ以外のハードが生き残るためには、任天堂の差別化戦略は必要だったのである。
任天堂の山内社長は過去にXboxのことを『競合相手とは考えていない』(日経産業新聞 2001年5月24日)と評したことがある。一般的にこの発言の真意は「XboxはGCの相手にはならない」ということだと捉えられてきたが、こうして考えると「GCとXboxはそもそも、競合しあう関係にはないのだ」と見ることも出来る。この発言は、山内社長は当時から差別化を意識していた証拠でもあると考えられるのだ。
差別化に成功し、ゲーム機市場で生き残るであろうGCは、任天堂にある変化をもたらす。任天堂にとってその変化の影響は決して小さくない。それは、山内社長の引退だ。山内社長はここ数年頻繁に社長職の引退をほのめかしている。確かに山内社長は1927年生まれの74歳。引退してもおかしくない年齢だ。氏は引退する前提として『新ゲーム機の戦略が受け入れられたら』(日経産業新聞 2001年9月19日)という漠然とした条件を掲げていた。
だが、GCが成功する可能性が非常に高い今、山内社長がその職を退く日が迫ってきていると見て良い。山内氏はこう話す。『もう2年以上前から考え、今年の真ん中ぐらいまでには辞めたいと思っているが、はっきりは決めていない』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「“Xboxは売れない” 任天堂社長、山内溥さん」 2002年1月17日)。早ければ今年の真ん中には辞めるかもしれないと、具体的な時期まで話す山内氏。だが、任天堂を世界有数の大企業に育て上げた人物の代わりなど、そう簡単に見つかるのだろうか。
国内のある証券トレーダーは『だれも山内社長の役割を代わることはできない、引退となれば社内が混乱するのでは』(同)と危惧をする。1949年に任天堂の社長に就任してから、すでに50年以上経っているのだ。誰が新社長になっても社内が不安になるのは当然だろう。それでも、社長はいつか代わる。任天堂にとって、それは乗り越えなければならない壁でもあるのだ。
GCの成功は大変喜ばしいことである。しかし、同時にGCの成功は、できれば考えたくなかった社長交代という難問を任天堂に付き付けたのだ。山内社長は、任天堂にGCと大きな宿題を残して、その座を去ろうとしている。
(おわり)
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
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第四章:「残された宿題」
任天堂はGCをPS2やXboxに対抗させることを嫌った。GCを両ゲーム機とは様々な面で差別化を図り、非競合状態に持ちこんだのだ。競合する相手がいなければGCは生き残る、と任天堂は考えたからだろう。PS2が全世界で普及台数を伸ばす中で、それ以外のハードが生き残るためには、任天堂の差別化戦略は必要だったのである。
任天堂の山内社長は過去にXboxのことを『競合相手とは考えていない』(日経産業新聞 2001年5月24日)と評したことがある。一般的にこの発言の真意は「XboxはGCの相手にはならない」ということだと捉えられてきたが、こうして考えると「GCとXboxはそもそも、競合しあう関係にはないのだ」と見ることも出来る。この発言は、山内社長は当時から差別化を意識していた証拠でもあると考えられるのだ。
差別化に成功し、ゲーム機市場で生き残るであろうGCは、任天堂にある変化をもたらす。任天堂にとってその変化の影響は決して小さくない。それは、山内社長の引退だ。山内社長はここ数年頻繁に社長職の引退をほのめかしている。確かに山内社長は1927年生まれの74歳。引退してもおかしくない年齢だ。氏は引退する前提として『新ゲーム機の戦略が受け入れられたら』(日経産業新聞 2001年9月19日)という漠然とした条件を掲げていた。
だが、GCが成功する可能性が非常に高い今、山内社長がその職を退く日が迫ってきていると見て良い。山内氏はこう話す。『もう2年以上前から考え、今年の真ん中ぐらいまでには辞めたいと思っているが、はっきりは決めていない』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「“Xboxは売れない” 任天堂社長、山内溥さん」 2002年1月17日)。早ければ今年の真ん中には辞めるかもしれないと、具体的な時期まで話す山内氏。だが、任天堂を世界有数の大企業に育て上げた人物の代わりなど、そう簡単に見つかるのだろうか。
国内のある証券トレーダーは『だれも山内社長の役割を代わることはできない、引退となれば社内が混乱するのでは』(同)と危惧をする。1949年に任天堂の社長に就任してから、すでに50年以上経っているのだ。誰が新社長になっても社内が不安になるのは当然だろう。それでも、社長はいつか代わる。任天堂にとって、それは乗り越えなければならない壁でもあるのだ。
GCの成功は大変喜ばしいことである。しかし、同時にGCの成功は、できれば考えたくなかった社長交代という難問を任天堂に付き付けたのだ。山内社長は、任天堂にGCと大きな宿題を残して、その座を去ろうとしている。
(おわり)
2007年05月23日
過去のコラム編集:2002年2月「GC(ゲームキューブ)の不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」part3
当該記事は、2002年2月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「「GCの不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」の第三章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第三章:「差別化の徹底」
GCがゲーム市場で今後、元気に活躍できると予想した背景には、顧客の年齢層に違いがあるから、と前回に述べた。だが、GCの差別化策はそれだけには留まらない。GCは様々な面でPS2・Xboxとの“勝負を避けた”のだ。もちろん、“勝負を避けた”とは差別化のことを指す。
PS2やXboxの特徴は、数多くあるが代表的なものにオンライン対応機能があるだろう。オンライン対応機能は両ゲーム機の最も強調すべきセールスポイントのひとつでもある。今後、数年の間にオンラインゲーム市場が急成長する、との予測が大勢を占める中、PS2とXboxはオンラインゲーム市場をはっきり見据え、準備に余念がない。PS2の場合、ネット接続をするためには必要な周辺機器を購入しなければならないが、その代わり、早ければ今年の4、5月にもインターネット接続やゲームのコンテンツ配信サービスを始めるという。
XboxはPS2と違いネット接続に必要な機能はあらかじめ搭載されており、その点ではPS2より上だ。Xbox総責任者のバック氏もそこを強調する。『…ブロードバンドでのオンラインプラットホームとして、ハードディスクやイーサネットを搭載しており、その面でPS2に勝る』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト「日本上陸間近、Xboxチーフオフィサーが戦略を語る」 2002年2月6日)。さらには『…Xboxがブロードバンド化を進める原動力となることに期待して欲しい』(同)とも言っている。PS2・Xboxともにオンライン対応機能には大きな期待をかけ、具体的に動いているのである。
しかし、GCにはオンライン対応機能は無い。任天堂の首脳達もオンラインゲームには消極的だ。『ネットゲームの事業性は未知数』(日本経済新聞2001年 8月14日)と語る山内社長の言葉が任天堂のオンラインゲームに対する姿勢を表している。ここでGCとPS2・Xboxとの違いがはっきりと見て取れる。
任天堂はオンラインという武器をGCに持ちこまない事で、彼らと同じ土俵での争いを避けたのだ。もちろん、将来的にはGCもオンライン対応機能を身に付けるようになるだろう。だが、それは将来の話だ。任天堂の今西紘史氏は『ネットゲームの収益性が確認でき次第、対応する自社ソフトを販売したい』(同)と述べているが、その時期がいつになるのかはわからない。Xbox事業部長の大浦博久氏でさえ『ブロードバンドを生かしたゲームが主流になるのは来年以降になる』(日経産業新聞 2002年1月29日)と見ているのだ。
任天堂としては、そんな先の不確定要素の強い分野で今、PS2やXboxと争うよりも、オンライン対応機能をあえて盛り込まないことで、最も大事な出足の時期に差別化を図ったのだ。そうすることで、非競合状態にGCを置き、生き残りを確かなものにしたのだ。GCとしては自分自身が生き残る足場さえ早期に確保してしまえば、その後でオンラインの面でPS2やXboxといくら競合しようとも、問題は無いのだ。
任天堂は、差別化をオンライン対応機能の面だけには留めなかった。PS2・Xboxに装備されている「DVD再生機能」もGCから外したのだ。これは、 DVD再生機能を付ければゲーム機本体の価格が上昇することを嫌気したためであろう。
価格を抑えることによって、価格の面からも差別化を図ろうとしたのである。結果として、GCの価格帯とPS2・Xboxの価格帯は、五千円〜一万円の差が生じているのだから差別化には成功したと言えるだろう。さらには、開発者側に配慮し、ソフトの開発を容易にしたこともGCの差別化戦略の一環だと言える。
このように、任天堂はGCを徹底的に差別化をして、PS2・Xboxとは違う特徴を持ったゲーム機に仕立て上げたのである。だからこそ、GCは生き残ると予測出来るのである。(つづく)
→第四章:「残された宿題」へ続く
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第三章:「差別化の徹底」
GCがゲーム市場で今後、元気に活躍できると予想した背景には、顧客の年齢層に違いがあるから、と前回に述べた。だが、GCの差別化策はそれだけには留まらない。GCは様々な面でPS2・Xboxとの“勝負を避けた”のだ。もちろん、“勝負を避けた”とは差別化のことを指す。
PS2やXboxの特徴は、数多くあるが代表的なものにオンライン対応機能があるだろう。オンライン対応機能は両ゲーム機の最も強調すべきセールスポイントのひとつでもある。今後、数年の間にオンラインゲーム市場が急成長する、との予測が大勢を占める中、PS2とXboxはオンラインゲーム市場をはっきり見据え、準備に余念がない。PS2の場合、ネット接続をするためには必要な周辺機器を購入しなければならないが、その代わり、早ければ今年の4、5月にもインターネット接続やゲームのコンテンツ配信サービスを始めるという。
XboxはPS2と違いネット接続に必要な機能はあらかじめ搭載されており、その点ではPS2より上だ。Xbox総責任者のバック氏もそこを強調する。『…ブロードバンドでのオンラインプラットホームとして、ハードディスクやイーサネットを搭載しており、その面でPS2に勝る』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト「日本上陸間近、Xboxチーフオフィサーが戦略を語る」 2002年2月6日)。さらには『…Xboxがブロードバンド化を進める原動力となることに期待して欲しい』(同)とも言っている。PS2・Xboxともにオンライン対応機能には大きな期待をかけ、具体的に動いているのである。
しかし、GCにはオンライン対応機能は無い。任天堂の首脳達もオンラインゲームには消極的だ。『ネットゲームの事業性は未知数』(日本経済新聞2001年 8月14日)と語る山内社長の言葉が任天堂のオンラインゲームに対する姿勢を表している。ここでGCとPS2・Xboxとの違いがはっきりと見て取れる。
任天堂はオンラインという武器をGCに持ちこまない事で、彼らと同じ土俵での争いを避けたのだ。もちろん、将来的にはGCもオンライン対応機能を身に付けるようになるだろう。だが、それは将来の話だ。任天堂の今西紘史氏は『ネットゲームの収益性が確認でき次第、対応する自社ソフトを販売したい』(同)と述べているが、その時期がいつになるのかはわからない。Xbox事業部長の大浦博久氏でさえ『ブロードバンドを生かしたゲームが主流になるのは来年以降になる』(日経産業新聞 2002年1月29日)と見ているのだ。
任天堂としては、そんな先の不確定要素の強い分野で今、PS2やXboxと争うよりも、オンライン対応機能をあえて盛り込まないことで、最も大事な出足の時期に差別化を図ったのだ。そうすることで、非競合状態にGCを置き、生き残りを確かなものにしたのだ。GCとしては自分自身が生き残る足場さえ早期に確保してしまえば、その後でオンラインの面でPS2やXboxといくら競合しようとも、問題は無いのだ。
任天堂は、差別化をオンライン対応機能の面だけには留めなかった。PS2・Xboxに装備されている「DVD再生機能」もGCから外したのだ。これは、 DVD再生機能を付ければゲーム機本体の価格が上昇することを嫌気したためであろう。
価格を抑えることによって、価格の面からも差別化を図ろうとしたのである。結果として、GCの価格帯とPS2・Xboxの価格帯は、五千円〜一万円の差が生じているのだから差別化には成功したと言えるだろう。さらには、開発者側に配慮し、ソフトの開発を容易にしたこともGCの差別化戦略の一環だと言える。
このように、任天堂はGCを徹底的に差別化をして、PS2・Xboxとは違う特徴を持ったゲーム機に仕立て上げたのである。だからこそ、GCは生き残ると予測出来るのである。(つづく)
→第四章:「残された宿題」へ続く
任天堂:2012年までに米で「Wii」3500万台販売目指す-PS2に迫る
インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。
任天堂:2012年までに米で「Wii」3500万台販売目指す-PS2に迫る
5月22日(ブルームバーグ):任天堂は、家庭用ゲーム機の最新機種「Wii」を2012年までに3500万台販売する計画だ。ソニーの前世代機種「プレイステーション2(PS2)」の3820万台に迫る販売を目指す。
任天堂アメリカのマーケティング責任者ジョージ・ハリソン氏は22日、シアトルでインタビューに答え、同社はこの目標を11年または12年に達成する見通しだと語った。
同氏はまた、堅調な需要に対応するため中国工場でのWii生産を増やしていることを明らかにした。Wiiは06年11月の投入以来、米国で250万台を売り、最新世代のゲーム機のなかで首位となっている。
ハリソン氏は「需要は当社の予想よりもはるかに大きい」と指摘。「当社がこのような地位を占めることは、1年前には誰も予想していなかった」と話した。
Wiiよりも2日早く発売されたソニーの最新機種「プレイステーション3(PS3)」のこれまでの米販売台数は130万台。05年に投入された米マイクロソフトの「Xbox360」はこれまでに540万台を売っている(調査会社NPDグループ調べ)。前世代機種のPS2の人気は衰えず、4月の販売台数はPS3とXbox360を上回った。
2000年に発売されたPS2の人気は、価格と人気ソフトに負うところが大きい。Wiiも249ドルと、競合機種に比べ低価格に設定されている。また、任天堂は21日、14本の新ゲーム発売の計画を発表した。
ハリソン氏によると、任天堂は今まであまりビデオゲームをプレーしていない層を引き付ける作品に引き続き注力していく方針。このため処理能力が高く、描画に優れた機能にアップグレードする必要はほとんど感じていないという。同氏は「PS3とXbox360の売れ行きを見ると、機能はかつてのように購買意欲の原動力になっていないように見受けられる」として、「このため、当社は必要を感じるまでは先端的な技術開発を開始する計画はない」と語った。
原題:Nintendo Plans to Sell 35 Million Wii Consoles in U.S. by 2012(抜粋) {NXTW NSN JIGP7R076GHT
更新日時 : 2007/05/23 07:28 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=jpconewsstory&refer=jpconews&tkr=7974:JP&sid=awtXFLqzkt8c
カプコン社長:年10%成長向け海外MA視野−人気作はシリーズ化
インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。
カプコン社長:年10%成長向け海外MA視野−人気作はシリーズ化
5月22日(ブルームバーグ):ゲームソフトメーカー大手カプコンは21日、都内でアナリスト説明会を開催した。辻本憲三社長はこのなかで「同社が中長期的に売上高の伸びは10%、営業利益率では15%を達成する方針だ」と語り、「安定成長に向け、家庭用ゲームソフトとモバイルコンテンツ市場の販売拡大に注力する。特に海外での販売を重視し、グローバル企業として活路を見出す」との考えを示した。同社長が説明会直後にブルームバーグ・ニュースに語った。
辻本社長は、日米欧の3極の海外戦略を一段と重視するとしたうえで、「グローバルで通用するコンテンツ(情報の内容)の創出を目的とする株式の持ち合いや買収、提携は積極的に行う方針だ」と語った。
一方で、国内ゲーム会社や玩具メーカーなどとの合併やM&A(企業の買収・合併)は視野に入れていないとし、その理由として@海外で通用するコンテンツ確保が難しく、海外市場での販売拡大にはあまり寄与しないこと、Aライセンスなどの権利関係の処理が難しく複数の国でのビジネス展開は現実的には不可能であること――を挙げた。
「逆転」など売れ筋タイトルのシリーズで投入へ
辻本社長は、アナリスト説明会後にブルームバーグに対して、来期以降に、人気ゲームタイトル「逆転裁判5」、「バイオハザード5」などのシリーズソフトを投入する方針を明らかにした。
同社長は、次世代機が話題となるなかで、世界中で販売され、現在は日本では1万円台前半、米国では100米ドル台前半での購入が可能な家庭用ゲーム機の「プレイステーション2(PS2)」もまだまだ貴重なハードだとの認識を示した。これまでの既存人気タイトルの廉価版の投入も随時行い、コアなファンには最新型の次世代機向け、一般的な興味を持つ層には廉価版を入門用と位置付け、収益の機会を逃さず、販売シェア獲得に向けまい進するとの考えを示した。
さらに辻本社長は、次世代ゲーム機向けソフトへの開発投資などに向けた原資として、総額150億円のコミットメントラインをすでに締結、当面の開発に専念できる体制を整えつつあるとの自信を示した。同社は当面、エクイティファイナンスは行わず、タイトル開発や出店状況をにらみながら、コミットメントラインを中心に据えた資金調達を行う方針だ。
同社は今期のコンシューマー用ゲーム事業では、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」向け6タイトル、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」は 14タイトルをそれぞれ予定している。また、マイクロソフトのXbox360向けに前期発売した「ロストプラネット」のPC(パソコン)向けを販売する方針。 ゲーム事業では、売上高は前期比6%減の412億円、営業利益率は2.6ポイント減の15.8%をそれぞれ見込む。100万本を超える、3タイトルの人気ソフトが出た前期との比較では減収を見込む。
同社の今期(08年3月)連結業績予想は、純利益が前期比5.9%増の62億円、売上高は同4.6%増の780億円、経常利益は同3.8%増の110億円を予想している。
辻本社長は、株主への還元策の一環としての配当性向については、カプコンは長期国債の利回り1.5%程度を配当利回りの指標としていると語った。
カプコンの午前の株価終値は前日比110円(5.4%)高の2135円。
更新日時 : 2007/05/22 11:07 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=jpconewsstory&refer=jpconews&tkr=7974:JP&sid=axUTmoxQFwcI
タグ:カプコン
2007年05月21日
過去のコラム編集:2002年2月「GC(ゲームキューブ)の不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」part2
当該記事は、2002年2月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「「GCの不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」の第二章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第二章:「非競合状態」
SCE・任天堂・MSの三社が出すハードの中で最も生き残る可能性が高いゲーム機は、GCである。そう予測する人は少なからず存在する。現在、普及台数がトップであり、他社のゲーム機に大きく差をつけているPS2ではなく、発売後一年も経過していないGCが生き残るという根拠として、任天堂が抱える主要購買層が関係している。
任天堂のゲームを遊ぶユーザーの大半は、小学生や中学生である。任天堂のゲームソフトの主要購買層に低年齢層が多くなったのは、「ポケットモンスター」などに代表される任天堂のゲームが低年齢層に受け入れられたからだろう。このため、同層における任天堂の支持率はかなり高いものになる。
従って、GCの主な購買層も小中学生が多くなるのは当然と言える。MSのXbox総責任者ロバート・J・バック氏もそれは確認済みで『GCは12歳以下の購入者が多く(いる)』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「日本上陸間近、Xboxチーフオフィサーが戦略を語る」 2002年2月6日カッコ内は筆者)と述べ、GCの主な顧客層が低年齢層に集中している事実を把握している。
一方、PS2の主要顧客層は『十代後半から三十代』(日経流通新聞MJ 2001年10月13日)にかけての若年層であり、GCのそれとは見事にずれている。Xboxの場合も『十六−二十六歳』(日経流通新聞 2001年11月20日)が主な購買層であり、GCとは重ならない。これがGCを生き残らせている一つの理由になっている。
つまり、表面上PS2や Xboxは、GCとお互いに競争しあう立場にいるにも関わらず、主要顧客層がGCとは異なっているために、実質的に両ゲーム機はGCの競争相手にはなっていないのだ。バック氏は『ゲーム市場は成熟化し、住み分けが可能になった』(Mainichi 以下前記)とも言っているが、その住み分けにGCは成功したのだ。
競争がなければGCは無くなる事はない。任天堂があらかじめ、PS2やXboxとは違う顧客層を獲得していたために非競合状態にすることができたのである。これが、GCが生き残ると予測させる根拠になっているのである。
しかし、GCの差別化策は顧客層の違いだけではない。その程度であれば、差別化に成功したとは言い難いだろう。もっと明確にGCをPS2・Xboxと区別する必要があるのだ。
任天堂は競合を避けるために、GCを徹底的に差別化していくことになる。(つづく)
→第三章:「差別化の徹底」へ続く
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第二章:「非競合状態」
SCE・任天堂・MSの三社が出すハードの中で最も生き残る可能性が高いゲーム機は、GCである。そう予測する人は少なからず存在する。現在、普及台数がトップであり、他社のゲーム機に大きく差をつけているPS2ではなく、発売後一年も経過していないGCが生き残るという根拠として、任天堂が抱える主要購買層が関係している。
任天堂のゲームを遊ぶユーザーの大半は、小学生や中学生である。任天堂のゲームソフトの主要購買層に低年齢層が多くなったのは、「ポケットモンスター」などに代表される任天堂のゲームが低年齢層に受け入れられたからだろう。このため、同層における任天堂の支持率はかなり高いものになる。
従って、GCの主な購買層も小中学生が多くなるのは当然と言える。MSのXbox総責任者ロバート・J・バック氏もそれは確認済みで『GCは12歳以下の購入者が多く(いる)』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「日本上陸間近、Xboxチーフオフィサーが戦略を語る」 2002年2月6日カッコ内は筆者)と述べ、GCの主な顧客層が低年齢層に集中している事実を把握している。
一方、PS2の主要顧客層は『十代後半から三十代』(日経流通新聞MJ 2001年10月13日)にかけての若年層であり、GCのそれとは見事にずれている。Xboxの場合も『十六−二十六歳』(日経流通新聞 2001年11月20日)が主な購買層であり、GCとは重ならない。これがGCを生き残らせている一つの理由になっている。
つまり、表面上PS2や Xboxは、GCとお互いに競争しあう立場にいるにも関わらず、主要顧客層がGCとは異なっているために、実質的に両ゲーム機はGCの競争相手にはなっていないのだ。バック氏は『ゲーム市場は成熟化し、住み分けが可能になった』(Mainichi 以下前記)とも言っているが、その住み分けにGCは成功したのだ。
競争がなければGCは無くなる事はない。任天堂があらかじめ、PS2やXboxとは違う顧客層を獲得していたために非競合状態にすることができたのである。これが、GCが生き残ると予測させる根拠になっているのである。
しかし、GCの差別化策は顧客層の違いだけではない。その程度であれば、差別化に成功したとは言い難いだろう。もっと明確にGCをPS2・Xboxと区別する必要があるのだ。
任天堂は競合を避けるために、GCを徹底的に差別化していくことになる。(つづく)
→第三章:「差別化の徹底」へ続く
2007年05月19日
過去のコラム編集:2002年2月「GC(ゲームキューブ)の不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」part1
当該記事は、2002年2月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「「GCの不戦主義 〜任天堂の非競合戦略〜」の第一章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第一章:「三つ巴」
2002年2月22日にマイクロソフト(MS)のXboxが発売になる。Xboxの登場によってソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のプレイステーション2(PS2)、任天堂のゲームキューブ(GC)と三台のゲーム機が出揃うことになりゲーム市場が活性化すると期待されている。
先に三台のゲーム機が市場に現れたアメリカでは新発売になったGC・Xboxだけでなく、PS2も含めたすべてのゲーム機が好調な売り上げを記録したという。SCE の福永憲一氏は『昨年11月に北米でXboxとニンテンドーゲームキューブが発売されたときも、プレイステーション2は、前週比の1.7倍くらい売れました。何もしなかったのに』(P110 「週刊ファミ通 1月25日号」 2002 エンターブレイン)と証言する。
福永氏はこの現象からハード競争は限られた市場の中でのユーザーの奪い合い、シェアの食い合いなど、それぞれに悪影響をもたらすものではなく、ゲーム市場自体を拡大させる『プラスの相乗効果』(同)があると判断している。北米の販売状況を見れば、福永氏の主張には納得させられる。そのためにXboxの登場は日本でもゲーム市場活性化のために望まれているのである。
新ハードが登場し、ゲーム市場全体が盛り上がることは良い傾向だ。三台すべてのゲーム機が「プラスの相乗効果」を互いにもたらし、それだけ市場が拡大するのだから。だが、当事者の間ではそんな呑気な事は言っていられないだろう。これから将来に渡ってゲーム市場に留まり続けるためには、激しい競争を生き抜いていかなければならないのだ。
「プラスの相乗効果」はあるとは言え、それが必ずしも自社のゲーム機に有利に働くとは限らない。いまは、競争することで良い効果がもたらされているかもしれないが、いつ競争の負の面が現れて、自社のハードを駆逐するか、分かったものではない。彼らにしてみれば競争は、競争でしかないのだ。
では、その競争に高い確率で生き残るハードはこの中でどれか。もし、どれか一つ具体的なゲーム機の名を挙げよ、と言われれば最も多い普及台数を誇るSCE のPS2より、任天堂のGCの名を口にする人が少なからずいるのではないか、と思われる。それは、GCに込められた生き残り策を高く評価しているからだろう。ならばGCの生き残り策とは何なのか。
これから競争が激化すると予測されているゲーム市場で生き残る方法を編み出したGCとPS2やXboxは何が違うのか。そこを少し考えてみる事にしたい。(つづく)
→第二章:「非競合状態」へ続く
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第一章:「三つ巴」
2002年2月22日にマイクロソフト(MS)のXboxが発売になる。Xboxの登場によってソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のプレイステーション2(PS2)、任天堂のゲームキューブ(GC)と三台のゲーム機が出揃うことになりゲーム市場が活性化すると期待されている。
先に三台のゲーム機が市場に現れたアメリカでは新発売になったGC・Xboxだけでなく、PS2も含めたすべてのゲーム機が好調な売り上げを記録したという。SCE の福永憲一氏は『昨年11月に北米でXboxとニンテンドーゲームキューブが発売されたときも、プレイステーション2は、前週比の1.7倍くらい売れました。何もしなかったのに』(P110 「週刊ファミ通 1月25日号」 2002 エンターブレイン)と証言する。
福永氏はこの現象からハード競争は限られた市場の中でのユーザーの奪い合い、シェアの食い合いなど、それぞれに悪影響をもたらすものではなく、ゲーム市場自体を拡大させる『プラスの相乗効果』(同)があると判断している。北米の販売状況を見れば、福永氏の主張には納得させられる。そのためにXboxの登場は日本でもゲーム市場活性化のために望まれているのである。
新ハードが登場し、ゲーム市場全体が盛り上がることは良い傾向だ。三台すべてのゲーム機が「プラスの相乗効果」を互いにもたらし、それだけ市場が拡大するのだから。だが、当事者の間ではそんな呑気な事は言っていられないだろう。これから将来に渡ってゲーム市場に留まり続けるためには、激しい競争を生き抜いていかなければならないのだ。
「プラスの相乗効果」はあるとは言え、それが必ずしも自社のゲーム機に有利に働くとは限らない。いまは、競争することで良い効果がもたらされているかもしれないが、いつ競争の負の面が現れて、自社のハードを駆逐するか、分かったものではない。彼らにしてみれば競争は、競争でしかないのだ。
では、その競争に高い確率で生き残るハードはこの中でどれか。もし、どれか一つ具体的なゲーム機の名を挙げよ、と言われれば最も多い普及台数を誇るSCE のPS2より、任天堂のGCの名を口にする人が少なからずいるのではないか、と思われる。それは、GCに込められた生き残り策を高く評価しているからだろう。ならばGCの生き残り策とは何なのか。
これから競争が激化すると予測されているゲーム市場で生き残る方法を編み出したGCとPS2やXboxは何が違うのか。そこを少し考えてみる事にしたい。(つづく)
→第二章:「非競合状態」へ続く
2007年05月11日
久夛良木氏退任でPS3の失地回復を目指すソニー
インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。
久夛良木氏退任でPS3の失地回復を目指すソニー
米国では「ゲーム界のグーテンベルグ」とも言われた久夛良木氏の退任について、PS3の立ち上げ失敗からの立ち直りを目指し、体面を保つための解雇だとの見方も出ている。
ソニーの主力ゲーム機「プレイステーション」の生みの親が、6月で退任する。同社はゲーム業界の独占状態を維持し、エレキとエンターテインメントにおける草分けの名声を復活させようとして苦戦中だ。
ゲーマーの間で象徴的な存在である久夛良木健氏(56)は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)会長兼グループCEOの職を退く。ソニーが4月26日に発表した。後任には、平井一夫社長兼グループCOOが就任する。
久夛良木氏は2006年12月にSCEの社長を辞任し、経営の一線からは退いたが、会長兼CEO職にはとどまっていた。
久夛良木氏が生み出した最新作のプレイステーション 3(PS3)は2006年11月に登場したが、生産が追いつかないという失態に見舞われ、600ドルという値段にも一部のソニーファンから高過ぎるとのクレームが付いた。過去数カ月の間、ソニーは売り上げを伸ばすため、ゲームタイトル無料提供などの販促戦略に訴えていた。
ソニーは、若い男性を中心としたいわゆる「ハードコア」ゲーマー以外へのユーザー拡大でも苦戦している。ソニーの製品が女性や低年齢層、高齢層に関心を持ってもらえず、結果として市場シェアが縮小していることに対し、投資家からは数四半期前から不満が出ていた。
2006年後半、任天堂が競合ゲーム機の「Wii」を約250ドルで発売したことにより、ソニーのユーザー層が限られているという問題が浮き彫りになった。Wiiは手首に取り付ける小型コントローラ付きで、グラフィックスのリアルさという点では不十分。しかし少女や母親、高齢者など、自分がゲーム好きだなどと思ったこともないユーザーの間で予想外のヒットとなった。
2006年12月31日までにソニーが世界で出荷したPS3は184万台。一方、任天堂は319万台のWiiを販売した。
宿命のライバル任天堂に敗れたことが引き金となり、ソニーのハワード・ストリンガーCEOは復活に向けた取り組みを強化。11月には久夛良木氏を降格させ、経営責任をはぎ取った。ストリンガー氏はウェールズ出身で、国外出身者として初めて同社CEOに就任した人物。
ソニー幹部は26日の発表内容以上のことはコメントしない方針だ。
Sony Computer Entertainment America広報のキンバリー・オツマン氏は談話で次のように述べている。「久夛良木氏はしばらく前からこの決定について考えていたと述べている。ソニーとSCEは今後も幅広い観点から久夛良木氏の助言とアイデアを求め、引き続き同氏の夢の実現を最大限にサポートする」
Time Magazine誌が2004年、「ゲーム界のグーテンベルク」と名付けた久夛良木氏は、6月19日付で退任する。その後はSCEの名誉会長となり、ストリンガー氏の上級技術顧問を務める。
久夛良木氏は顧問の職にとどまるが、米国のゲーム専門家の中には、今回の退任は体面を保つための解雇であり、PS3立ち上げの失敗から立ち直ろうとするストリンガー氏の取り組みだったかもしれないとの見方もある。
「ソニーは大々的に宣伝しておきながら十分な量を供給できなかった」と指摘するのは、調査会社IDCのゲームアナリスト、ビリー・ピジョン氏。「ソニーは自社のユーザー層が先細りしていることに気付かず、もっと幅広い層にアピールしてユーザー層を拡大することをしなかった。その代わり、真っ先に買ってくれる18〜32歳の男性層にアピールするという昔ながらの戦法に出た」
ゲーム部門の人事刷新は、ソニーが全社的な問題を抱える中で断行された。
どん底に陥ったのは2006年10月。世界で960万個のノートPC用リチウムイオンバッテリーリコールに見舞われ、ソニー経営陣が謝罪を余儀なくされた。これは極小の金属片が誤ってバッテリーの中に入り込んだことが原因で、ごくまれに、回路がショートして発火する問題が起きた。
このリコールとPS3の問題が相まって、同社は3月31日までの年度の利益予想下方修正を強いられた。
リコール前からソニーの将来展望は波乱含みだった。同社は一世を風靡(ふうび)したウォークマンのメーカーだが、その後はけた外れの大ヒット商品を生み出せずにいる。携帯音楽プレーヤーでの首位の座は、AppleのiPodに明け渡した。
しかし、投資グループMotley Foolの共同創設者、デビッド・ガードナー氏は、最も許せないのはPS3立ち上げの失敗だったと振り返る。
同社は何年もの間、プレイステーションの売り上げに支えられていたが、エレクトロニクス製品は利益率の極端な低迷で足を引っ張っていた。PS3が登場した時は、値段の高さと優れたゲームに乏しいことが原因で、コンシューマーにそっぽを向かれたり購入を先延ばしにされた。
ソニーは秋にはPS3向けの独自ゲームを増やす予定だが、それまでにWiiとMicrosoftのXbox 360の販売はもっと伸びそうだ。
この分野の財務アナリストで、熱烈なゲームファンでもあるガードナー氏は言う。「プレイステーションは同社のキラー製品だったが、PS3で唯一優れた独自タイトルといえば『RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜』だけだ。まったくイライラする。誰に責任があるのか分からないが、これは同社が最近犯した中で最大の、最も壊滅的で明らかな過ちだ」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/27/news082.html
2007年05月10日
過去のコラム編集:2002年3月 「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」part4
当該記事は、2002年3月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」の第一章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第四章:「経営陣の手腕」
前章はこちら→「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」part3
ゲーム業界の悪癖と宿命をテクモとコナミはそれぞれ独自の方法で克服せんと努力をしている。どこのソフトメーカーも同種の問題を抱えているだけに、両社の 挑戦は業界の体質を一変させる可能性を持っている。ただ、コナミの手法を用いることができるメーカーはほぼ無いだろう。
ゲーム事業以外の事業を以ってゲーム事業の宿命に対抗しようとする試みはユニークであるが、他のメーカーにとって企業規模が大きくなければ誰にも真似できないコナミ方式を参考にするのは難 しい。
反対にテクモの解決策はどのメーカーにもできる。開発者に発想の転換を求め、責任を負わせる方法に特別な資金は要らない。企業規模の大小を問わないテクモ方式が、その他のソフトメーカーにも伝播すれば、長年に渡って忌み嫌われてきた延期癖という悪癖を無くすことができるかもしれないのだ。テクモ方法は業界の悪癖を取り払う大いなる可能性を秘めている。
しかし、テクモ方式も万全ではない。不安点は当然ある。それは、全ての開発者がテクモ方式を受け入れるのか、ということだ。今まで開発者は時間や資金のこ とはあまり考えず、自由にソフトを制作してきた。『売上云々もまったく気にしなかったし、イイ物を作るために時間をかけることが美しいと思っていました』 (P32 週刊宝島 2001 3.14 NO.496 宝島社)と語るのは「メタルギア」シリーズを手掛けているコナミJPNの小島秀夫氏である。
この言葉は「メタルギア」シリーズが初めて世に出た1980年代を述懐したものであるが、開発者の中には現在でも小島氏がかつて持っていた考え方に同調する人間は少なくないはずだ。そのような考えを持つ彼らにいきなり発想の転換を求め、代わりに制約に等しい責任を与えたらどうなるか。おそらく反発を招くだけだろう。
もし、開発者達を説き伏せることができなければ、延 期癖は直らない。彼らを納得させられるかどうかが、大きな分かれ道なのだ。つまり、開発者達を説得する側である経営陣に全てがかかっているといっても過言 ではないのである。
ソフトメーカーの経営陣にかかる責任は重くなる一方だ。ゲーム市場の冷え込みからくる経営悪化が多くのソフトメーカーで起きるようになり、その責任をとる 形での経営陣の交代が一斉に起きている。セガ・スクウェア・アトラスなどが主な例だ。
旧経営陣が対応できない難問が山積しているからこその交代劇なのであ るから、それだけに新経営陣に課せられた責任は重い。当然のことながら山積している問題の一つに、開発費の抑制がある。それを達成するためには、悪癖の解 消は不可欠だろう。
ゲーム業界の構造改革には“裏技”は存在しない。改革の成否はすべて経営陣の手腕に委ねられているのである。(おわり)
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第四章:「経営陣の手腕」
前章はこちら→「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」part3
ゲーム業界の悪癖と宿命をテクモとコナミはそれぞれ独自の方法で克服せんと努力をしている。どこのソフトメーカーも同種の問題を抱えているだけに、両社の 挑戦は業界の体質を一変させる可能性を持っている。ただ、コナミの手法を用いることができるメーカーはほぼ無いだろう。
ゲーム事業以外の事業を以ってゲーム事業の宿命に対抗しようとする試みはユニークであるが、他のメーカーにとって企業規模が大きくなければ誰にも真似できないコナミ方式を参考にするのは難 しい。
反対にテクモの解決策はどのメーカーにもできる。開発者に発想の転換を求め、責任を負わせる方法に特別な資金は要らない。企業規模の大小を問わないテクモ方式が、その他のソフトメーカーにも伝播すれば、長年に渡って忌み嫌われてきた延期癖という悪癖を無くすことができるかもしれないのだ。テクモ方法は業界の悪癖を取り払う大いなる可能性を秘めている。
しかし、テクモ方式も万全ではない。不安点は当然ある。それは、全ての開発者がテクモ方式を受け入れるのか、ということだ。今まで開発者は時間や資金のこ とはあまり考えず、自由にソフトを制作してきた。『売上云々もまったく気にしなかったし、イイ物を作るために時間をかけることが美しいと思っていました』 (P32 週刊宝島 2001 3.14 NO.496 宝島社)と語るのは「メタルギア」シリーズを手掛けているコナミJPNの小島秀夫氏である。
この言葉は「メタルギア」シリーズが初めて世に出た1980年代を述懐したものであるが、開発者の中には現在でも小島氏がかつて持っていた考え方に同調する人間は少なくないはずだ。そのような考えを持つ彼らにいきなり発想の転換を求め、代わりに制約に等しい責任を与えたらどうなるか。おそらく反発を招くだけだろう。
もし、開発者達を説き伏せることができなければ、延 期癖は直らない。彼らを納得させられるかどうかが、大きな分かれ道なのだ。つまり、開発者達を説得する側である経営陣に全てがかかっているといっても過言 ではないのである。
ソフトメーカーの経営陣にかかる責任は重くなる一方だ。ゲーム市場の冷え込みからくる経営悪化が多くのソフトメーカーで起きるようになり、その責任をとる 形での経営陣の交代が一斉に起きている。セガ・スクウェア・アトラスなどが主な例だ。
旧経営陣が対応できない難問が山積しているからこその交代劇なのであ るから、それだけに新経営陣に課せられた責任は重い。当然のことながら山積している問題の一つに、開発費の抑制がある。それを達成するためには、悪癖の解 消は不可欠だろう。
ゲーム業界の構造改革には“裏技”は存在しない。改革の成否はすべて経営陣の手腕に委ねられているのである。(おわり)
2007年05月09日
過去のコラム編集:2002年3月 「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」part3
当該記事は、2002年3月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」の第一章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
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第三章:「コナミの試み」
第二章はこちら:2002年3月 「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」part2
ゲーム業界の悪癖が延期癖ならば、宿命とも言えるのが「不安定さ」であろう。ゲームソフトは世に出してみなければ、売れるかどうか分からない。ゲームソフトは生活必需品ではなく、娯楽品なのだから当然だろう。その娯楽のためだけに存在しているゲームソフトが面白くなければ、ソフトの存在価値は無いに等しい。
もし、ゲームユーザーに面白くないと判断されてしまえば、そのゲームソフトは売れない。売れないどころか彼らはそのソフトに最もふさわしく、長年彼ら の間で親しまれてきた“蔑称”を授け、商品寿命に止めを刺す。
ならば、ユーザーに面白いと思ってもらえるようなソフトを作れば良いのだか、彼らの価値判断基準は実に曖昧だ。明確なもの、不変なものを探り出すのは至難 の技と言って良い。そのため、ゲームソフトの売り上げをあらかじめ予測することはかなり難しい。
例外として、販売本数を事前に予測できるソフトがあるが、 それは一握りの人気シリーズ続編に限られる。つまり、ゲームソフトをビジネスにすれば、この不安定さが良くも悪くもメーカーの業績を大きく変えてしまう可 能性を常に孕んでいるのだ。
ソフトメーカーは、これまで業績を安定化させるべくその宿命を何とか解消しようと努力してきた。最も有効とされる策の一つが発売タイトルを増やすことだ。発売されるゲームソフトが増えれば、それだけ売り上げ本数が伸びる。予測が外れ、思わぬ不振に陥るソフトがあっても発売タイトルが多ければ、それを補える。
仮に、発売タイトルが少ない無い場合『供給するタイトル数を増やし、リスクを分散すべきだ』(2001年3月2日 日経金融新聞)と証券アナリストから指摘されることもあるほどだ。それだけ、このリスク回避策は一般的なのだ。だが、コナミは発売タイトル数を増やす方法 以外にも、別なやり方を以って業績の安定化を試みた。
コナミの解決策はゲーム業界の宿命とも言える不安定さを仕方の無いものだとあきらめ、ゲームとはさほど縁が無い、毛色の違う事業を保有することで企業全体 に与える悪影響を最小限に食い止めようとしたのだ。フィットネスクラブ運営企業「ピープル」(現コナミスポーツ)、玩具メーカー大手のタカラなどの企業を コナミの傘下に入れたのは、コナミの業績を安定化させるための重責の役割を期待したからなのだ。
ゲーム業界が抱える問題点を言わば「棚上げ」することで、宿命の悪影響を解決しようと試みているコナミのやり方は“力業”ではある。はっきり言えば、大企業でなければできない解決策であろう。ただ、これも一つの解決策であるのは間違い無い。
自社の企業規模を多いに利用し、ひとりゲーム業界の宿命との決別を宣言したコナミ。その選択肢が正しかったのかどうか、真価が問われるのはコナミがゲームソフト事業で苦境に陥ったときだ。結論は、まだ出ていない。(つづく)
続きはこちら→第四章:「「経営陣の手腕」」
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第三章:「コナミの試み」
第二章はこちら:2002年3月 「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」part2
ゲーム業界の悪癖が延期癖ならば、宿命とも言えるのが「不安定さ」であろう。ゲームソフトは世に出してみなければ、売れるかどうか分からない。ゲームソフトは生活必需品ではなく、娯楽品なのだから当然だろう。その娯楽のためだけに存在しているゲームソフトが面白くなければ、ソフトの存在価値は無いに等しい。
もし、ゲームユーザーに面白くないと判断されてしまえば、そのゲームソフトは売れない。売れないどころか彼らはそのソフトに最もふさわしく、長年彼ら の間で親しまれてきた“蔑称”を授け、商品寿命に止めを刺す。
ならば、ユーザーに面白いと思ってもらえるようなソフトを作れば良いのだか、彼らの価値判断基準は実に曖昧だ。明確なもの、不変なものを探り出すのは至難 の技と言って良い。そのため、ゲームソフトの売り上げをあらかじめ予測することはかなり難しい。
例外として、販売本数を事前に予測できるソフトがあるが、 それは一握りの人気シリーズ続編に限られる。つまり、ゲームソフトをビジネスにすれば、この不安定さが良くも悪くもメーカーの業績を大きく変えてしまう可 能性を常に孕んでいるのだ。
ソフトメーカーは、これまで業績を安定化させるべくその宿命を何とか解消しようと努力してきた。最も有効とされる策の一つが発売タイトルを増やすことだ。発売されるゲームソフトが増えれば、それだけ売り上げ本数が伸びる。予測が外れ、思わぬ不振に陥るソフトがあっても発売タイトルが多ければ、それを補える。
仮に、発売タイトルが少ない無い場合『供給するタイトル数を増やし、リスクを分散すべきだ』(2001年3月2日 日経金融新聞)と証券アナリストから指摘されることもあるほどだ。それだけ、このリスク回避策は一般的なのだ。だが、コナミは発売タイトル数を増やす方法 以外にも、別なやり方を以って業績の安定化を試みた。
コナミの解決策はゲーム業界の宿命とも言える不安定さを仕方の無いものだとあきらめ、ゲームとはさほど縁が無い、毛色の違う事業を保有することで企業全体 に与える悪影響を最小限に食い止めようとしたのだ。フィットネスクラブ運営企業「ピープル」(現コナミスポーツ)、玩具メーカー大手のタカラなどの企業を コナミの傘下に入れたのは、コナミの業績を安定化させるための重責の役割を期待したからなのだ。
ゲーム業界が抱える問題点を言わば「棚上げ」することで、宿命の悪影響を解決しようと試みているコナミのやり方は“力業”ではある。はっきり言えば、大企業でなければできない解決策であろう。ただ、これも一つの解決策であるのは間違い無い。
自社の企業規模を多いに利用し、ひとりゲーム業界の宿命との決別を宣言したコナミ。その選択肢が正しかったのかどうか、真価が問われるのはコナミがゲームソフト事業で苦境に陥ったときだ。結論は、まだ出ていない。(つづく)
続きはこちら→第四章:「「経営陣の手腕」」
2007年05月08日
過去のコラム編集:2002年3月 「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」part2
当該記事は、2002年3月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ゲーム業界の構造改革 〜悪癖と宿命との決別〜」の第一章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
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第二章:「テクモの挑戦」
第一章:「ゲーム業界の七癖」はこちら
ゲーム業界に染みこんだ延期癖を何とか克服しようと努力を重ねたのがテクモである。延期癖という悪癖は、実は当のソフトメーカーにも重荷になるものだ。当初予定していた発売日を延期すればそれだけ開発期間が長くなる。ゲームの開発費の多くは人件費なのだから、開発期間が延びれば延びるほど開発者に支払う人件費が事前の予想以上に積み重なっていく。
開発期間が長期化すればそれだけ、ソフトメーカーの負担が重くなるのだ。これはソフトメーカーにとっては痛い話 だ。発売延期の報はゲームユーザーには失望と落胆しか与えないが、ソフトメーカーにはこれに金銭的なダメージも加わるのだ。
しかし、テクモは半ば慣例化していた延期癖の一掃のために解決策を用意した。それは、開発者に発想の転換を求めるものだった。テクモの中村社長はこう言っ て開発者を指導したという。『作品ではなく商品を作れ』(2002年2月19日 日経産業新聞)。旺文社発刊の「国語辞典 第八版」によると作品は『文学・美術・音楽などの創作物』(P493)であり、商品は『売るための品物』(P626)だと記されている。
つまり、テクモが 作るゲームソフトは文化的な価値を重視する“作品”ではなく、売るための“品物”なのだと中村社長は説き、開発者達にゲームの完璧な出来栄えより、開発コ ストの面に重きを置くよう発想の転換を促したのだ。
ともすれば開発者はゲームソフトを作品であると考えがちであり、作品に完璧を求めてしまう傾向にある。これが開発期間が延びる原因になってきたのだ。しか し、彼らに発想の転換を求め、コスト意識を植え付けておけば、開発期間の延長がどんな不利益を自社にもたらすのかを理解するようになる。
そうなれば、なるべく予定された開発期間にゲームソフトを完成させるべく努力するだろう。あまりに弊害が多過ぎる延期癖を直すためにはコスト意識を植え付けることは絶対に必要だったのだ。もちろん、開発チームのトップにコストを管理する責任を負わせたり、開発期間が延びすぎたゲームの開発を中止させるなどの措置を執ることも忘れずに行なった。
だが、それは手助け程度の効果しかない。ゲームを効率的に開発し、あらかじめ予定した開発期間内通りに完成させるには、開発者の努力 が何よりも大切なのだから。
商品よりも作品を作りたくなるのは開発者の性なのかもしれない。そう思わせる言葉を玩具メーカー大手のトミー社長富山幹太郎氏は口にしたことがある。彼は 過去に自社の開発部門の人間を指してこう述べた。『開発部門は夢見る少年ばかり。売れる商品ではなく試作品を作るのがうまいだけ』(2000年11月27 日 日本経済新聞)。
“商品”ではなく“試作品”をつくる玩具開発者。開発者はどこでも一緒らしい。彼らはなまじ新しいものを創造できる才能があるために、つい“作品”を作りたくなる人種なのだろう。だからこそ、開発者なのだと言うこともできるが、それだけでは駄目なのだ。開発者の本能を抑えつつ、開発者を活 かす術の一つがコスト意識の徹底なのである。テクモが延期癖を克服した背景にはこうした事情がある。(つづく)
第三章「コナミの試み」へ続く
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第二章:「テクモの挑戦」
第一章:「ゲーム業界の七癖」はこちら
ゲーム業界に染みこんだ延期癖を何とか克服しようと努力を重ねたのがテクモである。延期癖という悪癖は、実は当のソフトメーカーにも重荷になるものだ。当初予定していた発売日を延期すればそれだけ開発期間が長くなる。ゲームの開発費の多くは人件費なのだから、開発期間が延びれば延びるほど開発者に支払う人件費が事前の予想以上に積み重なっていく。
開発期間が長期化すればそれだけ、ソフトメーカーの負担が重くなるのだ。これはソフトメーカーにとっては痛い話 だ。発売延期の報はゲームユーザーには失望と落胆しか与えないが、ソフトメーカーにはこれに金銭的なダメージも加わるのだ。
しかし、テクモは半ば慣例化していた延期癖の一掃のために解決策を用意した。それは、開発者に発想の転換を求めるものだった。テクモの中村社長はこう言っ て開発者を指導したという。『作品ではなく商品を作れ』(2002年2月19日 日経産業新聞)。旺文社発刊の「国語辞典 第八版」によると作品は『文学・美術・音楽などの創作物』(P493)であり、商品は『売るための品物』(P626)だと記されている。
つまり、テクモが 作るゲームソフトは文化的な価値を重視する“作品”ではなく、売るための“品物”なのだと中村社長は説き、開発者達にゲームの完璧な出来栄えより、開発コ ストの面に重きを置くよう発想の転換を促したのだ。
ともすれば開発者はゲームソフトを作品であると考えがちであり、作品に完璧を求めてしまう傾向にある。これが開発期間が延びる原因になってきたのだ。しか し、彼らに発想の転換を求め、コスト意識を植え付けておけば、開発期間の延長がどんな不利益を自社にもたらすのかを理解するようになる。
そうなれば、なるべく予定された開発期間にゲームソフトを完成させるべく努力するだろう。あまりに弊害が多過ぎる延期癖を直すためにはコスト意識を植え付けることは絶対に必要だったのだ。もちろん、開発チームのトップにコストを管理する責任を負わせたり、開発期間が延びすぎたゲームの開発を中止させるなどの措置を執ることも忘れずに行なった。
だが、それは手助け程度の効果しかない。ゲームを効率的に開発し、あらかじめ予定した開発期間内通りに完成させるには、開発者の努力 が何よりも大切なのだから。
商品よりも作品を作りたくなるのは開発者の性なのかもしれない。そう思わせる言葉を玩具メーカー大手のトミー社長富山幹太郎氏は口にしたことがある。彼は 過去に自社の開発部門の人間を指してこう述べた。『開発部門は夢見る少年ばかり。売れる商品ではなく試作品を作るのがうまいだけ』(2000年11月27 日 日本経済新聞)。
“商品”ではなく“試作品”をつくる玩具開発者。開発者はどこでも一緒らしい。彼らはなまじ新しいものを創造できる才能があるために、つい“作品”を作りたくなる人種なのだろう。だからこそ、開発者なのだと言うこともできるが、それだけでは駄目なのだ。開発者の本能を抑えつつ、開発者を活 かす術の一つがコスト意識の徹底なのである。テクモが延期癖を克服した背景にはこうした事情がある。(つづく)
第三章「コナミの試み」へ続く
2007年05月07日
DSライト:1000万台突破 PS2の倍以上のスピードで達成
インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。
DSライト:1000万台突破 PS2の倍以上のスピードで達成
任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDSライト」(1万6800円)の累計販売数が1000万台を突破したことが明らかとなった。エンターブレインが7 日発表した07年4月のゲームソフト・ハード売り上げランキング(3月26日〜4月29日)で分かった。発売からわずか61週の達成で、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション2の131週を大きく上回る記録となる。
DSライトは、「ニンテンドーDS」(1万5000円、04年末発売)の高級版という位置づけで06年3月に発売された。従来機より2割ほど軽く、画面の明るさを4段階で変えられる。DSと合わせ国内で1600万台以上を出荷、米欧でもヒットしている。
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2007/05/ds1000ps2.html
