インターネット上の情報は、短期間で消滅してしまうことが多いので、なるべく様々な資料を保存していきたいと考え、こちらのカテゴリにて記録していきたいと思います。
ソニーPS3値下げ 「両刃」の低価格戦略 赤字覚悟…本体圧迫も
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が新型家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」を大幅値下げすることで、新型ゲーム機の販売競争がさらに激しさを増すのは必至だ。ライバル各社の低価格戦略や市場の要求に押し切られた形だが、今後の動向次第ではPS3を最重要戦略と位置づけるソニー本体の経営にも影響を与えそうな雲行きだ。(田端素央)
■突然
「(現行価格が)高いということになれば、PS3の目指す夢の世界を実現できない。そこで4万9980円にした」−。22日に開幕した「東京ゲームショウ」のトークショー。久多良木健社長が突然発したひと言に、会場がざわついた。
9月はSCEにとって耐えに耐えた1カ月だった。6日には基幹部品の調達遅れからPS3の欧州発売を来年3月に延期すると発表。年内の全世界での出荷を、当初の400万台から200万台へと引き下げた。
追い打ちをかけるように、新型機でライバルとなる任天堂や米マイクロソフト(MS)が低価格戦略を相次いで発表。一部のアナリストや消費者からは「価格の高さがネック」「ゲーム機としては高すぎる」との声が聞かれるようになった。
「量販店で薄型テレビを買えば、そのポイントでPS3が買える」。なんとか割高イメージを払拭(ふっしょく)したかった久多良木社長だが、結局は「外堀を埋められるように」(アナリスト)値下げという“最終カード”を切った。
■反応
ゲーム業界関係者の多くは今回の値下げを「予想の範囲内」と冷静に受け止めている。ソフトメーカーでは「買い控えが減って市場が拡大するのでは」との期待感も膨らむ。任天堂は「価格面で同じ土俵に上がってきた」(関係者)とみる。
「値下げには(次世代DVDの)ブルーレイ・ディスク(BD)普及の狙いもある」。野村総研の小林孝嗣上級コンサルタントはこう分析する。次世代DVD市場では依然、BDと「HD DVD」の規格争いが続く。
現行のPS2がDVDを爆発的に普及させたように、BD普及のカギを握るPS3。値下げはBD陣営にとって追い風だ。11月に松下電器産業が発売するBD録画再生機の下位機種は想定価格が24万円だが、「本当はもっと下げたかった」(幹部)とも。一方で、HD陣営のMSはXbox360に外付け再生機を発売して対抗する。
■覚悟
PS3はソニー本体にとっても最重要の戦略商品だ。単なるゲーム機ではなく、リビングの中心に据える機器として、お茶の間でゲームや映画、音楽をインターネットからダウンロードして楽しむというAV(音響・映像)戦略の「要」の役割を期待している。
ソニー本体は19年3月期にゲーム部門で約1000億円の赤字を見込む。外資系証券アナリストの多くもPS3にかかるコストを1台あたり700〜800ドル程度と推定。つまり、PS3はもともと「赤字覚悟」で発売する商品だ。販売が軌道に乗ってソフトが売れ、期待通り「リビングの中心」に育ってこそ投資を回収できる。
しかし、ゲーム部門の赤字に今回の値下げは織り込まれていない。場合によっては、ソニー本体の利益を圧迫する恐れもある。それでも、ソニーは目先の利益を捨て、PS3の将来性にかけた。決断は吉と出るか、それとも…。
(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060923-00000001-san-bus_all
