2007年09月24日

ゲーム情報保管庫:久夛良木氏語る「2chでたたかれる」「少し先を行き過ぎたかも」

インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。



http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/21/news052.html


久夛良木氏語る「2chでたたかれる」「少し先を行き過ぎたかも」


PS3が任天堂「Wii」の後塵を拝している現状に、SCE取締役を退任した“プレステの父”こと久多良木健名誉会長は何を思うのか。東京ゲームショウの会場で直撃した。

2007年09月21日 13時36分 更新

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が「プレイステーション3(PS3)」を発売して10カ月強。任天堂の「Wii(ウイー)」の後塵(こうじん)を拝している現状に、SCE取締役を退任した“プレステの父”こと久多良木健名誉会長(57)は何を思うのか、20日に千葉・幕張メッセで開幕した東京ゲームショウの会場で直撃した。

 昨年のゲームショウの基調講演で、CEO(最高経営責任者)の久多良木氏が「PS3は単なるゲーム機ではない」と壮大な将来像を語った。

 1年後、基調講演の壇上にいたのは平井一夫社長兼グループCEO(46)。客席の久多良木氏を前に「PS3の立ち上がりは一気呵成(かせい)には行かなかった」と不振を認め、「ゲーム機という原点に戻る」と繰り返した。昨年の講演で久多良木氏はPS3の値下げを発表したが、平井氏は「パターン化するのでやらない」と、ことごとく逆を行った。

 スーパーコンピューター並みの高機能を目玉に昨年11月に発売したPS3だが、価格の高さもあって今年8月時点の累計販売台数は500万台超。高機能を追わず低価格を実現したWiiは1000万台を突破した。

 この現実について講演会場を出た久多良木氏に聞くと、「ハードルを高く上げないと時代が進まない。PSもPS2も最初は同じように批判された。価格が下がってソフトが揃えば売れる」と強気を崩さなかった。

 久多良木氏がソニー本体の副社長当時に巨額の投資を行って開発した半導体「セル」は、PS3の基幹部品として使われているが、薄型テレビなど家電にもセルを組み込むという“久多良木構想”は実現せず、ソニーはセルの生産設備を東芝に売却する計画だ。

 技術者出身の久多良木氏は、「少し先を行き過ぎたかもしれない」とする一方で、「日本の電機メーカーは進化が止まっている印象がある。グーグルやマイクロソフトなどパソコンの世界も同じだ」といらだちを見せた。

 その背景について「投資ファンドが常にエグジット(資金回収)を求め、利益の伸びが少し鈍ると株は売り浴びせられ、『2ちゃんねる』でたたかれる。やりたいことができない」という現実があると指摘、「若い人も株式公開など小さなサクセスで満足してしまう」と苦言を呈した。

 SCEとのかかわりは「ファーザー(父親)の立場」という久多良木氏。コンピューターのネットワーク分野での新事業に意欲を見せている。再び時代を進化させる日は来るか。

2007年09月23日

ゲーム情報保管庫:SCE、英ソフト開発会社を買収

インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。



http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/20/news074.html

SCE、英ソフト開発会社を買収

2007年09月20日 17時38分 更新

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)はこのほど、ソフトウェア開発の英Evolution Studiosとその子会社の英Bigbig Studiosを買収した。

 日米欧のソフトウェア制作部門を統合するSCEワールドワイド・スタジオ(SCE WWS)のプレイステーション 3(PS3)やPSP向けソフト開発力を強化する狙い。買収額は明らかにしていない。

 Evolution Studiosは、100万本以上を出荷したPS3向けソフト「MotorStorm〜モーターストーム〜」などを手がけている。Bigbig Studiosは、80万本以上を出荷したPSP向けソフト「Pursuit Force」などを制作した。

 SCE WWSのフィル・ハリソン社長は「買収により、SCE WWSは欧州最大のソフトウェア開発会社として、より一層のラインナップの強化を図る」とコメントした。

2007年09月22日

過去のコラム編集:2001年11月「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」Part4

当該のゲーム業界記事は、2001年11月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」の第四章(最終章)です。

2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しております
ので、ご了承下さい。



第四章(最終章):「淘汰の時代」


ソフトが売れない時代にあって、ソフトメーカーは苦しい経営を迫られている。それは、ゲーム機の高性能化に伴う開発費の上昇で、コストが膨らむ一方で、ソフトが売れなくなったからだ。しかも、宣伝が、ゲームが売れるための必須の条件になりつつある状況下では、ソフトメーカーの経営を更に圧迫する。開発費は何とか負担できても、宣伝費に大きな資金を投入できないようなソフトメーカーはこれまで以上に苦しむだろう


そんな状況を知ってか知らずかコナミの上月影正社長はこう語る。『エンターテインメント業界は淘汰の時代に入った。今後数年で業界内の色分けが進み、二極、三極に再編される。コナミもシェア拡大のための基盤強化が急務だ』(2001年7月27日日経産業新聞)。


上月社長は常々「エンターテインメント業界は再編される」と主張してきたが、その根拠として開発費や宣伝費の高騰で資金不足に陥るソフトメーカーがこれから数多く出ると考えているからであろう。確かに、ゲーム業界の現状を振り返れば上月社長の予測は現実的なものであると思える。力を失ったソフトメーカーはゲーム業界から去るか、他のメーカーなどに支援を受けてそこに留まり続けるか以外に道はないのだから。


こうして見ると、これから起きるであろう宣伝費の高騰は確実に、上月社長の予測する「業界再編」を促していると言えるのではないだろうか。開発費だけではなく、宣伝費も高騰すれば、それだけ多くのソフトメーカーが淘汰の対象になる。なぜなら、ゲーム業界を取り巻く環境の変化が、宣伝費の増加を引き起こし、その宣伝費の増加が体力のないソフトメーカーをさらなる苦境に立たせるからだ。


これまでは、開発費が不足し、ゲームの開発ができないソフトメーカーが淘汰されてきたが、これからは宣伝のできないソフトメーカーが業界から淘汰される時代になりつつあるのだ。そんな折、2001年10月29日付の日本経済新聞は、シリーズ合計100万本の販売実績を誇る「ラングリッサー」シリーズを抱えるキャリアソフトがアトラスに買収され、完全子会社になったと伝えた。業界再編は静かに、そして着実に進んでいるのであろう。


ゲーム業界はもはや優れた開発力を持っているだけでは生き残れない場になってきた。開発力だけでなく、宣伝力も兼ね備えているソフトメーカーでなければ、業界に留まり続ける事が困難な状況に変わってきたのだ。

小規模ソフトメーカーには、嫌な時代が訪れることになる。(おわり)
タグ:ゲーム業界

2007年09月20日

過去のコラム編集:2001年11月「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」Part3

当該のゲーム業界記事は、2001年11月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」の第三章です。

2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
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第三章:「苦悩」


宣伝がソフトの売上を左右する力を持ち、それが重要視されてくると、当たり前ではあるがソフトメーカーが負担しなければならない宣伝費は高騰する。宣伝費の高騰は、ソフトメーカーにとって頭の痛い問題だ。ただでさえ、開発費の高騰に悩まされているのに、ゲームの開発とは直接的に関連性のない宣伝費まで膨らむのだから。だが、宣伝をしなければせっかく作ったソフトが売れないかもしれないのだから、ソフトメーカーは苦しい


開発費と宣伝費の高騰はソフトメーカーの負担をさらに重くする。それを何とか回避すべくソフトメーカーのアトラスは、角川書店と共同でゲームを開発する計画があることを明らかにしている


つまり、アトラスは角川書店と共同でソフトを制作することで自社負担分を軽減し、リスクの分散を図っているのだ。自らが、ゲーム開発・宣伝に関わる資金を全額負担するのではなく、他の企業からも負担してもらうという方法は、高騰する開発費と宣伝費を無理に削ることなく、しかも低リスクでソフト開発・販売ができるひとつのやり方であろう。


アトラスとは違った方法でリスクを低減しているのが、コナミの「ゲームファンド ときめきメモリアル」であろう。ゲーム制作に関する費用を、企業からではなく個人から負担をしてもらう方法もまたリスクの低減を図るひとつのやり方ではある。


これまでゲームビジネスの高コスト体質は高騰を続ける開発費が主たる原因であった。しかし、これからは開発費だけではなく、宣伝費も高騰せざるを得ない状況に変わっていく。宣伝を重要視し、巨額の資金を投入した「鬼武者」の大ヒットはその手法が有効であると立証した、といっても良いからだ。ゲームが売れない時代の中で、ゲームを売るためには、これまでの手法を踏襲していくだけではもう駄目なのである。


その一方で、ソフトメーカーはビジネスの高コスト体質を何とか変えようと努力してきた。コスト高の傾向がこれ以上続くと、企業自体の経営に悪影響を与えかねない危険性があるためだ。だが、ソフトを売るためには宣伝費にも多額の資金を投入しなければならないと「鬼武者」の成功が物語る。コスト高を解消したくとも、コストが膨らむ状況下にあるソフトメーカーのジレンマは当分解決しそうにない。(つづく)


続きはこちら→第四章(最終章):「淘汰の時代」
タグ:ゲーム業界

2007年09月17日

過去のコラム編集:2001年11月「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」Part2

当該のゲーム業界記事は、2001年11月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」の第二章です。

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第二章:「売れる条件」


ゲームの宣伝費は、ゲーム開発と直接的に関わりがないのであれば、削減しても良いのではないだろうか。ゲームソフトで最も大事なものは、そのゲームが持っている“質”であるはずだ。それならば、ゲームの“質”そのものに影響を与えない宣伝費は、コスト削減の一環として減らされてもさほど問題にはならないと思える


では、なぜ「鬼武者」や「決戦2」では大きな資金が宣伝費として投じられているのか。その答えとしてはカプコンやコーエーが巨額の宣伝費を投入できるほど余裕のある企業だから、と言うこともできるが、それよりもゲームを売るためには宣伝が欠かせないようになってきたからではないか。「ゲームさえ面白ければ売れる時代ではもはや無くなった。だから、宣伝が重要視された」。そう考えられないだろうか。


多額の宣伝費をかけた結果、「鬼武者」がミリオンヒットしたことについて、同作品のプロデューサーである稲船敬二氏は、こう語る。『現在のゲームの売り方ってのが見えてきたような気がします。現在ではゲームが面白いだけでもダメだし、プロモーションだけが良くてもダメ。話題性だけでもダメ。それがしっかりとミックスされて、初めてゲームは売れる。昔のゲームは単に面白ければ売れたんです』(P5 週刊宝島 2001 3.14 NO.496 宝島社)。


つまり、稲船氏はゲームを売るためには面白いゲームを作るだけでは駄目で、それが売れるような宣伝活動をし、話題性を生み出して、初めて売れる条件が整うと言っているのである。そのためには、宣伝は必須になる。宣伝費6億円はPS2初のミリオンヒットを生み出すためには、必須の条件であったのである。


宣伝を巧みに使った結果、大成功を収めた例がある。それは、映画「千と千尋の神隠し」だ。2001年7月に公開後、わずが2ヶ月程度で日本映画最高の興行収入を記録し、それをなおも更新し続けている「千と千尋の神隠し」であるが、同作品を制作したスタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫氏はこの大成功に関して『製作、宣伝、興行が一体となった努力が成功につながった』(2001年10月16日日経産業新聞)と述べ、宣伝の果たした役割は決して“製作”や“興行”に負けていないことを強調する。


確かに「千と千尋の神隠し」の宣伝に協力した企業は、ローソン・ネスレジャパン・徳間書店・講談社・日本テレビ等といった有力企業ばかりである。それらが独自の手法で宣伝に協力したのだから、その宣伝効果は計り知れないほど大きかったと思われる。当たり前の話であるが、宣伝の規模は大きければ大きいほど、人々に認知されやすくなる。


しかも、マスコミやコンビニといった人々が普段から日常的に接する機会の多い企業の宣伝なのだから、その認知度は飛躍的に高まったはずだ。その結果が歴史的な成功をもたらしたのだから、宣伝がいかに重要であるかが分かる


宣伝が今回の成功をもたらす要因を作ったと話す鈴木氏の主張は、こうして見れば納得がいく。それと同時に、カプコンやコーエーが宣伝を重要視する背景には、「千と千尋の神隠し」が証明した宣伝の影響力をソフト販売に活かそうと考えているからなのである。(つづく)


→続きはこちら:第三章「苦悩」
タグ:ゲーム業界

2007年09月15日

過去のコラム編集:2001年11月「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」Part1

当該のゲーム業界記事は、2001年11月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「膨らむ宣伝費 〜その功罪〜」の第一章です。

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第一章:「鬼武者の成功」



ソフトメーカー大手のカプコンのプレイステーション2(PS2)用ゲームソフト「鬼武者」。このソフトは2001年1月の発売から大きな売上を記録、 PS2用ゲームソフトとしては初めて100万本の販売実績を残した。ソフトが売れないと言われ続けている昨今の環境下で、新作ソフトが発売から早い時期に 100万本の大台を記録することは珍しい事である。


しかし、カプコン側からすれば、ゲーム開発に投じた資金の大きさを考えると、この程度の販売本数では驚いてはいないだろう。「鬼武者」は『構想3年、制作費十数億円、宣伝費6億円』(P3 週刊宝島 2001 3.14 NO.496 宝島社)を掛けた大作ソフトなのだから。ソフトを世に送り出す時は「100万本も充分狙える」と思っていたに違いない。


「鬼武者」の特筆すべき点は、PS2初のミリオンヒットを記録したという販売実績だけではない。その、ゲーム開発にかかった費用、特に宣伝費の大きさも特筆すべき点だろう。制作費が10億円台であるのに対し、宣伝費だけでも6億円を投じてしまっているのだから。仮に、規模の小さいソフトメーカーであれば、 6億円もあれば巨額の開発費になってしまうような額である。それぐらいの大金をゲームの制作とは直接関係のない宣伝だけに使っているのであるから、注目に値する


だが、宣伝に大金を使っている所はカプコンだけではない。コーエーもPS2ソフト「決戦2」で3億円弱の資金を宣伝に投じている (Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト キーマン・インタビュー 「コーエー会長襟川陽一氏」 2001)。「決戦2」の場合、宣伝費は「鬼武者」の半分程度の宣伝費であるが、『7億円強』(同)という開発費から考えれば、投入金額は少ないものの比率としては大きなものであると言える。


カプコンやコーエーの例からは、ソフトメーカーが宣伝費に巨費を投じている姿が見えるが、この傾向は間違いなく、コストの増加を招く。ただでさえ、ゲーム開発費が高騰しつつあるのに、宣伝費にまで大きな資金を投じているのだから、当然の結果である。


しかし、その一方でソフトメーカーはゲーム制作に関するコストを削減しようと努力している。代表的な所ではスクウェアが挙げられるだろう。スクウェアの鈴木社長は自ら『高コスト体質からの脱却』(P2 スクウェアアニュアルレポート2001)を目指すと公言し、目的達成にむけて試行錯誤をしているのだ。その他のメーカーでも無駄なコストの削減は大きな経営課題である。カプコンやコーエーも例外ではない。


そうであるならば、ゲーム開発とは直接の関連性を持たない宣伝費は削られても良いのではないか。なぜ、「鬼武者」や「決戦2」には、宣伝費に大きな資金が投じられたのであろうか。


次回からは、それを考えると共に、最終的に宣伝費が今後、ゲーム業界にもたらす影響についても考察することにしたい。(つづく)


→続きはこちら:第二章「売れる条件」
タグ:ゲーム業界

2007年09月13日

過去のコラム編集:2001年11月「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」Part4

当該のゲーム業界記事は、2001年11月21日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」の第四章です。

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第四章:「取り残される」


オンラインのノウハウを蓄積しなければ、取り残される』(2001年10月24日日経産業新聞)。やや悲壮感が漂う、この発言をしたのはスクウェアの和田取締役である。和田氏の言葉の意味はオンラインゲームのノウハウが無ければ、同業他社においてけぼりを食うという意味だろう。しかし、そのノウハウを最も活かす場は、いま日本のソフトメーカーが積極的に進出している韓国ではなく、実は “日本”である


現在の日本のオンラインゲーム市場は、前述したように数億円規模でしかない。これは韓国とは違い、日本のブロードバンドの普及状態がかなり低いことに由来する。だが、政府はこの現状を打開すべく5年以内に世界最先端のIT国家になることを目標にした「e-Japan戦略」を掲げている。その内容は2005 年までに3000万人が高速ネットに、1000万人が超高速ネットに常時接続できるよう、政府がその普及促進を行う、というものだ。


仮に、この計画が上手く行けば、日本は世界でも有数のブロードバンド普及国になる。そうなれば、韓国の先例から言っても、当然日本のオンラインゲーム市場は急成長していくと考えられる。折しも、野村総合研究所は2006年までにオンラインゲーム市場は2710億円にまで巨大化すると発表した。しかも、年平均成長率は51%にまでなるという。現状を考えればにわかに信じ難い予測ではあるが、もし野村総研の予想が現実のものになれば、数年後に日本に巨大なオンラインゲーム市場が誕生する事になる


ソフトメーカーにとって、これほどまで大きいビジネスチャンスは滅多に無い。来るべきビジネスチャンスを十二分に活かし切るためには、なんとしても巨大市場が誕生する前にオンラインゲームに関するノウハウを蓄積しておかなければならないのだ。そうしなければ、スクウェアの和田氏が言うように同業他社に取り残され、巨大化する日本のオンラインゲーム市場で遅れを取ってしまう


だからこそ、日本のソフトメーカーはオンラインゲームに力を入れているのであり、その動きの一部が韓国市場進出となって現れたのである。オンラインゲームの海外流失とも思えるようなソフトメーカー各社の韓国進出の裏側には、日本市場を睨んだ戦略が存在していたのである


日本の将来性の高さは韓国オンラインゲーム市場でナンバーワンゲーム「リニージ」を抱えるNCソフトが日本に進出している事からも窺える。『ソニーが最大のライバル』(2001年8月7日 日経産業新聞)と話すNCソフトの金社長は、日本のソフトメーカーには手強く映っているだろう。近い将来、起きると考えられている日本のオンラインゲーム市場争奪戦は、韓国企業も交えながら熾烈なものになっていくのは避けられない

どうやら、ユーザーにとっては面白い時代がやってきたようだ。(おわり)
タグ:ゲーム業界

2007年09月12日

過去のコラム編集:2001年11月「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」Part3

当該のゲーム業界記事は、2001年11月21日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」の第三章です。

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第三章:「真の狙い」


韓国に進出した日本のソフトメーカー。彼らは韓国市場が有している魅力に惹かれて進出したのだが、目的は韓国市場で利益を挙げることだけではない。彼らには利益追求とはまた違った目論見がある


セガの開発子会社であるソニックチームが開発した「ファンタシースターオンライン」(PSO)は全世界でネット会員30万人を抱え、家庭用ゲーム機を使用したオンラインゲームとしては世界最大の規模を誇る。そのPSOを開発したクリエイターであり同社社長でもある中裕司氏はオンラインゲームに関して『ネットゲームは運営ノウハウが重要』(2001年2月24日日本経済新聞)であると語った。


中氏が「運営ノウハウが重要」と発言した背景には、オンラインゲーム特有の問題がある。オンラインゲームは、これまで普通に販売されてきたゲームソフト(パッケージソフト)とは異なり、オンライン上で遊ぶものだ。そのため、パッケージソフトであれば起きなかったはずの様々な問題が発生する。PSOの発売初日から、オンライン上のトラブルのためユーザーがPSOを遊べない、といった問題が発生したことは、その一例になるだろう。


こうした問題を解決し、安定的にオンラインゲームを提供するためには、それなりの運営ノウハウが絶対に必要になる。中氏はPSOを開発した目的のひとつとして『ネットゲームの運営ノウハウを習得する』(2001年8月29日 日経産業新聞)ためだと述べていることからも、運営ノウハウがいかに大切であるかを読み取れる事ができる。


オンラインゲームを提供するのであれば提供者側にはそれなりの運営ノウハウが要求される。では、その大切な運営ノウハウをどうすれば習得できるのか。セガのように、自分でオンラインゲームを提供しつつ、ノウハウを蓄積するのも一つの方法ではある。しかし、それより簡単なやり方はないだろうか。考えて見ると、自前で習得する以外にひとつある。それは他人に教えてもらう事だ


韓国ではオンラインゲーム市場は巨大な市場に成長し、オンラインゲーム提供会社も数多く存在している。ということは、それだけ運営ノウハウも確立されていると見て間違いない。もし、オンラインゲームの運営ノウハウが無い企業が、それを吸収したいと考えたならば、韓国企業と提携し、同市場に参入するのはひとつの良い方法だ。


そうすれば、韓国でオンラインゲームを提供しているうちに、彼らの運営ノウハウが自然と身に付くからだ。韓国企業と組み、同市場に参入したエニックスの本多社長は『通信環境で先行する韓国での経験は日本でも参考になる』(2001年8月7日日経産業新聞)と言っている。本多社長が言う「韓国での経験」の中に、オンラインゲームの運営ノウハウが入っていることは言うまでも無い。


ハドソンの場合は、自社でゲームのキャラクターとシステムを提供する代わりに、提供先の韓国企業に運営ノウハウを出させている。各企業はそれぞれ独自の方法で、運営ノウハウを吸収しているのだろう。


日本のソフトメーカーが韓国に進出した裏には、韓国市場で得られるであろう利益以外にも、こうした目論見があったのである。もしかすると、こちらの目論見の方が韓国での利益以上に大切なものなのかも知れない。(つづく)


→続きはこちら:最終章「取り残される」

2007年09月11日

過去のコラム編集:2001年11月「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」Part2

当該のゲーム業界記事は、2001年11月21日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」の第二章です。

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第二章:「韓国の魅力」


日本のゲームメーカーが韓国に進出する背景には、韓国オンラインゲーム市場に大きな魅力があるからだろう。特に韓国には、大手のソフトメーカーであるカプコン・ハドソンなどがそれぞれ独自の手法でオンラインゲームを提供、または提供を予定していることを考えれば、韓国市場は強い魅力を持っていると言える。では、韓国市場の魅力とはどこにあるのだろうか。その答えは韓国のオンラインゲーム会社NCソフトが開発したオンラインゲーム「リニージ」(リネージュ)が握っている


NCソフトは、オンラインゲームで韓国最大手の企業である。その同社が1998年に発売した「リニージ」というオンライン戦略シミュレーションゲームは、発売以来韓国国内で記録的なヒットとなった。若者だけでなく、30代〜40代の大人をも巻きこんで一大ブームを巻き起こした「リニージ」は月一回以上、同ソフトを利用するユーザーを200万人以上獲得、ピーク時には約10万人もの人達が同時に「リニージ」に参加するほどの人気を得た韓国国内のオンラインゲーム市場は2000年の時点で前年比9倍弱の1915億ウォン(約190億円)に急成長したが、その4割程度を「リニージ」が占めているという。まさに、「リニージ」は韓国のオンラインゲーム市場急成長の立役者であったといえるだろう。


2000年度の日本のオンラインゲーム市場の市場規模は、野村総合研究所の試算では、数億円と言われていることを考えれば、「リニージ」によって急成長した韓国オンラインゲーム市場と、その「リニージ」の大きさを改めて感じさせられる。


この急成長の大本には、契約数が700万にまで膨れ上がった韓国のブロードバンド事情があろう。韓国国内の総世帯数がおよそ1600万であるから、一世帯・一契約と考えれば、韓国では約半数の世帯でインターネットの常時接続が行われている計算になる。このように、ブロードバンドが広く普及した韓国のインターネット環境は、オンラインゲームの普及・成長にうってつけの場所だったのだ。


オンラインゲームを遊ぶのに、高いハードルがあるならば、普及の大きな妨げになるそういう障害が無い韓国はオンラインゲーム市場が誕生する下地が十分に存在していたのである。「リニージ」の大成功はこうした恵まれた環境を最大限利用した結果だと言えるのだ。


韓国の魅力はまさに、ここにある。つまり、高いブロードバンド普及率に支えられて誕生した巨大なオンラインゲーム市場が、韓国に進出した日本のソフトメーカーにとって大きな魅力なのである。オンラインゲームを提供する側としては、韓国は遥かに事業展開がし易い場所であり、利益を挙げられる可能性が大きい市場なのだ。

だが、日本のソフトメーカー各社は韓国オンラインゲーム市場が有する魅力だけを目当てに韓国に乗りこむわけではない。彼らは“韓国市場で得られる利益”以外にも重要なものが韓国にあるから、韓国市場に進出したのである。

“韓国での利益”以外に大切なもの、その考察は次に譲ることにする。(つづく)


続きはこちら:第三章「真の狙い」
タグ:ゲーム業界

2007年09月10日

過去のコラム編集:2001年11月「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」Part1

当該のゲーム業界記事は、2001年11月21日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「オンラインゲームの海外流失 〜韓国進出の裏側〜」の第一章です。

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第一章:「韓国を目指せ」


昨今、ゲームソフトメーカーのオンライン分野での海外進出が目立つようになってきた。特に2001年におけるソフトメーカーの進出具合を見ると、それは進出というより“流失”と称しても良い程の勢いである。なかでも、エニックスやハドソン、カプコンにバンダイなどの大手のソフトメーカーは積極的に海外に進出しつつある


彼らが目指しているのは、ゲームソフトの一大消費市場であるアメリカや欧州ではない。市場規模としてはそれらの地域には到底及ばないアジア、それも隣国の韓国だ。韓国には、いま挙げたソフトメーカーのすべてが進出、もしくは進出を予定しており、各ソフトメーカーは韓国進出に大きな力を入れている


カプコンは、韓国でアニメーションビデオの企画・制作などを手掛けるココ・エンタープライズと共にオンラインゲームなどのゲーム開発会社を設立、韓国市場に本格進出しているし、同じくバンダイも韓国のオンラインゲーム制作会社であるゲームベンチャーと組み、将来的に韓国でのサービス提供も視野に入れた合弁会社を作っている。ハドソンは合弁会社こそ作らないが、韓国のオンラインゲーム会社であるウィズゲートと提携、2002年から韓国国内でオンラインゲームを供給する予定でいる。現地企業と協力する形で、韓国に進出したのはエニックスも同じである。


このように、ソフトメーカーによる海外進出の動きは、現地の企業を巻きこみながら、活発化してきているのである。今後はこれらの企業だけでなく、その他のソフトメーカーも追随する可能性も十分に考えられる。


日本のソフトメーカー各社がこぞって韓国に進出している現状から、彼らに大きな期待をされている格好の韓国市場であるが、そうなった原因は、韓国市場には日本のソフトメーカーを惹きつけるほどの魅力があるからに違いないでは、その韓国市場の魅力とは一体何であるのか。それを解き明かすために、このコラムを使わせてもらうのも面白いかもしれない。(つづく)


続きはこちら:第二章「韓国の魅力」
タグ:ゲーム業界

2007年09月05日

ゲーム情報保管庫:【Wiiの8月国内販売は24.5万台、PS3は8.1万台】ロイター

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http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-27696020070903


Wiiの8月国内販売は24.5万台、PS3は8.1万台


2007年 09月 3日 18:06 JST

[東京 3日 ロイター] ゲーム雑誌出版社のエンターブレイン(東京都千代田区)は3日、8月のゲーム機の国内販売状況をまとめた。7月30日から8月26日までの期間、任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート)の「Wii」の国内販売は約24万5600台で、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)の「プレイステーション(PS)3」(8万1500台)に比べ3倍の売れ行きだった。

 米マイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)の「Xbox360」は約1万1300台だった。

 エンターブレインの7月の国内販売調査では、Wiiが約39万6700台だったのに対し、PS3は約9万2000台で、両機の販売数は4倍以上の開きがあったが、8月はその差が縮小した。

 携帯型ゲーム機の8月国内販売数は、任天堂の「ニンテンドーDS Lite」が約57万8200台で、ソニーの「プレイステーション・ポータブル(PSP)」が約10万7500台となっている。


2007年09月04日

過去のコラム編集:2001年12月「XboxがPS2を脅かす? 〜Xbox脅威論〜」part4

当該のゲーム業界記事は、2001年12月24日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「XboxがPS2を脅かす? 〜Xbox脅威論〜」の第四章(最終章)です。

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第四章:「危機感」


PS2とXboxの通信機能を比べると、現時点では大きな差があると言わざるを得ない。PS2ユーザーが、Xbox並みの機能を手に入れようと思えば、それなりの周辺機器が必要になる。さらには、Xbox向けには人気コンテンツのオンラインゲームが複数出る。それならば、オンラインゲームはXboxで遊ぼうと考えるユーザーがいてもおかしくない


そうなれば、Xboxの存在はPS2の販売台数の伸びを抑えることになる。PS2は驚異的なスピードで普及したとはいえ、PS1の普及台数にはまだまだ届いていない。それだけ、PS2を購入していないPS1ユーザーが数多くいるのだ。SCEの家庭用ゲーム機市場における覇権を維持していくためには、彼らを再びPS2ユーザーとして取りこむ必要がある。


しかし、Xboxとの間には通信機能などの面において明確な優劣が存在しているのだ。もし、オンラインゲーム市場が今後の急激な成長を遂げることを見越して、PS2の購入をためらうPS1ユーザーが大量にXboxに流れ始めれば、SCEはオンラインゲーム市場を取られるだけではなく、もしかしたら家庭用ゲーム市場すらも失う可能性もある


Xbox が家庭用ゲーム市場に負けず劣らずの規模に急成長していくオンラインゲーム市場を牽引するハードになっていけば、Xboxの普及台数はそれに合わせて相当、大きな数になっていくと予想できる。オンラインゲーム市場の成長と同じようにXboxも普及し、仮にPS2と肩を並べるくらいの普及台数になれば、 PS2は家庭用ゲーム市場でも厳しい立場に追いこまれるだろう。理由は一つ。PS2がXboxに並ばれた時点で、PS2のXboxに対する唯一の優位がなくなっているためだ。


Xboxは最後発なため、PS2よりも性能は高い。しかも、通信機能があり、オンラインゲームがXboxに集まっているのだ。これでは如何にPS2といえども、厳しいと言わざるを得ない。PS2は急成長するオンラインゲーム市場での失敗をきっかけに、Xboxにいつの間にか負ける事態も十分考えられるのだ。


ソニー内部で沸き上がったXbox脅威論は、こうした背景から生まれたものと言えるだろう。更に言えば、PS2を脅かす相手がGCではなくXboxだといっている理由がここから分かる。それはGCがXboxとは異なり、通信機能が標準装備されていないからだ。だから、PS2を脅かす存在とは思われていないのだ


ソニーが抱いている危機感を如実に物語っているのが、SCEの提携戦略ではないか。2001年12月の間だけでもSCEは、NTT-BB・ヤフーBB・有線ブロードネットワークスなどといった通信各社と提携すると矢継ぎ早に発表した。この目的はすべてはXbox対策のためである。ハードディスクなどの周辺機器をレンタルする方式を導入し『レンタル制で敷居が低い価格設定ができる』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「PS2用ソフトをブロードバンド配信 SCE、NTT-BBなど」 2001年12月11日) と久多良木氏が話していることから考えても一連の動きはXbox対策と判断できる。


さて、SCEのXbox対策は上手く行くのだろうか。久多良木氏はMSや任天堂とのシェア争いには『全く興味がない』(2001年11月26日 日本経済新聞)と語っていたことがあったが、今後はそんなことも言っていられなくなるだろう。Xboxは久多良木氏にとって意外に強敵なのだから。(終わり)
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2007年09月03日

過去のコラム編集:2001年12月「XboxがPS2を脅かす? 〜Xbox脅威論〜」part3

当該のゲーム業界記事は、2001年12月24日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「XboxがPS2を脅かす? 〜Xbox脅威論〜」の第三章です。

2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しております
ので、ご了承下さい。



第三章:「Xboxの強み」


2001年12月7日付の日本経済新聞に、あるオンラインゲームが来夏にも登場するという記事があった。そのオンラインゲームとは、バンダイの「機動戦士ガンダム」を題材にした「ユニバーサルセンチュリーネット・ガンダムオンライン(仮称)」(ガンダムオンライン)である。だが、この記事で最も注目すべき点は次の一文『対応ハードや価格、発売時期などは未定だが、パソコンやマイクロソフトのゲーム機“Xbox”が有力』であろう。ソニーがXboxを恐れる理由はここにある。


Xbox の最大の特長は通信機能が標準装備されていることだ。その特長があったために「ガンダムオンライン」の供給先は全世界で2000万台以上が普及している PS2ではなく、Xboxが有力と見られているのだ。もし、このまま「ガンダムオンライン」がXboxでの供給に決まってしまった場合、PS2にとって重大な出来事になるだろう。それは、PS2よりもXboxの方がオンラインゲームのハードとして最も適したハードであると判断されたに等しいからだ。


PS2 はXboxとは異なり、通信機能があらかじめ備わっているわけではない。Xboxであれば標準装備されている通信機能が、PS2では新たに周辺機器を購入しなければ手に入らないのだ。ユーザーにとって、これは大きな障害だ。これらのことを考慮すると、バンダイが「ガンダムオンライン」をXboxへの供給する確率は高いと言えよう。


こうしたバンダイの判断は、他のソフトメーカーにも波及する可能性がある。現に、バンダイ以外の複数のソフトメーカーには自社のオンラインゲームをXboxに供給する計画がある。アトラスの「真・女神転生オンライン」などはその一例だろう。仮に、このまま多くのソフトメーカーがオンラインゲームを供給するゲーム機にはPS2よりXboxの方が相応しいと判断し、供給を始めたならば「オンラインゲームはXboxで」という流れが生まれてしまうだろう。そうなると、PS2は今後数年で数千億円市場になると予測されているオンラインゲーム市場をみすみす逃してしまうことになる。SCEにとって、これは致命傷になりかねない動きだ。だからこそ、ソニーの安藤社長はXbox脅威論を唱えたのである


PS2 の通信機能の未整備さが、PS2の弱点になるかもしれないと危惧していたのは、カプコンの岡本吉起氏だ


心配なのは、プレイステーション2がただのスターターキットにしかならなくなるという可能性があること。ハードディスクが出る。さらにモデムも出る。それらを楽しむためにより高額の投資をしなければならないということは、今後発売されるニューハードに対してハンディキャップを背負うかもしれないですね』(P97 「週刊ファミ通 3月16日号」エンターブレイン 2001)。


今回の新聞記事は、正に岡本氏の心配が現実のものになろうとしている前触れと言えるのかもしれない。(続く)


続きはこちら→最終章:「危機感」
タグ:ゲーム業界

2007年09月02日

過去のコラム編集:2001年12月「XboxがPS2を脅かす? 〜Xbox脅威論〜」part2

当該のゲーム業界記事は、2001年12月24日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「XboxがPS2を脅かす? 〜Xbox脅威論〜」の第二章です。

2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しております
ので、ご了承下さい。




第二章:「対抗馬はXbox?GC?」



ソニー内部でPS2を脅かす存在に考えられているXboxであるが、任天堂のゲームキューブ(GC)はPS2の脅威とはならないのだろうか。GCは任天堂が満を持して世に送り出す期待のゲーム機である。GCの前世代のゲーム機「ニンテンドウ64」(N64)はそれなりの評価を受けていたものの、ソフトの作り難さをソフトメーカーに嫌気されライバルであるPSに大きな差をつけられてきた。


任天堂はN64での失敗を反省し、 GCではソフト作成過程を簡素化するなどの工夫を凝らしてきた。その結果、ソフトメーカーやユーザーなどから高い評価を受けるようになった。N64では殆どソフトを供給してこなかった大手のソフトメーカーが続々と参入を表明している事を考えれば、それがわかるだろう。その良い一例としては、カプコンの「バイオハザード」シリーズがGCに移籍したことが挙げられる。


ソフトメーカーだけでなく、ユーザー側からもGCの評価は高い。2001年5月にアメリカで行なわれた世界最大のゲーム見本市「エレクトリック・エンターテインメント・エキスポ」(E3)では、GCを設置していた任天堂ブースが会場内で最も盛況だったという。その様子を2001年5月26日付の日本経済新聞では『ゲームキューブは試遊できるゲームソフトこそ八種類と少なめだったが、試遊台を何重にも人垣が取り囲み、通路を歩くのが困難なほどの混雑ぶり』と伝えている。


ソフトを作る側からも、遊ぶ側からも歓迎されているGCをゲーム雑誌最大手「ファミ通」編集長である浜村弘一氏は『間違いなく、すごいスピードで普及するだろう』(ブルームバーグ 「フォーラム:ゲーム機“Xbox”の国内発売は年内困難」 2001年8月24日)と予測した。


結果から見ると、浜村氏の予測は当たったと言える。特に北米で当たったといえよう。日本ではGC発売時には予想されたハイペースでは売れなかったが、米国では発売から15日間で60万台のGCが無くなってしまうほどのハイペースで売れていったという。そのため、任天堂は2002年3月末までに400万台を出荷する計画を修正し、それよりも50万台多いGCを追加で生産しなければならなくなったほどだ。日本ではさほど騒ぎにはならなかったが、北米で計画を上回るほどの売れ行きを示したGCは総合的に考えると、PS2の対抗馬の一番手として考えられてもよいのではないだろうか


しかし、XboxもGCと同様に好調なスタートを切っている。任天堂は計画として2001年中のGCの出荷数を130万台としていたが、Xboxの方は11 月の発売以来、出荷数がすでに110万台に達している。MSは発売直後の売れ行きを「Xbox、ゲーム機発売時における史上最高の売上を記録」(2001 年12月5日マイクロソフト)というニュースリリースにおいて『次世代ゲーム機Xboxが、発売後2週間の時点で、家庭用ゲーム機の発売開始としては、史上最高の売上を記録しました』と発表した。


もちろんMS側の発表であるから、本当に史上最高であるかどうかは分からないが、出荷数が110万台に達している事を考慮すれば、それ相当のXboxが売れたと考えて間違いないだろう。


あれだけ前評判の高かったGCに匹敵するか、それを以上の売上を記録したXboxは,GCに代わってPS2の対抗馬の一番手になる資格は十分にあるといえる。では、ソニーの安藤社長はXboxの販売が好調であるから、XboxがPS2の脅威になると考えているのだろうか


それは違うだろう、と筆者は考えている。ソニーがXboxを恐れる理由。そのヒントはバンダイを代表するコンテンツである「機動戦士ガンダム」が握っている。(続く)


続きはこちら→第三章:「Xboxの強み」
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