今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。
J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。
すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。
今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。
ゲームメーカーが抱く淡い期待は、本当に叶えられるものであろうか。その答えはまだ出ていない。ただ、確実に言える事は、面白いゲームを作り出さなければ、2000億円市場の誕生は決してありえない、ということだけである。しかも、ただ「おもしろい」を打ち出したゲームでは苦戦するかもしれない。
筆者が考えるに、携帯電話ゲームが成功するには、単純に面白さを追求しただけのゲームではなく、携帯電話の特長を生かした面白さを前面に押し出した「面白い」ゲームを作りだせるかどうかに懸かっていると思う。
つまり、携帯電話でしか出来ない面白いゲームを供給していかなければ、成功する確率は低いと考えている。なぜなら、携帯電話の特長を活かさず、既存のゲームハードでも出来るようなゲームを、わざわざ携帯電話でプレイする理由が無いからだ。
「ゲームボーイやプレイステーションでもできるゲームならば携帯でやる必要があるのか」
ユーザーにそう思われては、成功は難しいであろう。逆に「携帯でこのゲームがやりたい」と思わせれば、携帯電話ゲーム市場は巨大市場になる。
携帯電話ならではの新しい面白さを追求したゲームを開発し、世に送り出す。これが、ゲームメーカーに与えられた課題だ。もし、携帯電話の特長を活かし、携帯電話以外のゲームハードでは絶対にできない(ゲームが成立しない)面白いゲームをどこかのメーカーが作ったとき、ゲーム業界はこの巨大市場を手中に収められるかもしれない。
携帯電話ゲーム市場を巨大な市場に成長させるのも、数百億円という小さな市場に留めるのも、すべてはゲームメーカーのアイディア一つに懸かっている。(おわり)
