今回は国内最大級のオンラインゲームであるファイナルファンタジーXI(FF11)に焦点をあててみたいと思います。急成長と高利益率をもたらすオンラインゲームはゲーム業界に大きな恩恵を与えているのですが、そのFF11に今、異変が起こっているのではないか、と様々な資料から推測しております。
このシリーズは文字のみのメールマガジンでは伝えることが出来なかった図表などを活用し、FF11が抱えている問題点を洗い出してみたいと思います。
今回は、その第五回目で最終章となります。
第五章:「フロンティアの消失」
FF11の成長には新しいプラットフォームや地域の存在が欠かせない。これまでの会員数の増加経緯を考えれば、それは否定できない事実である。しかしながら、やがてFF11にとっての「フロンティア」は時間と共に無くなってしまうだろう。では、成長源を全て食い潰してしまった時、FF11は一体どうなってしまうのだろうか。
成長性が失われたFF11をスクウェア・エニックスがどのように考え、その処遇を決定するのかを現時点で正確に予測することはできない。しかし、50万人以上の会員を抱えている以上、何らかの対策はなされるであろう。例えば、続編やあるいは新作を開発し、それを投入することで活性化を図るなどの措置があってもおかしくはない。
FF11にはこれまで拡張版ディスクが複数、登場している。これは見方を変えれば続編の一種であるとも言えるだろうから、FF11の続編を開発・投入することに、さほど困難が伴うものではないと予測できる。
スクウェア・エニックスとしても成長が鈍化したのを確認してから、対応をするのでは遅すぎる。続編を開発するとしてもそれに要する期間はおそらく長期化するだろうから、余りのんびりとはしていられない。もしかすると、既に続編開発への動きが同社にあったからこそ、日本経済新聞は続編の存在を報道したのではないだろうか。
スクウェア・エニックスは、現時点でFF11の続編は無いとし日本経済新聞の報道を否定しているが、だからと言って将来的にも有り得ないと判断するのは早計だ。もちろん、FF11が何らかの形でこれまでとは違った成長力を確保できるのであれば、同社の言うように続編はいらないだろう。しかし、過去の経緯を見る限り、それに大きな期待を掛けられるだけの根拠が存在しない。
オンラインゲーム部門はスクウェア・エニックスにとって、もはや欠かせない存在である。ゲームソフト事業に次ぐ利益を稼ぎ出し、同社の成長ドライバーとなった同部門の売上高や利益率が落ち込むことはあってはならない。
スクウェア・エニックスは、長期的な数値目標として営業利益500億円の達成を掲げている。これは2006年三月期の営業利益154億円の三倍以上だ。この目標を達成するためにも、オンラインゲーム部門にはしっかりと貢献してもらう必要がある。
そういった経営側からの要望も含めて考えると、FF11の活性化策として用いられる方法は“思い切った冒険”ではなく、続編の投入という現実的な手段では無いだろうか。
FF11に残された「フロンティア」はそう多くはない。あと数年で使い果たしてしまうだろう。時間的な余裕もなく、冒険をできる環境にもないFF11が、従来通りの新しいプラットフォームや地域の出現に頼る成長を続けるのであれば、FF11の続編がそう遠くない未来にお目見えすることになるだろう。(おわり)
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2006年08月06日
2006年08月03日
「ファイナルファンタジーXI(11)の成長は、もう限界なのか?」part4(2006.8.3)
今回は国内最大級のオンラインゲームであるファイナルファンタジーXI(FF11)に焦点をあててみたいと思います。急成長と高利益率をもたらすオンラインゲームはゲーム業界に大きな恩恵を与えているのですが、そのFF11に今、異変が起こっているのではないか、と様々な資料から推測しております。
このシリーズは文字のみのメールマガジンでは伝えることが出来なかった図表などを活用し、FF11が抱えている問題点を洗い出してみたいと思います。
今回は、その第四回目となります。
第四章:「階段状の上昇」
FF11の急成長は、常に多くのユーザーが新たに会員となってきたことで生み出されたものである。しかし、現状を見る限り会員数の増加傾向に歯止めが掛かりつつある。では、これからもFF11の成長速度は鈍化したままなのだろうか。
そこで、FF11がこれまでどのように会員数を増やしてきたのかを改めて理解したいと思う。下記の図表に示したのはFF11の会員数増加の推移である。図表の時間軸はなるべく半年間隔で作成してあるが、多少のずれが生じている。これは会社側が定期的に会員数を公表しているわけではないために、このような形になることをご理解頂きたい。
さて、図表を見ると順調に右肩上がりの増加を記録しているように見える。だが、大きく会員数を伸ばした時期には必ずと言って良いほど、何らかの起爆剤があったことを忘れてはならない。
1.2002年5月にサービスが開始された直後に5万人以上の会員数を一挙に獲得し垂直的なスタートを切ったFF11だが、同年11月には会員数は三倍以上となっている。その時期には11月初旬にWindows版が発売され、プラットフォームがプレイステーション2(PS2)以外に広がった。
2.翌2003年5月には会員数が25万人に増加しているが、その前月の4月には拡張版「ジラートの幻影」が発売されている。
3.さらに12月には43万人の会員数に急増しているが、同年10月から北米地域においてWindows版が発売されている。
4.2004年4月には会員数は50万人の大台に乗せているが、4月より前に北米地域でプラットフォームがPS2にも拡大されている。
5.2004年9月に会員数が55万人となっているが、9月に欧州地域でのサービス開始され、北米地域においては拡張版ディスク「プロマシアの呪縛」が発売されている。
つまり、FF11が会員数を大きく伸ばした時期には、必ずと言って良いほど新しいプラットフォームや地域でのサービス開始や、拡張版ディスクの発売があったのだ。特に新しいプラットフォームへの進出や、北米や欧州などへサービスを供給する際には新規ユーザーを多く引き込むことができたと、FF11プロデューサーである田中弘道氏は語る。
プラットフォームやサービス提供地域の増加が、新規ユーザーを確保できる有力な手段だと考えると、FF11がなぜここ数年会員数が伸び悩みつつあるのかが理解できる。国内において家庭用ゲーム機とWindows版において既に供給を済ませ、巨大な市場である北米と欧州でもサービスを開始してしまっているのだ。これでは、新規会員が大幅に伸びるはずもない。
要するにFF11がこれからも成長をしていくためには、新しいプラットフォームやサービス提供地域を如何に確保できるかが鍵になるのだ。短期的には今年4月からXbox360向けに供給を開始し、さらには2006年末にプレイステーション3の登場も予定されているのだから、停滞気味のFF11の成長が2006年度から2007年度にかけて再加速する可能性が高い。
7月に発表されたスクウェア・エニックスの2007年第一四半期の決算では、オンラインゲーム部門の売上高が前年同期比約60%以上の大幅な伸びを記録した。これはXbox360の存在が大きく影響しているのだろう。
Xbox360とPS3の存在により目先の成長は何とか確保できそうなFF11だが、ではそこから先の長期的な展望はあるのだろうか。次回はFF11が抱えているこの構造的な問題にスクウェア・エニックスがどのように対処するのかを考えてみたい。
【図表作成には以下の資料を活用】
【SOFTBANK GAMES】「スクウェア,PC版「FF XI」を今期中に発売へ」
http://plusd.itmedia.co.jp/games/gsnews/0206/06/news10.html
【ゲームクエスト】「FF11のウィンドウズ版は11万本、うち会員数5万人 スクウェア」
http://www.mainichi.co.jp/life/hobby/game/news/news/2002/11/29-3.html
【ファミ通.com】「『ファイナルファンタジーXI』の会員数が50万人を突破」
http://www.famitsu.com/game/news/2004/04/19/103,1082346138,23965,0,0.html
「スクウェア・エニックス 戦略説明会資料 2003年5月29日開催」
「スクウェア・エニックス 2003年3月期中間決算説明会資料 2003年11月20日開催」
「スクウェア・エニックス 2005年3月期中間決算説明会資料 2004年11月19日開催」
【その他参考資料】
「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」
「スクウェア・エニックス 2007年3月期第一四半期財務・業績の概況」
注4・・・「GAME Watch」「ファイナルファンタジー XI」開発者インタビュー
「アトルガンの秘宝」の魅力と、発売以降のアップデートの方向性を聞く」http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060419/ffxi.htm
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今回は、その第四回目となります。
第四章:「階段状の上昇」
FF11の急成長は、常に多くのユーザーが新たに会員となってきたことで生み出されたものである。しかし、現状を見る限り会員数の増加傾向に歯止めが掛かりつつある。では、これからもFF11の成長速度は鈍化したままなのだろうか。
そこで、FF11がこれまでどのように会員数を増やしてきたのかを改めて理解したいと思う。下記の図表に示したのはFF11の会員数増加の推移である。図表の時間軸はなるべく半年間隔で作成してあるが、多少のずれが生じている。これは会社側が定期的に会員数を公表しているわけではないために、このような形になることをご理解頂きたい。
さて、図表を見ると順調に右肩上がりの増加を記録しているように見える。だが、大きく会員数を伸ばした時期には必ずと言って良いほど、何らかの起爆剤があったことを忘れてはならない。
1.2002年5月にサービスが開始された直後に5万人以上の会員数を一挙に獲得し垂直的なスタートを切ったFF11だが、同年11月には会員数は三倍以上となっている。その時期には11月初旬にWindows版が発売され、プラットフォームがプレイステーション2(PS2)以外に広がった。
2.翌2003年5月には会員数が25万人に増加しているが、その前月の4月には拡張版「ジラートの幻影」が発売されている。
3.さらに12月には43万人の会員数に急増しているが、同年10月から北米地域においてWindows版が発売されている。
4.2004年4月には会員数は50万人の大台に乗せているが、4月より前に北米地域でプラットフォームがPS2にも拡大されている。
5.2004年9月に会員数が55万人となっているが、9月に欧州地域でのサービス開始され、北米地域においては拡張版ディスク「プロマシアの呪縛」が発売されている。
つまり、FF11が会員数を大きく伸ばした時期には、必ずと言って良いほど新しいプラットフォームや地域でのサービス開始や、拡張版ディスクの発売があったのだ。特に新しいプラットフォームへの進出や、北米や欧州などへサービスを供給する際には新規ユーザーを多く引き込むことができたと、FF11プロデューサーである田中弘道氏は語る。
『今まで会員数がどっかり増えたのは、新しいプラットフォームへ展開したときです。たとえばPS2からWindows版、それから新しい地域でのサービス、北米での展開といった時にドカンドカンと増えるんですね』(注4)
プラットフォームやサービス提供地域の増加が、新規ユーザーを確保できる有力な手段だと考えると、FF11がなぜここ数年会員数が伸び悩みつつあるのかが理解できる。国内において家庭用ゲーム機とWindows版において既に供給を済ませ、巨大な市場である北米と欧州でもサービスを開始してしまっているのだ。これでは、新規会員が大幅に伸びるはずもない。
要するにFF11がこれからも成長をしていくためには、新しいプラットフォームやサービス提供地域を如何に確保できるかが鍵になるのだ。短期的には今年4月からXbox360向けに供給を開始し、さらには2006年末にプレイステーション3の登場も予定されているのだから、停滞気味のFF11の成長が2006年度から2007年度にかけて再加速する可能性が高い。
7月に発表されたスクウェア・エニックスの2007年第一四半期の決算では、オンラインゲーム部門の売上高が前年同期比約60%以上の大幅な伸びを記録した。これはXbox360の存在が大きく影響しているのだろう。
Xbox360とPS3の存在により目先の成長は何とか確保できそうなFF11だが、ではそこから先の長期的な展望はあるのだろうか。次回はFF11が抱えているこの構造的な問題にスクウェア・エニックスがどのように対処するのかを考えてみたい。
【図表作成には以下の資料を活用】
【SOFTBANK GAMES】「スクウェア,PC版「FF XI」を今期中に発売へ」
http://plusd.itmedia.co.jp/games/gsnews/0206/06/news10.html
【ゲームクエスト】「FF11のウィンドウズ版は11万本、うち会員数5万人 スクウェア」
http://www.mainichi.co.jp/life/hobby/game/news/news/2002/11/29-3.html
【ファミ通.com】「『ファイナルファンタジーXI』の会員数が50万人を突破」
http://www.famitsu.com/game/news/2004/04/19/103,1082346138,23965,0,0.html
「スクウェア・エニックス 戦略説明会資料 2003年5月29日開催」
「スクウェア・エニックス 2003年3月期中間決算説明会資料 2003年11月20日開催」
「スクウェア・エニックス 2005年3月期中間決算説明会資料 2004年11月19日開催」
【その他参考資料】
「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」
「スクウェア・エニックス 2007年3月期第一四半期財務・業績の概況」
注4・・・「GAME Watch」「ファイナルファンタジー XI」開発者インタビュー
「アトルガンの秘宝」の魅力と、発売以降のアップデートの方向性を聞く」http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060419/ffxi.htm
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2006年08月01日
「ファイナルファンタジーXI(11)の成長は、もう限界なのか?」part3(2006.8.1)
今回は国内最大級のオンラインゲームであるファイナルファンタジーXI(FF11)に焦点をあててみたいと思います。急成長と高利益率をもたらすオンラインゲームはゲーム業界に大きな恩恵を与えているのですが、そのFF11に今、異変が起こっているのではないか、と様々な資料から推測しております。
このシリーズは文字のみのメールマガジンでは伝えることが出来なかった図表などを活用し、FF11が抱えている問題点を洗い出してみたいと思います。
今回は、その第三回目となります。
第三章:「新規会員数の停滞」
2002年5月のサービス開始以来、ファイナルファンタジーXI(FF11)の会員数は順調に増加し、わずか二年足らずで50万人を突破した。時折スクウェア・エニックスより公表されることがある会員数の推移を見ると、かなりの勢いでユーザーが急増していたことが分かる。
それを裏付けるのがスクウェア・エニックスのオンラインゲーム部門の伸びである。FF11は同部門の中心的存在であるため、会員数の伸びが売上高の増加に直結する。FF11のサービスが開始された2003年三月期には売上高が約41億円であったものが、50万人を突破した2005年三月期になると実に売上高約138億円にまで大幅に増加している。
全体の売上高は毎月の利用料とゲームソフトの売上から構成されるのだが、その大きな部分を占めるのが前者である。スクウェア・エニックスはそれを「課金収入」と表現するが、2004年9月中間期において『 「ディスクの売上収入」対「課金収入」が大まかに1:3』(注2)であることを明らかにしている。
そのため、基本的には会員数の増加がオンラインゲーム部門の売上高を急増させたと考えて良い。しかしながら、2006年3月期の売上高は前期比わずか18億円のプラスに留まり、今期2007年三月期のオンラインゲーム部門の売上高は会社側の予測によると減収になるとの見通しである。
オンラインゲーム部門において増収率の鈍化傾向が徐々に鮮明化している事が数字から見て取れるが、その原因のひとつとして考えられるのがFF11へ流入する新規会員数の停滞ではないだろうか。
同社の経営陣は2005年三月期の決算説明会において『オンラインゲーム事業は、現在はFFXI が安定期に入り、どんどん効率的になっております』(注3)と述べているが、これは会員数の急激な増加が終わりつつあることを単に「安定期である」と言い換えただけと思われる。
なぜなら、それを裏付けるものとしてFF11プロデューサーである田中弘道氏は現状の会員数について以下のように発言しているからだ。
オンラインゲーム事業の売上高と経営陣、それに開発陣のこの言葉から推測できることは、FF11の急激な会員数の増加が終わりつつあるという事実ではないだろうか。
では、FF11の会員数の増加は本当に止まってしまったのか。次回はその点を探ってみることにしたい
注2・・・スクウェア・エニックス 2004年9月中間期決算説明会資料
注3・・・スクウェア・エニックス 2005年三月期決算説明会資料
注4・・・【GAME Watch】 『「ファイナルファンタジー XI」開発者インタビュー
「アトルガンの秘宝」の魅力と、発売以降のアップデートの方向性を聞く』http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060419/ffxi.htm
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☆【当該記事への評価をする】
このシリーズは文字のみのメールマガジンでは伝えることが出来なかった図表などを活用し、FF11が抱えている問題点を洗い出してみたいと思います。
今回は、その第三回目となります。
第三章:「新規会員数の停滞」
2002年5月のサービス開始以来、ファイナルファンタジーXI(FF11)の会員数は順調に増加し、わずか二年足らずで50万人を突破した。時折スクウェア・エニックスより公表されることがある会員数の推移を見ると、かなりの勢いでユーザーが急増していたことが分かる。
それを裏付けるのがスクウェア・エニックスのオンラインゲーム部門の伸びである。FF11は同部門の中心的存在であるため、会員数の伸びが売上高の増加に直結する。FF11のサービスが開始された2003年三月期には売上高が約41億円であったものが、50万人を突破した2005年三月期になると実に売上高約138億円にまで大幅に増加している。
全体の売上高は毎月の利用料とゲームソフトの売上から構成されるのだが、その大きな部分を占めるのが前者である。スクウェア・エニックスはそれを「課金収入」と表現するが、2004年9月中間期において『 「ディスクの売上収入」対「課金収入」が大まかに1:3』(注2)であることを明らかにしている。
そのため、基本的には会員数の増加がオンラインゲーム部門の売上高を急増させたと考えて良い。しかしながら、2006年3月期の売上高は前期比わずか18億円のプラスに留まり、今期2007年三月期のオンラインゲーム部門の売上高は会社側の予測によると減収になるとの見通しである。
オンラインゲーム部門において増収率の鈍化傾向が徐々に鮮明化している事が数字から見て取れるが、その原因のひとつとして考えられるのがFF11へ流入する新規会員数の停滞ではないだろうか。
同社の経営陣は2005年三月期の決算説明会において『オンラインゲーム事業は、現在はFFXI が安定期に入り、どんどん効率的になっております』(注3)と述べているが、これは会員数の急激な増加が終わりつつあることを単に「安定期である」と言い換えただけと思われる。
なぜなら、それを裏付けるものとしてFF11プロデューサーである田中弘道氏は現状の会員数について以下のように発言しているからだ。
『この1〜2年というのはユーザーさんの数が増えも減りもしないんです。毎日数字を取っているんですが、月末はウェブマネーでドッと減るんですけれども、また戻ってくる。だから前月の13日と今月の13日を比べるとまったく同じ数なんです。差が1%以内なので、ちょっと安定しすぎかなと。
4年もたったRPGとしては喜ばしいことではありますが、新しいユーザーさんを獲得できていないとも思います。実際わからないですけどね。やめていく人もいれば新しく始める人もいてバランス取れているのか、ずっと同じ人達がやり続けているのか詳しくはわからないですが』(注4)
オンラインゲーム事業の売上高と経営陣、それに開発陣のこの言葉から推測できることは、FF11の急激な会員数の増加が終わりつつあるという事実ではないだろうか。
では、FF11の会員数の増加は本当に止まってしまったのか。次回はその点を探ってみることにしたい
注2・・・スクウェア・エニックス 2004年9月中間期決算説明会資料
注3・・・スクウェア・エニックス 2005年三月期決算説明会資料
注4・・・【GAME Watch】 『「ファイナルファンタジー XI」開発者インタビュー
「アトルガンの秘宝」の魅力と、発売以降のアップデートの方向性を聞く』http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060419/ffxi.htm
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2006年07月31日
「ファイナルファンタジーXI(11)の成長は、もう限界なのか?」part2(2006.7.31)
今回は国内最大級のオンラインゲームであるファイナルファンタジーXI(FF11)に焦点をあててみたいと思います。急成長と高利益率をもたらすオンラインゲームはゲーム業界に大きな恩恵を与えているのですが、そのFF11に今、異変が起こっているのではないか、と様々な資料から推測しております。
このシリーズは文字のみのメールマガジンでは伝えることが出来なかった図表などを活用し、FF11が抱えている問題点を洗い出してみたいと思います。
今回は、その第二回目となります。
第二章:「鈍化懸念」
スクウェア・エニックスのオンラインゲーム部門は非常に優秀な業績を残している。過去数年間の業績推移を見てみると、年を追うごとに利益率も上がり、利益額も増加している(前回掲載の図表を参照)。一見すると、何の問題もないように映るが、ひとつ気に掛かることがある。それが売上の増加額である。ここからはオンラインゲーム部門の売上高と営業利益の推移を掲載した図表をご覧頂きたい。
同部門が黒字化を果たしたのは2004年3月期だが、前年比約47億円の増加を記録している。翌2005年3月期の売上高は、そこからさらに約49億円の上積みがあった。ここまでは高い成長性を記録したFF11だったが、その実績を踏まえれば前年度比わずか約18億円増加した約138億円でしかない2006年3月期の売上高は、かなり物足りないものと言えるだろう。
だが、売上高が増加傾向にある間はまだ良い方だ。スクウェア・エニックスが計画した今期2007年3月期の売上高は一転して、前年比約17億円のマイナスに落ち込んでいるのだ。
もちろん、この数字はソフトの販売額(ディスクの売上収入)も含めたものであるから、拡張版などの発売時期の影響によって見かけの上で、数字が減少しているだけなのかも知れない。さらに言えば、スクウェア・エニックスが提示した数字は、かなり保守的に見積もった控えめの予想である可能性も十分に考えられる。2007年3月期が終わってみれば、結局は増収増益だったと発表することは大いに有り得るだろう。
だが、売上高の推移だけを見れば急激な成長にストップが掛かりつつあるのは事実である。高い成長性が期待され、それを見事に実現してきた国内トップレベルのオンラインゲームであるはずのFF11に、いま何が起こっているのだろうか。
参考資料・・・「スクウェア・エニックス 2004年三月期〜2006年三月期決算短信」
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このシリーズは文字のみのメールマガジンでは伝えることが出来なかった図表などを活用し、FF11が抱えている問題点を洗い出してみたいと思います。
今回は、その第二回目となります。
第二章:「鈍化懸念」
スクウェア・エニックスのオンラインゲーム部門は非常に優秀な業績を残している。過去数年間の業績推移を見てみると、年を追うごとに利益率も上がり、利益額も増加している(前回掲載の図表を参照)。一見すると、何の問題もないように映るが、ひとつ気に掛かることがある。それが売上の増加額である。ここからはオンラインゲーム部門の売上高と営業利益の推移を掲載した図表をご覧頂きたい。
同部門が黒字化を果たしたのは2004年3月期だが、前年比約47億円の増加を記録している。翌2005年3月期の売上高は、そこからさらに約49億円の上積みがあった。ここまでは高い成長性を記録したFF11だったが、その実績を踏まえれば前年度比わずか約18億円増加した約138億円でしかない2006年3月期の売上高は、かなり物足りないものと言えるだろう。
だが、売上高が増加傾向にある間はまだ良い方だ。スクウェア・エニックスが計画した今期2007年3月期の売上高は一転して、前年比約17億円のマイナスに落ち込んでいるのだ。
もちろん、この数字はソフトの販売額(ディスクの売上収入)も含めたものであるから、拡張版などの発売時期の影響によって見かけの上で、数字が減少しているだけなのかも知れない。さらに言えば、スクウェア・エニックスが提示した数字は、かなり保守的に見積もった控えめの予想である可能性も十分に考えられる。2007年3月期が終わってみれば、結局は増収増益だったと発表することは大いに有り得るだろう。
だが、売上高の推移だけを見れば急激な成長にストップが掛かりつつあるのは事実である。高い成長性が期待され、それを見事に実現してきた国内トップレベルのオンラインゲームであるはずのFF11に、いま何が起こっているのだろうか。
参考資料・・・「スクウェア・エニックス 2004年三月期〜2006年三月期決算短信」
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2006年07月30日
「ファイナルファンタジーXI(11)の成長は、もう限界なのか?」part1(2006.7.30)
今回は国内最大級のオンラインゲームであるファイナルファンタジーXI(FF11)に焦点をあててみたいと思います。急成長と高利益率をもたらすオンラインゲームはゲーム業界に大きな恩恵を与えているのですが、そのFF11に今、異変が起こっているのではないか、と様々な資料から推測しております。
このシリーズは文字のみのメールマガジンでは伝えることが出来なかった図表などを活用し、FF11が抱えている問題点を洗い出してみたいと思います。
今回は、その第一回目となります。
第一章:「続編開発か?」
2006年7月17日の日本経済新聞において、スクウェア・エニックスがファイナルファンタジーXI(FF11)の続編を開発すると報じられた。報道によると、これから登場する次世代ゲーム機プレイステーション3(PS3)と既に発売中のXbox360、それに2007年に発売予定のパソコン用の基本ソフト「Windows Vista」向けにFF11の続編を開発するという。
この報道に、スクウェア・エニックスは即座に否定的な反応をした。同社のプレスリリースによると『当社は現在、次世代プラットフォーム(ゲーム専用機、OS 等を含む)に向け、多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)を研究開発しておりますが、完全な新作として開発しております』(注1)とあり、『かかる報道につきましては当社において発表したものではなく、また、そのような決定を行った事実はございません』(同)との見解を示した。
FF11には国内だけではなく、北米や欧州などに2004年の時点で50万人を超えるほどの数多くのユーザーがいる。無料会員ではなく、毎月の利用料を支払う意志のある会員をこれほどまで獲得したFF11の存在はスクウェア・エニックスにとって大きな利益をもたらすゲームとなっている。
スクウェア・エニックスが行っている事業は2006年3月期の時点で大まかに6つほどあるが、その中でオンラインゲーム部門は利益率が他の事業分野と比べても格段に高く、利益額もゲームソフト部門(約96億円)に次いで59億円を稼ぎ出す優良部門となっている。
下記図表には2003年三月期から2007年三月期までの営業利益と営業利益率の推移が載せてあるが、これを見ると如何にオンラインゲーム部門が急成長を高利益率を両立させているのかが分かる。
同社が提供するオンラインゲームはFF11以外にも複数あるが、事実上同部門を支えているのは、多数の会員を抱えるFF11だと言い切っても過言ではない。こうした事実を見れば、スクウェア・エニックスには続編を敢えて開発する理由が無いことが分かる。同社が日本経済新聞の報道を否定するのも当然であろう。しかし、そのFF11にも死角は存在する。そのひとつが成長性鈍化の懸念だ。(つづく)
注1・・・「スクウェア・エニックス プレスリリース」2006 年 7 月 18 日
参考資料・・・「スクウェア・エニックス 2006年三月期決算短信」
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今回は、その第一回目となります。
第一章:「続編開発か?」
2006年7月17日の日本経済新聞において、スクウェア・エニックスがファイナルファンタジーXI(FF11)の続編を開発すると報じられた。報道によると、これから登場する次世代ゲーム機プレイステーション3(PS3)と既に発売中のXbox360、それに2007年に発売予定のパソコン用の基本ソフト「Windows Vista」向けにFF11の続編を開発するという。
この報道に、スクウェア・エニックスは即座に否定的な反応をした。同社のプレスリリースによると『当社は現在、次世代プラットフォーム(ゲーム専用機、OS 等を含む)に向け、多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)を研究開発しておりますが、完全な新作として開発しております』(注1)とあり、『かかる報道につきましては当社において発表したものではなく、また、そのような決定を行った事実はございません』(同)との見解を示した。
FF11には国内だけではなく、北米や欧州などに2004年の時点で50万人を超えるほどの数多くのユーザーがいる。無料会員ではなく、毎月の利用料を支払う意志のある会員をこれほどまで獲得したFF11の存在はスクウェア・エニックスにとって大きな利益をもたらすゲームとなっている。
スクウェア・エニックスが行っている事業は2006年3月期の時点で大まかに6つほどあるが、その中でオンラインゲーム部門は利益率が他の事業分野と比べても格段に高く、利益額もゲームソフト部門(約96億円)に次いで59億円を稼ぎ出す優良部門となっている。
下記図表には2003年三月期から2007年三月期までの営業利益と営業利益率の推移が載せてあるが、これを見ると如何にオンラインゲーム部門が急成長を高利益率を両立させているのかが分かる。
(※・・・単位は百万円。2007年三月期の数字は期初の予想数字である)
同社が提供するオンラインゲームはFF11以外にも複数あるが、事実上同部門を支えているのは、多数の会員を抱えるFF11だと言い切っても過言ではない。こうした事実を見れば、スクウェア・エニックスには続編を敢えて開発する理由が無いことが分かる。同社が日本経済新聞の報道を否定するのも当然であろう。しかし、そのFF11にも死角は存在する。そのひとつが成長性鈍化の懸念だ。(つづく)
注1・・・「スクウェア・エニックス プレスリリース」2006 年 7 月 18 日
参考資料・・・「スクウェア・エニックス 2006年三月期決算短信」
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