2007年12月28日

過去のコラム編集:2001年8月「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part4

当該のゲーム業界記事は、2001年8月3日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」の第四章(最終章)です。



当時はスクウェアの映画ビジネスに触発されるようにソフトメーカー各社がこぞって映画に興味を示している時期でした。このコラムでは、その流れがなぜ起きたのか、さらにはその映画ビジネスには問題点はないのだろうか、という視点の下で書き記しています。



「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part4
第四章(最終章):「問題点」


クリエイターの夢とソフトメーカーの技術によって映画ビジネスは始動することになったが、ソフトメーカーによる映画ビジネスには問題点はないのだろうか。もし、あるとすれば、どんな所が問題になるのであろうか。


一般的にビジネスにおいて最も重要な問題とは、そのビジネスから利益を得られるかどうか、である。語弊を恐れずに言えば、利益が生まれれば問題が無く、利益を手にできなければ問題ありと見なされる。


なぜなら、ビジネスを行う事業主体が利益を追求する営利企業であるためだ。ソフトメーカーも営利企業であるから、このような論理は同じように適用される。つまり、映画ビジネスの最大の問題点とは「利益を生むかどうか」なのだ


利益を稼ぐ事ができれば映画ビジネスは問題無しと見なされ、今後もソフトメーカーは映画を作り続けるだろう。しかし、映画から利益を得る事ができないと解れば、映画ビジネスそのものが問題視され、最終的に廃止される可能性が高い


現に巨額の開発費がかかったスクウェアの映画「FF」には株主や投資家からの疑問の声が挙がっているのだ
スクウェア側も今回の映画「FF」では、十数億円の赤字を見込んでおり、この数字を考えるとビジネスとして成功であるとは到底言い難い。


このような疑問の声を封じるためには、映画「FF」以降の作品で利益を挙げ、映画ビジネスはきちんと利益を出せるビジネスですよ、という証明をし、周囲を納得させなければならない。


しかし、今回のようなことが続くと、ソフトメーカーによる映画ビジネス自体が問題視されるのはほぼ間違いなく、その余波を受け、他のソフトメーカーも映画ビジネスから撤退するであろうことは容易に想像できる。だからこそ、せっかく立ちあがった映画ビジネスを存続させるためには、何が何でも利益があがる映画を早く作り出さなければならないのだ。


コーエーの襟川恵子会長は、それを踏まえて次のように述べている。『費用が安くて、いい映画が作れるという仕組みが確立されない限り、やらない。いま、研究中で(仕組み作りには)自信がある。3年以内には映画化を実現させたい』(LYCOSニュース 「フォーラム:中期経営計画“達成ペース上がっている” コーエー会長(ブルームバーグ)」 2001年7月2日(木)14時7分)。


果たしてソフトメーカーによる映画ビジネスは成立するのだろうか。動き始めた映画ビジネスだが早くも正念場を迎えている。(おわり)

2007年12月27日

過去のコラム編集:2001年8月「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part3

当該のゲーム業界記事は、2001年8月3日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」の第三章です。



当時はスクウェアの映画ビジネスに触発されるようにソフトメーカー各社がこぞって映画に興味を示している時期でした。このコラムでは、その流れがなぜ起きたのか、さらにはその映画ビジネスには問題点はないのだろうか、という視点の下で書き記しています。



「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part3
第三章:「夢」

 
ゲームから映画への流れは、何も制作面だけの必然性によるわけではない。それ以外の理由もあるのだ。ゲームから映画への進出の必然性を生み出したもうひとつの要因がクリエイター達の“夢”であろう


ゲームデザイナーの方にお話をうかがうと、“ほんとうは映画をつくりたかったんだよ”と吐露される方が多くて驚きます』(「ゲームの大學」 著平林久和・赤尾晃一 メディアファクトリー 1996 P289)。


ゲームクリエイターの人たちの間では、この言葉を証明するかのように映画好きの人が多い。一例を挙げると、「ロックマン」シリーズや「鬼武者」などを手掛けたカプコンの稲船敬ニ氏、コナミコンピュータエンタテインメントジャパンWESTの小島秀夫氏、ナムコ会長兼社長の中村雅哉氏などなど…。


特にナムコ中村氏の映画好きは有名で、破綻した名門映画会社「にっかつ」の経営再建を支援したり、映画配給・版権の販売等を行っているギャガ・コミュニケーションズの会長にも就任したりと、映画産業に深い関わりがある。


その他には、コーエー襟川陽一最高顧問やコナミ上月景正会長は、盛んに映画とゲームの融合を目指す、とも主張しているのだ


こうしてみると、ゲームクリエイター達には映画に対する憧れと、映画を作りたいという希望が前々からあったと言えるだろう。こんな背景があったからこそ、ソフトメーカーは映画ビジネスを始めたのではないだろうか。


確かに坂口氏の言う通り、ゲーム作りと映画作りは技術面・制作面で大差はないのであるから、ゲームから映画への進出は技術的に必然であったはずだ。しかし、技術だけでは面白い映画は作れない


クリエイター達にゲームと映画は制作面で似ているから、ゲームと同じように映画を作れ、と指示したところで面白いものができるはずが無いのだ。これはゲームソフトの開発と同じである。1996年に出版された「ゲーム戦争」という本によると、セガはゲーム開発には志願制を執っている、と記されている。


『上から強引に命じても、いいソフトができるわけがない。ソフト開発は、上司にいわれたから適当にやる、というものではない。あくまで、本人のやる気が主体であった』(「ゲーム戦争」 著大下英治 光文社文庫 P308 1996)。


全く同じことが映画作りにもいえるだろう。上からの命令で映画を作ったとしても良い映画などできるわけがないのだ。あくまで、彼らクリエイターが映画を作りたいと考えなければ、ソフトメーカーによる映画ビジネスなどは成立しないのだ。


そうであるなら、各ソフトメーカーが映画ビジネスに進出しようとしている現状は、それぞれのクリエイターが映画を作りたいという強い願望から必然的に生まれたものであるといえるだろう。つまり、映画ビジネスはクリエイター達の願望と、ゲーム制作技術からの二つの必然性があったこそ誕生したのである。(つづく)


続きはこちら→第四章(最終章):「問題点」

2007年12月26日

過去のコラム編集:2001年8月「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part2

当該のゲーム業界記事は、2001年8月3日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」の第二章です。



当時はスクウェアの映画ビジネスに触発されるようにソフトメーカー各社がこぞって映画に興味を示している時期でした。このコラムでは、その流れがなぜ起きたのか、さらにはその映画ビジネスには問題点はないのだろうか、という視点の下で書き記しています。



「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part2
第二章:「CG技術」


ゲームからCG映画への進出は必然的とコメントする坂口氏。ゲームの制作現場からはその理由を垣間見ることができる。高性能のハード機の普及により、ソフト開発作業が一層難しくなっている現状をナムコ子会社モノリスソフトの社長杉浦博英氏は『これまで一人でこなした作業を五-六人で処理するようになり、映画制作に近くなった』(日経産業新聞 2001年7月3日)と言い、複雑化しているゲーム制作作業が映画のそれに似てきていると主張する。


制作過程においてゲームと映画が似ているという杉浦氏に対し、映画とゲームはもう境界線が見えないほどに融合していると指摘する映画監督がいる。「写楽」や「梟の城」などの作品を作り上げた篠田正浩氏だ。篠田氏は『映画とゲームはすでに融合しており、ハリウッド映画は非常にゲームソフト化しています。』 (日本経済新聞 2000年9月21日)と述べている。


篠田氏がこう話す根拠のひとつには、CGの存在が両者にとって重要であるからではないだろうか。CGはゲームにおいても、映画においても非常に良く多用されており無くてはならないものになっている。篠田氏の映画「梟の城」では『八百二十カットのうち百カットがCG』(同)であり、中でも実際の撮影は困難であった場面ではCGを応用することで、よりリアルに、且つ幻想的な映像にする事ができたという。


ゲームも映画と同じように、CGは必要不可欠である。今はどのゲームでもふんだんにCGが使用されている。ゲーム中に使われているCGが海外から高い評価を受けるゲームも少なくないほどであるから、CGへの力の入れ具合が相当なものである事がわかる。


CGの制作においては、映画とゲームの間には隔たりがほぼ無いと言っても良い。映画のCGであっても、ゲームのCGであっても、同じCGを作り上げるのであるから、作業自体は殆ど変わらないのだ。坂口氏も『映画の製作は、技術面でゲーム製作と大差ない』(LYCOSニュース「映画“ファイナルファンタジー”、新たな仮想現実の世界を体現(ロイター)」 2001年7月12日(木)14時26分)と述べており、隔たりは無いと強調する。


そう考えると、CGを惜しみなく使うゲームから、CGが重要視されている映画に進出するのも当然の成り行きだったと言える。つまり、CG制作技術に代表されるようにゲーム作り自体が映画制作と大差ない状態にあるために、ゲーム作りに生かしてきたノウハウを容易に、映画作りに転用する事が可能であったのだ。このような背景があるからこそ、坂口氏は「ゲームからCG映画への進出は必然的だった」と語ったのである。


結局、ゲームビジネスによって培われてきたCG技術が、映画ビジネスへの進出を必然的にさせる素地を生み出したのである。(つづく)


続きはこちら→第三章:「夢」

2007年12月25日

過去のコラム編集:2001年8月「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part1

当該のゲーム業界記事は、2001年8月3日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」の第一章です。



当時はスクウェアの映画ビジネスに触発されるようにソフトメーカー各社がこぞって映画に興味を示している時期でした。このコラムでは、その流れがなぜ起きたのか、さらにはその映画ビジネスには問題点はないのだろうか、という視点の下で書き記しています。



「映画ビジネス始動 〜その必然性と問題点〜」Part1
第一章:「北米公開」


制作期間3年半。総制作費1億3700万ドル、日本円にして約170億円の巨費を投じて作られた映画「ファイナルファンタジー」(FF)。北米の2000 を超える映画館において現地時間の7月11日に公開された。監督はスクウェアの同名のゲームソフト「FF」シリーズを手がけている坂口博信氏。


映画「FF」は、北米での公開の後、全世界に配給される事が予定されている。スクウェア側の話によると『北米で上映される日本人監督の映画としては、最も多くの映画館で上映される映画』(LYCOSニュース 「FF映画、米で先行公開(夕刊フジ)」 2001年7月11日(木)12時0分)だとしている。


日経産業新聞も同様に『日本人監督が手掛けたハリウッド映画としては最大規模になる。』(日経産業新聞 2001年7月13日)と称している。映画全編をすべてコンピューターグラフィックス(CG)で表現されている「FF」を作り上げるために、世界22ヶ国から「タイタニック」や「マトリックス」などの大作映画の制作にも携わった事もあるクリエイター達が総勢200人集められたという。


こうしてみると、映画に費やされた資金や人数、さらには上映される規模など、どれを取ってもこの作品がかなり大規模な映画である事がわかる。


スクウェアは、この映画「FF」で、映画ビジネスを立ち上げたが、他のソフトメーカーも映画制作には意欲的になっている。ナムコはすでに映画制作の企画があると表明しているし、コーエーも同様に三年以内の映画化実現を目指し、現在研究している最中である。セガは、今年12月にゲーム「サクラ大戦」の映画版を公開すると発表している


このように、各ソフトメーカーがこぞって映画制作に取り組み始めているが、こうした流れは一体どうして生まれたのであろうか。その疑問を解く鍵は坂口氏の言葉にあると思われる。彼は『ゲームからCG映画への進出は必然的だった』(LYCOSニュース 「映画“ファイナルファンタジー”、新たな仮想現実の世界を体現(ロイター)」 2001年7月12日(木)14時26分)と述べ、必然性があったからこその映画制作だったと主張している。


では、なぜゲームからCG映画への進出は必然的だったのか。「映画ビジネス始動〜その必然性と問題点〜 Part2」からは、ソフトメーカーの映画ビジネスへの参入の理由を「必然性」というキーワードから導き出すとともに、ソフトメーカーによる映画ビジネス自体が抱えている問題点を指摘してみたいと思う。(つづく)


続きはこちら→第二章:「CG技術」

2007年12月23日

過去のコラム編集:2001年8月「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part4

当該のゲーム業界記事は、2001年8月24日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」の第四章(最終章)です。


2001年当時のハドソンは2007年とは違い、経営危機に瀕しておりました。飛ぶ鳥を落とす勢いだった80年代から十数年。ゲーム機の勝ち組ハードはファミコンからプレイステーションに移行した流れについて行けず、さらには未曾有の不況から北海道のメインバンクである北海道拓殖銀行の破綻という影響もあり、上場して間もないハドソンは早くも経営危機に陥っていました。


それをコナミが救ったのですが、コナミはただハドソンを救っただけではなく、コナミなりのハドソン活用法があったのではないか、また一方で、ハドソンにもコナミを逆活用する目論見があったのではないか、という両者の思惑を当時の時代背景から当コラムでは描き出しております。


「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part4
第四章(最終章):「甘いハチミツ」


タカラに利用されたようで、しっかり利用し尽くしたコナミ。この経験はハドソンへの出資に活かされている。一見すると、ハドソンにコナミの経営資源を徹底的に利用させただけに感じられるほどの今回の提携だが、こうすることでハドソンが大きな利益をあげられる企業になる事こそが、コナミにとって重要なのだ。コナミの予測通り、ハドソンが高収益企業に生まれ変われば、タカラ株と同じようにハドソン株にて大きな利益を手に出来るのだ。


今回の提携会見でコナミ上月社長は少しだけ本音を洩らした。


『今、日本のゲームソフト会社は大手7社ではしっているが、いずれも株式公開会社だ。しかしハドソンはその中で、時価総額が他社に比べて1ケタ低い。ハドソンは100億円台だが他の会社は1000億円台だ。歴史、開発力を考えればハドソンはすごい会社なのに時価総額の評価は低い。そのことを考えると提携を行い、株主価値を高めることで他の会社並の地位を築くことは難しくない。…(ハドソンが)正当な評価をしてもらうように一緒にやっていきたい』(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト「ハドソン・コナミ提携会見での一問一答」 2001年7月26日)。


要するに、上月社長はハドソン株の評価は、他社に比べて1ケタ低い、もっと高くなってもおかしくは無い、と言いたいのだ。


もし、仮に上月社長の言う通り、ハドソン株が時価総額1000億円程度になるためには、株価は7000円近くにならなければならない。コナミはハドソンから1株900円程度で約560万株を購入しているので、上月社長の目論見通りになれば実に1株につき約6000円の利益が生まれる事になる。それが560 万株もあるのだから、大雑把に見積もってもコナミには336億円もの利益が転がりこむ


世の中には子会社が親会社を超えて成長した例はたくさんある。将来はそういう姿を目標にしたい。コナミの社章の周りをハチ(ハドソンの社章)が飛び交っているイメージかな』(2001年7月31日 日経産業新聞)。ハドソンの工藤社長はこう述べ、コナミを利用して飛躍する将来像を描いている。


しかし、ハチが利益という蜜を集めようとすればするほど、コナミには甘い甘いハチミツをもたらすことになる


さて、この両社の関係がゲーム業界にもたらすものは何であろうか。双方の目論見が飛び交う、おもしろい共生関係はまだ始まったばかりである。(おわり)

2007年12月22日

過去のコラム編集:2001年8月「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part3

当該のゲーム業界記事は、2001年8月24日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」の第三章です。


2001年当時のハドソンは2007年とは違い、経営危機に瀕しておりました。飛ぶ鳥を落とす勢いだった80年代から十数年。ゲーム機の勝ち組ハードはファミコンからプレイステーションに移行した流れについて行けず、さらには未曾有の不況から北海道のメインバンクである北海道拓殖銀行の破綻という影響もあり、上場して間もないハドソンは早くも経営危機に陥っていました。


それをコナミが救ったのですが、コナミはただハドソンを救っただけではなく、コナミなりのハドソン活用法があったのではないか、また一方で、ハドソンにもコナミを逆活用する目論見があったのではないか、という両者の思惑を当時の時代背景から当コラムでは描き出しております。


「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part3
第三章:「コナミの目論見(タカラ式利用法)」


ハドソンの目論見ではコナミは自らが持っている資金・版権・販売網などの経営資源をハドソンに徹底的に利用される事になる。今後は、さらに開発子会社であるコナミコンピュータエンタテインメントスタジオを分割して、その一方をハドソンに統合させることになっているため、その傾向は一段と強まっていると言えよう。


こうしてみると、両社の関係はハドソンばかりが得をする形になってしまっている。これではコナミには、ハドソンと協業体制を築けるという以外に利するところがあまり無い。コナミは一般的に言われているように携帯電話向けのゲームやオンラインゲーム等での分野で、事業展開を優位な立場で進めるという目標だけを達成するためにハドソンに50億円もの大金を出資し、その他様々な経営資源を提供したのであろうか。ハドソンのように隠れた目論見はないのであろうか。その答えは、玩具メーカーのタカラが握っている


タカラは2000年にコナミの出資を受け入れ、コナミグループの一員となった。2000年度のタカラは、ちょうど経営の建て直しを図っていた時期でもあったが、そういった時にコナミはタカラに33億円強の出資を行った。具体的にはタカラから、タカラの株式を一株400円、計843万株を新たに買い入れることでタカラに資金を提供したのだった。タカラと一緒になる事で、コナミはタカラの持つコンテンツを利用して新たなゲームソフトなどを開発できると期待された。


その後、タカラは「e-kara」「ベイブレード」などの大ヒット商品などにより、完全に立ち直ることになる。しかしコナミにはタカラのコンテンツを利用した商品がヒットした、などの提携した事による効果は殆ど無かったと言っても良い。


これだけを見ると、コナミはタカラに33億円以上もの大金を、ただ出資しただけだったと思えてしまう。では、コナミはタカラに利用されただけで、何の得もなかったのだろうか。


コナミに全く利益が無く、ただタカラに利用されただけだ、と考えるのは早計だ。実はコナミは、タカラがコナミを利用する以上に、タカラを利用し大きな恩恵を得ているのだ。その恩恵とは、株式による巨額な利益だ。タカラの株価は経営の再建が評価され、近年には無い高値をつけている。八月中旬現在の株価は 1500円近辺で動いている状況だ。


コナミは一株400円でタカラ株を購入しているため、一株につき1100円程度の利益があり、それが843万株もあるため、単純に考えたとしてもコナミの利益は92億円強。一方で、タカラが2001年3月期に稼ぎ出した純利益はその僅か五分の一か六分の一に過ぎない16億円なのだ。


こうして考えると、コナミはタカラを最大限に利用したといえるだろう。そして、この構図はそっくりそのままハドソンにもあてはまる。つまり、コナミはハドソンを利用し尽くすために、まずコナミを徹底的に利用させたいのだ。そうすることで、ハドソンは儲かる。同時にそれは、ハドソン株の評価が高まることに繋がり、最終的にコナミには株式を通じて巨額の利益が生ずる寸法だ。コナミの目論見はこれなのである。


コナミは二匹目のドジョウを狙っている。(つづく)


続きはこちら→最終章(第四章):「甘いハチミツ」

2007年12月19日

過去のコラム編集:2001年8月「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part2

当該のゲーム業界記事は、2001年8月24日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」の第二章です。


2001年当時のハドソンは2007年とは違い、経営危機に瀕しておりました。飛ぶ鳥を落とす勢いだった80年代から十数年。ゲーム機の勝ち組ハードはファミコンからプレイステーションに移行した流れについて行けず、さらには未曾有の不況から北海道のメインバンクである北海道拓殖銀行の破綻という影響もあり、上場して間もないハドソンは早くも経営危機に陥っていました。


それをコナミが救ったのですが、コナミはただハドソンを救っただけではなく、コナミなりのハドソン活用法があったのではないか、また一方で、ハドソンにもコナミを逆活用する目論見があったのではないか、という両者の思惑を当時の時代背景から当コラムでは描き出しております。


【ゲームコラム】「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part2
第二章:「ハドソンの目論見」


要するに我が社には資金がなかった。…資本提携の一番のメリットはこれで財務体質が見違えるほど良くなること』(2001年7月31日日経産業新聞)。ハドソン工藤社長は、コナミからの50億円の出資に対し、こう述べる。しかし、ハドソンにとっての一番のメリットとは、本当に財務体質が強化されるという事だけなのか。


確かに、2001年2月期の売上高ですら70億円程度のハドソンにとっては、とてつもなく大きい資金が手に入るため、財務体質が目に見えて良くなるのは間違いない。ただ、ハドソンにとって今、この時期に手に出来る50億円は本当に欲しい資金であったのだろうか


ハドソンが資金難に苦しめられた時期は、主な資金調達源であった北海道拓殖銀行が98年に破綻してから4年間にも及ぶ。工藤社長は『当社はメーンバンクである北海道拓殖銀行破たんから四年間、ほとんど開発資金を調達できなかった』(2001年7月27日 日経産業新聞)と語り、その間は『初めて体験した地獄の苦しみ』(2001年2月16日 日経産業新聞)だったという。北海道拓殖銀行破綻後の4年間はハドソンにとって苦難の時代であったのだろう。


だが、ハドソンを地獄に落とした原因の資金難はすでに解消しているといっても良い。なぜなら、ハドソンは2000年12月にナスダック・ジャパンと呼ばれる株式市場に株式を上場させ、20億円近い資金を調達しているし、翌2001年には北洋銀行や住友銀行(現三井住友銀行)などの複数の銀行から32億円を借入れているのだ。合わせると、約50億円程度の資金となり、ゲーム開発資金としては十分なレベルである


2001年3月24日の日本経済新聞によると、ハドソンは2002年2月期から毎年の出荷タイトルを20前後にする考えだが、それらを開発するための費用は2002年2月期で55億円前後だという。そうなると、ハドソンは自前でゲーム開発に必要な資金は確保していることになるのだ。


では、なぜハドソンはコナミの傘下に入る事を決断したのか。それは、コナミグループ入りすることで、コナミを利用し尽くすことができるからだ。工藤社長は、コナミとの提携のメリットについて、財務体質の強化の他にコナミが所有する版権や販売網の利用をあげている。


ゲーム開発ではコナミが保有する版権などを活用できるのも大きい。コナミの販売網を活用できれば、ゲームの売り上げ増も期待できるだろう』(2001年7月31日日経産業新聞)とし、コナミを利用することでハドソンには大きなメリットが生まれると、工藤社長は言う。


つまり、ハドソンにとって一番欲しかったのは、50億円ではなく、コナミが持っている力だったと結論付ける事ができるのだ。それを裏付けるかのように、工藤社長はこうも述べている。『(コナミの)上月社長には利用できるモノは何でも利用させてもらうと話してある』(同 括弧内は著者)。


コナミを徹底的に“使う”。これがハドソンの狙いだ。(つづく)


→続きはこちら:第三章「コナミの目論見(タカラ式利用法)」

2007年12月16日

過去のコラム編集:2001年8月「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part1

当該のゲーム業界記事は、2001年8月24日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」の第一章です。


2001年当時のハドソンは2007年とは違い、経営危機に瀕しておりました。飛ぶ鳥を落とす勢いだった80年代から十数年。ゲーム機の勝ち組ハードはファミコンからプレイステーションに移行した流れについて行けず、さらには未曾有の不況から北海道のメインバンクである北海道拓殖銀行の破綻という影響もあり、上場して間もないハドソンは早くも経営危機に陥っていました。

それをコナミが救ったのですが、コナミはただハドソンを救っただけではなく、コナミなりのハドソン活用法があったのではないか、また一方で、ハドソンにもコナミを逆活用する目論見があったのではないか、という両者の思惑を当時の時代背景から当コラムでは描き出しております。


「ハドソン買収 〜それぞれの目論見〜」Part1
第一章:「傘下へ」


コナミがハドソンを“買った”。2001年7月26日午後、そう表現できる出来事があった。ハドソンがコナミから約50億円の出資を受け、コナミグループに入ると発表したのだ。これにより、コナミのハドソンへの出資比率は最終的に45%程度となり、事実上コナミはハドソンの経営権を握った事になる。


最近のコナミは積極的に他社に対して資本参加をしている昨年は玩具メーカーのタカラに出資しているし、今年は7月末まででフィットネスクラブ運営企業のピープル(現コナミスポーツ)、ゲームソフトメーカーのサクセス、そして今回のハドソンと、実に多い。近年の好調な業績が生み出した潤沢な資金を他社にせっせと投入している姿がここから見える。


一方、コナミとは全く対照的な状態にあるのがハドソンだ。昔は業界のトップランナーとも言える位置にあり、売上高も400億円を超える時もあったのだが、近頃はメインバンクの北海道拓殖銀行の破綻などによって業績は右肩下がりで推移、2001年2月期の売上高はついに100億円の大台を大きく割りこみ、 70億円台に留まってしまった


当然、そのような環境下では利益が生まれるはずも無く、赤字に転落している。ハドソンの経営陣は、おそらく今回の提携を機に、経営の建て直しを図りたい、と考えていることだろう。


それでは、今回のコナミによるハドソンへの出資にはどういった狙いがあるのだろうか。一般的に両社が一緒になることで、ゲームソフト分野での協力体制が生まれ、より良いゲームソフトが世に出る、といったことが考えられている。


特にコナミにとっては、成長が見こまれている携帯電話向けのゲームや、オンラインゲームに技術力があるハドソンがグループ入りする事で、それらの分野でコナミが優位に事業展開できるだろうと期待されている。逆にハドソンには、約50億円の資金が手に入るため、ゲーム開発資金が豊富になり、ゲーム開発能力の向上がもたらされるだろうと言われている。


だが、両社の目論見はこれだけなのであろうか


ハドソンへの出資をしたコナミと、コナミから資金提供を受けたハドソン。この両社はこれらの事だけを期待して、50億円もの大金をやりとりしたのであろうか。著者は、この提携はそのような教科書的な効果しかない、とは思わない。一般的な見方以外の効果がそれぞれにあるだろうと考えている。


では、世間で語られている以外の「効果」とは一体どのようなものなのか。次からはハドソンとコナミのそれぞれが持っている目論見について解き明かしていく事にしたい。(つづく)


続きはこちら→第二章:「ハドソンの目論見」

2007年12月08日

過去のコラム編集:2001年9月「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part4

当該のゲーム業界記事は、2001年9月5日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」の最終章です。


2007年現在では、ニンテンドーDSの登場で大人がゲーム市場の主役に
なりつつありますが、当時ではゲーム業界の熱い視線はまだまだ子供に
注がれたままでした。業界が、その子供に向けた施策を今回のコラムでは
取り上げております。


「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part4

第四章(最終章):「未来志向」


ソフトメーカーが子ども市場に熱い視線を送るわけは大きく分けて三つあった。その中で,特に注目したい理由がある。それは「子どもを将来の顧客として育成すべく、子ども市場に力を入れている」という理由だ。


この理由に注目するわけは、その他の理由は現在の利益を追求することのみであるのに対し、これだけは将来を見据えたものであり、毛色が異なっているためだ。そのため、ここからソフトメーカーの未来志向の萌芽を垣間見ることができる


将来の顧客を育成することで、将来の繁栄を得るという未来志向は、他の様々な所で見ることができる。代表的なものにはプロ野球があろう。プロ野球では、球場に足を運ぶ子どもを対象に帽子などの野球グッズをあげたり、オフシーズンになると有名選手による野球教室やサイン会などを開催したりと、子どものころから少しでも野球に興味を持ってもらうように活動をしている。この活動の狙いは、将来の野球ファンを育成し、プロ野球というスポーツビジネスを継続的に成功させようとしている所にある。


同じ事がゲーム業界でも言えるだろう。いくらゲームビジネスが数千億円規模に成長したとはいえ、次なるゲームファンを育成していかねば、ゲーム業界は極端な話、無くなると言っても過言ではない。任天堂の山内社長は常々こう口にしている。


テレビゲームなんて娯楽でしょ。生活必需品ならともかく、テレビゲームは、別にないから生きられないというものじゃないんです。…ゲームなんてユーザーにとっては、いざとなったらなくても差し支えないということです』 (「NHKスペシャル 新・電子立国 第4巻 ビデオゲーム・巨富の攻防」 P261 著相田茂・大墻敦 日本放送出版協会 1997)。


ゲームは遊びであり娯楽であるがゆえに、その存在を常に保証されているわけではない、と彼は言う。だからこそ、ソフトメーカーは自らの将来のために、未来のゲーム業界を支えてくれるであろう子ども達に、ゲームの面白さや楽しさをきちんと伝え、彼らをゲームファンとして育んでいかねばならないのだ。


その一つの方法として子ども市場に注力している現状は、ゲーム業界がプロ野球と同じように継続的にビジネスとして成功する要因を確実に作りつつあるといえるのではないだろうか。


勿論、ソフトメーカーは営利企業であるのだから、子ども市場に関わる以上はそこで利益を挙げなければならない。だが、利益というものはいま手に出来る利益だけではないはずだ。将来的に得られる利益もその中に当然含まれるのではないか。


だとすると、仮にソフトメーカーが子ども市場で商品やサービスを提供し、その結果として赤字になったとしても子ども市場から簡単に撤退するべきではない。それは、現在の利益を重んじるばかりに将来の利益を損ねてしまう可能性があるからだ。格言にある「損して得とれ」の言葉の通り、たとえ今は損をしたとしても将来的にそれを大きく上回るような得をすればよいのである。


そうなると、子ども市場は“市場”と表現するよりも、次世代のゲームファンの“育成場”であると言ったほうが良いのかもしれない。“市場”から“育成場” への発想の転換は、従来の価値観だけで子ども市場を見ていると犯してしまうかもしれない、大きな失敗を避けるために必要になってくる。


「育成なくして未来なし」。そういう視点を第一に持って、子ども市場を考える事が出来た時、産業として歴史的にまだまだ未熟なゲーム業界は、大人への階段を一歩のぼったことになるだろう。(おわり)

2007年12月07日

過去のコラム編集:2001年9月「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part3

当該のゲーム業界記事は、2001年9月5日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」の第三章です。


2007年現在では、ニンテンドーDSの登場で大人がゲーム市場の主役に
なりつつありますが、当時ではゲーム業界の熱い視線はまだまだ子供に
注がれたままでした。業界が、その子供に向けた施策を今回のコラムでは
取り上げております。


「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part3

第三章:「隠れた狙い」

ソフトメーカーが子ども市場を狙う理由は「6つの財布」と「顧客の育成」の二つにあった。確かに「子ども市場」には、子ども市場が持っている6つの財布による購買力の高さがあり、ソフトメーカーが注力する分野として充分魅力的であるし、なおかつ子どもを幼いころからゲームに親しませておくことによって未来の顧客をも育成できる市場であった。


だが、子ども市場だからといって子どもだけに注目して話を進めるのは正しいと言えるのだろうか。多少見方を変えてみると、子どもには必ず親がいることに気付く。彼らもまた、子ども市場の中では子どもと同じように重要な立場にあるため、忘れてしまってはいけないだろう。


AV(音響・映像)ソフトの販売・レンタルを行う「TSUTAYA」はこの夏に小学生以下の子どもを対象に、来店するだけでプレゼントを渡す企画を行った。狙いは子ども、ではなく親だ。『狙いは親世代である三十−四十代を会員として取り込むこと。同年代のTSUTAYA会員は全国で六百万人を超すが、ニ十代会員と同程度にすぎず、開拓余地が大きいとみている』(2001年7月19日 日経流通新聞MJ)。


この記事から、TSUTAYAには子どもにプレゼントを渡す企画を実施することで、子どもに強い来店動機を与え、親を店まで引っ張ってきてもらいたかったという意図があったといえるだろう。言葉は悪いが、TSUTAYAは親を取りこむ一手段として、子どもをダシに使ったのだ


子どもに訴えることで、親をも顧客化するTSUTAYAの手法はソフトメーカーが子ども市場に注力している理由を知る良い答えとなる。つまり、ソフトメーカーは子どもを利用することで、親をも顧客としてしまおうと狙っているのだ。


子ども向けのゲームやゲームコーナーの存在は、その子どもを連れてくる親に、ゲームに触れさせる絶好の機会を作る。それは、それまでゲームを触れたことの無い人や、ゲームから離れていた人を顧客化できる良いきっかけになるかもしれないのだ。


ゲームと一口に言っても、そのジャンルは様々にある。その中には大人がやっても十分楽しめるゲームは数多くある。ゲームソフトの分野で言えば、コーエーの「信長の野望」などがその代表格になるだろう。


子供向けの商品やサービスを提供することで、こうしたゲームの魅力を購買力のある親に知ってもらえれば、ソフトメーカーとしては願っても無いことであろう。なぜなら、子どもの購買力を遥かに上回る親が顧客となってくれるのだから。(つづく)


続きはこちら→最終章:「未来志向」

2007年12月04日

過去のコラム編集:2001年9月「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part2

当該のゲーム業界記事は、2001年9月5日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」の第二章です。


2007年現在では、ニンテンドーDSの登場で大人がゲーム市場の主役に
なりつつありますが、当時ではゲーム業界の熱い視線はまだまだ子供に
注がれたままでした。業界が、その子供に向けた施策を今回のコラムでは
取り上げております。


「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part2

第二章:「現在と未来」

子ども市場にソフトメーカーが注目する理由は大きく分けて二つある。まず、一つ目の理由だが、これを知るためには高齢化社会と少子化という社会的なキーワードを読み解かねばならない。


現在の日本は急速に高齢化の波に飲まれている一方で、少子化が進んでいる。ある試算では、このままの状態が続くと、2025年には日本人の四人に一人は 65歳以上の高齢者で占められるとされている。反対に、一人の女性が生涯に産む子どもの数の平均は二人に届いておらず、子どもの数が減少していく少子化現象が進んでいる。


高齢化と少子化が同時に進む状況下にあっては、一家の中に大勢の大人と、子どもが一人という家族構成が当たり前になってくる。そうなると、一人の子どもに対しては『6つの財布』(2001年2月15日日経流通新聞)が付いてくることになる。


6つの財布とは、父・母・祖父母(父方と母方)の6人のそれぞれの財布の事だ。つまり、少子高齢化現象は、一人の子どもに対しての支出の割合を以前よりも高くさせているのである。だから、ソフトメーカーはこの6つの財布を目当てにして、子ども市場に大きな注目をし、力を入れているのである。


ソフトメーカーが子ども市場に注目する二つ目の理由としては、将来を見据えた投資という意味合いもある。一つ目の理由は子どもの背後にある6つの財布をターゲットにすることで、今すぐに利益を得ようとする“現在の利益”を重視した理由だったのに対し、今回の理由は将来的な利益を得るためのものだ。では、将来的な利益とは一体なにか。それは、子ども達を次世代の顧客として育成することで、将来彼らがもたらしてくれるであろう利益の事だ


セガトイズの大人気商品「ピコ」。この「ピコ」は『絵本やペンを組み合わせた子ども向けのコンピューターで、テレビ画面と連動させて遊ぶことができる』 (2001年7月12日日経流通新聞MJ)電子知育玩具であるが、最近はパソコン接続キットを用いることでインターネット上の「ピコタウン」に入場できるようになった。


「ピコ」をパソコンに接続させた狙いは『パソコン教育が小学校にも広がってくるのを見据え、小さいころからパソコンに慣れてもらおう』(同)とするものである。要するに、幼いころからパソコンに触れさせる事で、パソコンに興味を持ってもらうことが大きな目的なのである


このような目的はゲームにも当てはまる。つまり、ソフトメーカーは子どもを幼いころから「キッズステーション」やゲームセンター内にあるゲームコーナーなどで、ゲームに触れさせる事で、ゲームに興味を持ってもらい、ゲーム業界の次なる顧客になってもらいたいと考えているのだ


今は、遊びが一層多様化し、ゲーム以外にも子ども達の間で人気になる面白い遊びは数多くある。一例を挙げれば、コナミの「遊戯王」に代表されるトレーディングカードやタカラの「ベイブレード」など。必ずしも、ゲームが子ども達の遊びとして選ばれる保証はどこにもないのである。


だからこそ、ソフトメーカーは、次の顧客になるであろう子どもに、幼いころからテレビゲームやゲームセンターに触れ親しんでもらい、ゲームは楽しいものだと実感してほしいのだ。そうなるためには、子ども市場に力を入れ、子どもを顧客とすべく育成していかねばならない。その育成法のひとつがゲームソフト「キッズステーション」であり、ゲームコーナー「キッズスタジアム」「キッズパーク」なのである。


結局、ソフトメーカーは子ども市場に注力することで、現在の利益と将来の利益という二つの効果を狙っているのだ。(つづく)


続きはこちら→第三章:「隠れた狙い」

2007年12月02日

過去のコラム編集:2001年9月「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part1

当該のゲーム業界記事は、2001年9月5日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」の第一章です。


2007年現在では、ニンテンドーDSの登場で大人がゲーム市場の主役に
なりつつありますが、当時ではゲーム業界の熱い視線はまだまだ子供に
注がれたままでした。業界が、その子供に向けた施策を今回のコラムでは
取り上げております。


「子供を狙え 〜メーカーの未来志向〜」Part1

第一章:「熱い視線」


最近、ゲーム業界では子ども向けのゲームソフトやサービスが次々に発表されている。家庭用ゲーム機でゲームをしながら楽しく遊べるゲームソフトシリーズ「キッズステーション」はその代表格であろう。


同シリーズを手掛けているバンプレストは2002年春までにシリーズ合計で100万本を売り上げる計画を立てており、「キッズステーション」シリーズを10作品投入するという。これまでの累計販売本数が30万本程度であることを考えれば、かなり強気の姿勢だ。


「キッズステーション」にはアトラスやサン電子もソフトを投入しているが、なかでもアトラスはディズニー・インタラクティブと提携し、ディズニーキャラクターを活用したソフトを2002年3月までに5作品発売するとしている。


アトラスは今の所、ディズニーとの提携を「キッズステーション」用ソフト以外に応用していないことを考えると、子ども向けの商品のためだけにディズニーとの提携に踏み切ったと言える。そういうことからも、アトラスの子ども向け商品に対する並々ならぬ力の入れ具合が、ここから読み取れる。


子ども向けに配慮したサービスは、主にゲームセンターで行われている。ナムコは既存のゲームセンター内に子ども向けのゲームコーナー「キッズスタジアム」を昨年新設し、今年は年内までに現在の2店舗から大幅増の33店舗に増やす計画だ。


同様にテクモも「キッズパーク」と呼ばれるゲームコーナーをショッピングセンター内にある全ゲームセンターに設置するとしている。アミューズメント施設を運営するプレビは、幼児家族向けのゲームセンター「トドラーファミリー」を導入し始めた。


ゲームとは直接的に関連は無いものの、玩具メーカーのセガトイズの大人気商品である電子知育玩具「ピコ」もこれまでの販売方法を変えつつある。テレビCM を全国に拡大したり、ピコ売り場の刷新やインターネット上に「ピコタウン」を作ったりと、懸命に販促活動に努めている。


こうして見ると、子ども向けの商品やサービスが以前よりも強化されているのが分かる。つまり、各社とも子ども市場に対して熱い視線を送っているのだ。しかし、なぜ子ども市場がもてはやされるのであろうか。どうして、各社は子ども市場に力を入れているのだろうか。今回は、そこに焦点を絞って考えてみたいと思う。(つづく)


続きはこちら→第二章:「現在と未来」

2007年12月01日

ゲーム情報保管庫:2007年11月27日スクウェア・エニックスの今期ゲームソフト販売本数計画、WWで1350万本 (日本証券新聞)

インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。


記事の原文はこちらのリンクをクリック


スクウェア・エニックスの今期ゲームソフト販売本数計画、WWで1350万本 (日本証券新聞)




スクウェア・エニックス(9684)の今3月期のゲーム販売本数計画はワールドワイドで1350万本を計画。地域別では日本725万本(前期比4万本増)、北米310万本(同305万本減)、欧州305万本(同45万本減)、アジア等10万本(同3万本増)。なお上期実績は692万本で、内訳は日本395万本、北米132万本、欧州 161万本、アジア等5万本。販売本数(上期)が多かったベスト3は「クライシスコア ファイナルファンタジーVII」(PSP向け・日本)、「ファイナルファンタジーXII レヴァナントウイング」(DS向け・日本)、「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」(Wii向け・日本)。

[ 2007年11月27日18時45分 ]

ゲーム情報保管庫:2007年11月30日 ソニーPS3の11月国内販売、任天堂Wiiを逆転

インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-29134120071130


ソニーPS3の11月国内販売、任天堂Wiiを逆転



2007年 11月 30日 15:53 JST

 [東京 30日 ロイター] ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)の家庭用ゲーム機「プレイステーション3」の単月の国内販売数が競合する任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート) の「Wii(ウィー)」を初めて逆転した。ゲーム雑誌出版社のエンターブレイン(東京都千代田区)が30日発表した11月のゲーム機の国内販売状況によると、10月29日から11月25日までの期間、プレステ3の販売数は約18万3200台で、Wiiの約15万9200台を上回った。

 世界各地で販売されているプレステ3とWiiだが、国内での発売はプレステ3が昨年11月、Wiiが昨年12月とほぼ同時期。エンターブレインによるとプレステ3が単月の国内販売数でWiiを上回るのは初めてだいう。

 ソニーのゲーム子会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は10月17日に従来の2モデルをそれぞれ約5000円値下げした。また、今月11日には40ギガのハードディスクドライブ(HDD)を搭載した低価格機種(希望小売価格3万9980円)を投入するなど、低迷していた販売のてこ入れを図った。

 SCEの広報担当者は今回の逆転劇について「エンターブレインの調査は関知していないし、任天堂の数字も知らない」としながらも、「40ギガモデルの投入やソフトの拡充、値下げによりプラットフォーム(プレステ3)に勢いがついてきているとは感じている」とコメントした。

 エンターブレインによると、11月の国内販売数では米マイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)の「Xbox360」は約3万5000台。携帯ゲーム機では、任天堂の「ニンテンドーDS Lite」が約35万8200台、ソニーの「プレイステーション・ポータブル」が約26万6100台だった。

 (ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者)
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