2008年05月02日

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part3

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第三章です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part3
第三章:「携帯電話市場の現実」
 



携帯電話自体には期待をかける反面、大きな期待をしていない。ゲームメーカーの携帯電話市場への本音が「ファミ通アンケート」により解ったのだが、ただこの「本音」には疑問が残る。どうして、彼らは3000万人とも言われる携帯電話市場に魅力を感じていないのであろうか。数の上ではPS2ユーザーの何倍もの巨大な顧客層を抱える携帯電話市場をどうして重要視しないだろうか。それを知るためには携帯電話市場の現実を見る必要がある。


その現実とは、「客単価の低さ」だ。携帯電話のインターネット接続サービス市場で最も成功しているサイトは「キャラっぱ!」と言っても過言ではない。月額数百円と言う低価格で、各ユーザーにキャラクター画像を配信しているサービズだ。


このサービスを提供しているのが、バンダイネットワークスと言う会社である。同社は、こういったサービスを売りに360万人ものユーザーを有するほどの有力企業なのである。ただ、「キャラっぱ!」という巨大サイトを抱えるバンダイネットワークスでさえ、大きな問題がある。それは「客単価の低さ」である。


携帯向けコンテンツ業界は百円ショップと同じような構造」(2001年1月25日付 日経産業新聞)と同社社長である林俊樹氏は言う。確かに、「キャラっぱ!」は一人のユーザーに対して、キャラクター1種類につき100円の利用料しか徴収する事が出来ない。そのため、同社の一人一人のユーザーの利用料金は毎月平均して120〜130円程度でしかないのである。客単価が120〜130円では厳しい


一方、ゲームメーカーが製作・販売しているゲームソフトの場合、客単価は高い。ゲームソフトは一本数千円から一万円を超すものまである。例えば、誰か一人が6800円のソフト一本買うだけで、もうそれでメーカーには数千円の収入が転がり込むのだ。


客単価は携帯電話のそれと、何十倍もの開きが出てしまうのだ。単価の面からいえば、携帯電話ユーザーが束になっても、ゲームソフトユーザーにはかなわないのである。仮に、現在3000万人ともいわれているネット接続サービスを利用している人全員がバンダイネットワークスと同じような利用料金を支払ったとしても、年間で僅か432億円にしかならない(120円×12ヶ月×3000万人)。


他方、ゲームソフト市場は年間で4000億とも、5000億とも言われている。この差は半端ではない。この携帯電話市場の規模の小ささが、ゲームメーカーに過度の期待を抱かせない大きな理由なのである。(つづく)


続きはこちら→第四章:「淡い期待」
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