今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。
J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。
すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。
今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。
携帯電話市場における客単価の低さにも拘わらず、各ゲームメーカーがこぞって携帯電話にゲームを供給している背景には、携帯電話市場にかける「淡い期待」がある。この淡い期待が、ゲームメーカーの携帯電話市場への進出を支えている。
「将来に向けての先行投資」(2001年1月11日付 日経産業新聞)「あくまでも将来を見据えた実験」(週刊ファミ通 2001 3・16号 P100)ゲームソフト大手のコナミのCS事業本部長北上一三氏は携帯電話にゲームを供給する事に対して、こう述べている。
北上本部長は「将来」という言葉を連発するが、その発言の裏には、携帯電話市場は将来、ゲームメーカーに利益をもたらすかもしれないという淡い期待がある。当然ながら、彼の言葉は携帯電話にゲームを供給している全メーカーの声でもある。では、将来「得られるかもしれない利益」とは何なのであろうか。筆者はそれを大きく2つに分けて、次に考えてみることにしたい。
→続きはこちら:第四章 中編「淡い期待 〜新規ユーザーの獲得〜」
