当該記事は、2002年9月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxの現状 〜普及への長期戦略〜」の第四章(最終章)です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第四章:「虎視耽耽」
Xboxが現状、不振に陥っている原因をどこかに求めるとすれば、それはMSの対応の遅さに一因がある。だが、それを肯定的に捉えればMSの戦略が慎重になっているためだと言うことができる。
オンラインゲームに力を入れているXboxの高性能さと現状のオンラインゲーム市場の未成熟さが生み出すアンバランスを時間が埋めてくれるまでMSは慎重に事を運ぶと予測できる。なぜなら、ゲーム(オンラインゲーム)以外にXbox普及を後押しする要素は何も無いのだから。
PS2が市場に広く普及した理由のひとつとしてDVD再生機能がついていたことは見逃せない要素だ。ゲームだけではなく、その他の用途にも使えるハードだったからこそ発売当初、対応ソフトがそれほど無くても数百万台単位で売れていったのだ。ゲームがプレイできるという特長以外にも、ハードに魅力があったからこそ普及を大きく促したのである。
Xboxも同様にDVD再生機能を付けて発売したが、すでにDVD機能を有したPS2が数百万台単位で普及した後であれば、Xboxのハード自体の魅力は薄れてしまう。そのためDVD再生機能を付けていてもあまり普及の手助けにはならなかったのである。だが、MSが実行している慎重策からはハード普及の原動力をオンラインゲームに求めていると感じ取れる。いわばXboxにとってDVD再生機能はおまけなのだ。
MSの慎重策は一方でとても時間が必要な戦略であるというマイナス面を持っている。そのマイナスは確かに小さくない。しかし、Xboxのターゲットは20 代前後、詳しく言えば18〜35才までの若年層だ。この層が主要なユーザーになるのであれば、MSの戦略も有効となる。それは購買力が10代のものと比べると高く、それだけゲーム機の乗り換えをし易い立場にあるからだ。
逆に低年齢層をターゲットにしていれば、彼らの購買力が相対的に見劣りするために、こういった戦略は機能しない可能性が高い。購買力が低ければ“囲い込む”ことができるが、その反対では囲い込みは難しいのだ。乗り換えコストが他の層より下がっている年齢層を狙ったMSは計算高いと言えるだろう。
そもそも、世界最大のソフトメーカーがあっさりゲーム業界で敗北するわけが無い。全世界での普及台数(390万台)は下方修正した数字とはいえ、それを達成するところまでXboxを普及させているのはMSの底力を見た思いがする。
期待していた日本では30万台前後と不振に陥っているが、MSは焦っている様子は無い。むしろ、それを挽回するくらいの長期戦略を練っているのではないかと思えるぐらいだ。MSが仕掛けた長い戦いはまだまだ始まったばかりなのである。(おわり)
2007年07月22日
2007年07月21日
過去のコラム編集:2002年9月「Xboxの現状 〜普及への長期戦略〜」Part3
当該記事は、2002年9月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxの現状 〜普及への長期戦略〜」の第三章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第三章:「長期戦略」
MSの対応に機敏さが欠けていたからこそ、これまでXboxは苦戦を強いられている。だが、MSはどうして迅速に行動しないのだろうか。もちろん、外部の人間からは窺い知れない社内的な問題等が原因となっていることも十分にありえるが、ここではかなり肯定的に考えたい。つまり、MSの行動は“機敏さに欠ける”わけではなく、“手堅い”ものであると。その理由は、わずか20年程度で世界最大のソフトメーカーへと急成長したMSの過去の実績を考慮したからに他ならない。
スピードが問われ、迅速に行動できることが尊ばれるゲーム業界で、MSはひとり慎重に事を運んでいる。先行者有利だと指摘される業界ではMSのこれまでの行動は緩慢と言われても仕方が無い。だが、MSが緩慢なのは、Xboxの成功を短期間で達成しようとは考えずに長い時間をかけて普及させようとしているからではないか。それはXboxがオンラインゲームに非常に強いハードであることと無関係ではないだろう。
各種調査によれば、オンラインゲーム市場は2005年前後までに一大市場になっているという。それを信じるのであれば、オンラインゲームの将来はとても明るいものになる。だが、惜しむらくはそれが数年後ということだ。『ネットゲームの本格的な普及には、あと三年は必要だろう』(2002年2月4日日本経済新聞)とカプコン辻本社長も予想をする。オンラインゲームは一大市場になるが、それが本当に実現するのは数年先。となるとMSが慎重に行動する理由もおぼろげながら見えてくる。
オンラインゲームがあってこそXboxの魅力が際立つが、同市場が小さければ小さいほど同機の良さがユーザーに伝わらず、普及に長い時間を要するのは明らかである。それは日本市場の惨状を見れば理解できよう。ならば、いま急いで手を打った所でXboxは急に売れるようになるだろうか。
それよりも、今はあえて機敏に動かずに相手の戦略をじっくり研究し、将来訪れるであろうオンラインゲーム全盛期にXboxが活躍できるような手を打てるように時間をかけて準備した方が良い、とMSが考えたとしてもおかしくは無いだろう。物事には先行者有利の局面もあれば、後発が有利になる場面もある。後発の有利さを、オンラインゲーム全盛期で遺憾なく発揮するためには今は一歩遅れる必要があるのだ。
こうしたMSの慎重な戦略を可能にしているのが、Xboxの主要購買層の年齢だ。Xboxの対象年齢はおもに20代前後の若年層をターゲットにしている。この層は10代前半のような低年齢層と違ってゲーム機を複数保有できる購買力を容易に持っている。『ゲーム機は冷蔵庫のように壊れなければ2台目を買わないというものではない』(2002年5月31日毎日新聞)といった発言は20代前後の若年層にもっとも当てはまる。面白いゲームがあれば、すでにゲーム機を持っていたとしても若年層ユーザーはお金を出すのだ。
ならば、ゲーム業界にトップを走る先行者がいたとしても、彼らが必ずしも絶対的に有利な立場にあるとは言えなくなってくる。購買力があるユーザーをターゲットにすることで、後発組でも先行者を逆転できる可能性があるのだ。MSはこうしたことも踏まえて、十分逆転できると判断したからこそ“慎重な戦略”を実行しているのだろう。オンラインゲーム市場の未発達と主要ユーザー層の購買力が、MSの行動原理を作り出したのである。(つづく)
最終章:「虎視耽耽」へ続く
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第三章:「長期戦略」
MSの対応に機敏さが欠けていたからこそ、これまでXboxは苦戦を強いられている。だが、MSはどうして迅速に行動しないのだろうか。もちろん、外部の人間からは窺い知れない社内的な問題等が原因となっていることも十分にありえるが、ここではかなり肯定的に考えたい。つまり、MSの行動は“機敏さに欠ける”わけではなく、“手堅い”ものであると。その理由は、わずか20年程度で世界最大のソフトメーカーへと急成長したMSの過去の実績を考慮したからに他ならない。
スピードが問われ、迅速に行動できることが尊ばれるゲーム業界で、MSはひとり慎重に事を運んでいる。先行者有利だと指摘される業界ではMSのこれまでの行動は緩慢と言われても仕方が無い。だが、MSが緩慢なのは、Xboxの成功を短期間で達成しようとは考えずに長い時間をかけて普及させようとしているからではないか。それはXboxがオンラインゲームに非常に強いハードであることと無関係ではないだろう。
各種調査によれば、オンラインゲーム市場は2005年前後までに一大市場になっているという。それを信じるのであれば、オンラインゲームの将来はとても明るいものになる。だが、惜しむらくはそれが数年後ということだ。『ネットゲームの本格的な普及には、あと三年は必要だろう』(2002年2月4日日本経済新聞)とカプコン辻本社長も予想をする。オンラインゲームは一大市場になるが、それが本当に実現するのは数年先。となるとMSが慎重に行動する理由もおぼろげながら見えてくる。
オンラインゲームがあってこそXboxの魅力が際立つが、同市場が小さければ小さいほど同機の良さがユーザーに伝わらず、普及に長い時間を要するのは明らかである。それは日本市場の惨状を見れば理解できよう。ならば、いま急いで手を打った所でXboxは急に売れるようになるだろうか。
それよりも、今はあえて機敏に動かずに相手の戦略をじっくり研究し、将来訪れるであろうオンラインゲーム全盛期にXboxが活躍できるような手を打てるように時間をかけて準備した方が良い、とMSが考えたとしてもおかしくは無いだろう。物事には先行者有利の局面もあれば、後発が有利になる場面もある。後発の有利さを、オンラインゲーム全盛期で遺憾なく発揮するためには今は一歩遅れる必要があるのだ。
こうしたMSの慎重な戦略を可能にしているのが、Xboxの主要購買層の年齢だ。Xboxの対象年齢はおもに20代前後の若年層をターゲットにしている。この層は10代前半のような低年齢層と違ってゲーム機を複数保有できる購買力を容易に持っている。『ゲーム機は冷蔵庫のように壊れなければ2台目を買わないというものではない』(2002年5月31日毎日新聞)といった発言は20代前後の若年層にもっとも当てはまる。面白いゲームがあれば、すでにゲーム機を持っていたとしても若年層ユーザーはお金を出すのだ。
ならば、ゲーム業界にトップを走る先行者がいたとしても、彼らが必ずしも絶対的に有利な立場にあるとは言えなくなってくる。購買力があるユーザーをターゲットにすることで、後発組でも先行者を逆転できる可能性があるのだ。MSはこうしたことも踏まえて、十分逆転できると判断したからこそ“慎重な戦略”を実行しているのだろう。オンラインゲーム市場の未発達と主要ユーザー層の購買力が、MSの行動原理を作り出したのである。(つづく)
最終章:「虎視耽耽」へ続く
2007年07月19日
過去のコラム編集:2002年9月「Xboxの現状 〜普及への長期戦略〜」Part2
当該記事は、2002年9月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxの現状 〜普及への長期戦略〜」の第二章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
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第二章:「MSの失敗」
新参者であるMSが満を持して投入したXbox。しかし、日本市場ではかなりの苦戦を強いられている。その原因のひとつとして考えられるのがMSのユックリズムであろう。
それを顕著に見て取れるのが、価格改定の遅さである。MSは日本を始めとした各市場で、Xboxの販売価格を引き下げるよう動いたが、すべてPS2の値下げが決定された後での行動だった。今年の5月14日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)がPS2のオープン価格化を公表し、実質値下げに踏み切った翌日、それに追随する形でXboxの大幅値下げを行うと発表をしたことがある。
しかし、値下げ前の本体価格はPS2よりもXboxの方が高かったのであるし、普及台数も圧倒的大差がついていたのだから、普通であればMS側が先に仕掛けるべき価格競争だったはずではなかったか。それなのにSCEの出方を見てから、一歩遅れてMSは行動を起こしたのだ。
確かに、わずか1日の差ではある。見方によっては、SCEに遅れることわずか1日で価格を改定できるのだから、MSは素早い反応をしたと評することもできるが「PS2より後に価格を引き下げた」という印象は拭えない。
同様のことは8月にもあった。舞台を欧州に移してSCEとMSが一日違いで相次いで価格改定の発表を行ったのだが、PS2の後追いでXboxが価格を引き下げるという構図はまったく同じであった。MS側から見れば、Xboxの価格改定はSCEの影響を受けたわけではないと反論するだろうが、二度も同じことが続けば周りはそう判断しないだろう。
価格以外の面でもMSのユックリズムを確認できる。Xboxの最大の売りであるオンラインゲームを提供するサービスがPS2よりも遅れて始まることもそのひとつであろう。オンラインを武器に登場しながら、発売以来それを有効活用できない状況をMSは作ってしまっている。
様々な要素によりサービスを提供できない理由が数多くあるだろうが、いずれにしろ一足先にオンラインゲームの提供をしているPS2はその分だけ先行してしまっている。MSは、普及台数でもオンラインゲームでも遅れをとったXboxをどう考えているのだろう。
そもそも、MSのユックリズムは発売前からあったとも言える。当初、Xboxは全世界同時発売が予定されていたはずだったが、実際は北米市場のみが先行発売になってしまっている。MSのバック上級副社長は『北米と日本のように巨大な市場をいっしょに立ち上げるのは難しい。…一つ一つの市場にフォーカスしたほうが良い結果が出せる』(2001年11月20日日経産業新聞)と話し、日本市場を後回しにした方が最終的に良い結果がでると判断していたが、大浦Xbox事業部長は多少不安視していたようで『年末商戦を見逃すのは痛い』(2001年8月28日同紙)とも語っていた。
結果から見れば、大浦氏の不安が当たったことになっているが、こうした結果を生み出したのはMSの対応がはっきり言って“呑気” だったからだろう。
では、どうしてMSはこれだけ遅れて動いているのだろうか。(つづく)
→第3章「長期戦略」へ続く
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第二章:「MSの失敗」
新参者であるMSが満を持して投入したXbox。しかし、日本市場ではかなりの苦戦を強いられている。その原因のひとつとして考えられるのがMSのユックリズムであろう。
それを顕著に見て取れるのが、価格改定の遅さである。MSは日本を始めとした各市場で、Xboxの販売価格を引き下げるよう動いたが、すべてPS2の値下げが決定された後での行動だった。今年の5月14日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)がPS2のオープン価格化を公表し、実質値下げに踏み切った翌日、それに追随する形でXboxの大幅値下げを行うと発表をしたことがある。
しかし、値下げ前の本体価格はPS2よりもXboxの方が高かったのであるし、普及台数も圧倒的大差がついていたのだから、普通であればMS側が先に仕掛けるべき価格競争だったはずではなかったか。それなのにSCEの出方を見てから、一歩遅れてMSは行動を起こしたのだ。
確かに、わずか1日の差ではある。見方によっては、SCEに遅れることわずか1日で価格を改定できるのだから、MSは素早い反応をしたと評することもできるが「PS2より後に価格を引き下げた」という印象は拭えない。
同様のことは8月にもあった。舞台を欧州に移してSCEとMSが一日違いで相次いで価格改定の発表を行ったのだが、PS2の後追いでXboxが価格を引き下げるという構図はまったく同じであった。MS側から見れば、Xboxの価格改定はSCEの影響を受けたわけではないと反論するだろうが、二度も同じことが続けば周りはそう判断しないだろう。
価格以外の面でもMSのユックリズムを確認できる。Xboxの最大の売りであるオンラインゲームを提供するサービスがPS2よりも遅れて始まることもそのひとつであろう。オンラインを武器に登場しながら、発売以来それを有効活用できない状況をMSは作ってしまっている。
様々な要素によりサービスを提供できない理由が数多くあるだろうが、いずれにしろ一足先にオンラインゲームの提供をしているPS2はその分だけ先行してしまっている。MSは、普及台数でもオンラインゲームでも遅れをとったXboxをどう考えているのだろう。
そもそも、MSのユックリズムは発売前からあったとも言える。当初、Xboxは全世界同時発売が予定されていたはずだったが、実際は北米市場のみが先行発売になってしまっている。MSのバック上級副社長は『北米と日本のように巨大な市場をいっしょに立ち上げるのは難しい。…一つ一つの市場にフォーカスしたほうが良い結果が出せる』(2001年11月20日日経産業新聞)と話し、日本市場を後回しにした方が最終的に良い結果がでると判断していたが、大浦Xbox事業部長は多少不安視していたようで『年末商戦を見逃すのは痛い』(2001年8月28日同紙)とも語っていた。
結果から見れば、大浦氏の不安が当たったことになっているが、こうした結果を生み出したのはMSの対応がはっきり言って“呑気” だったからだろう。
では、どうしてMSはこれだけ遅れて動いているのだろうか。(つづく)
→第3章「長期戦略」へ続く
2007年07月18日
過去のコラム編集:2002年9月「Xboxの現状 〜普及への長期戦略〜」Part1
当該記事は、2002年9月頃(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxの現状 〜普及への長期戦略〜」の第一章です。
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第一章:「販売不振」
ライバルであるプレイステーション2(PS2)との差が2千万台以上。今年2月に発売されて以来、開く一方の格差と評価。それなりに堅調な数字を出しているゲームキューブ(GC)と比べても出遅れ感が否めないゲーム機「Xbox」。
北米や欧州での販売実績は決して好調と呼べないが順調に普及台数を伸ばしてはいる一方で、日本国内販売は依然として低迷を続けている。PS2が華々しい普及台数を発表するたびに、厳しい戦いを強いられているXboxの国内での存在感は薄くなりつつある。もはや、発売以前に持たれていた三強の一角というイメージは消え去ってしまった感がある。
同機が販売不振に陥った大きな原因は、ヒット作をコンスタントに出し続けることができていないからであろう。特に、Xboxの普及を手助けしたDOA3以外に目立ったソフトが登場しなかったのが響いている。しかも、そのDOA3ですら今年6月下旬の時点で値崩れを起こしているのが現状だ。
『現在の店頭価格は千九百八十円〜五千七百八十円で、安値は約六割強下落している』(日本経済新聞 2002年7月1日)。その他のソフトもDOA3同様に下落が続き『本体と同時発売の主要なソフトは四割以上値下がりしている』(同)という。
さらには、Xboxの最大の売りであるオンラインゲームが未だに出てきていないのも、不振を煽る原因になっている。いくらオンラインに強いから魅力があると言っても、対応ソフトが出なければその高機能も意味が無い。これでは、販売不振に陥るのも無理はないだろう。現状のXboxは決して良い環境におかれているわけではないのだ。
殆ど普及していない現時点でのXboxは、はっきり言って“MSの実験機”として機能しているに過ぎない。ハードディスクが内蔵なされているゲーム機は今まで無かったものであるし、オンライン対応機能が標準装備されているのも特筆すべき点である。このようなXboxの高性能は誰もが認める所だ。
だが、その性能を実際に活かすことができなければ、それは“実験的”でしかない。そもそも新参者のマイクロソフト(MS)がゲーム機を発売すること自体、実験的だとも言えるのだ。
しかし、Xboxをゲーム機ではなく“実験機”にしかさせていないのは、MS自身のせいであろう。Xboxが現在、不振に陥っている現状を“失敗”と呼ぶのであれば、MSが犯した失敗の原因はMS自身の「ユックリズム」にある。(つづく)
第二章:「MSの失敗」へ続く
2002年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
第一章:「販売不振」
ライバルであるプレイステーション2(PS2)との差が2千万台以上。今年2月に発売されて以来、開く一方の格差と評価。それなりに堅調な数字を出しているゲームキューブ(GC)と比べても出遅れ感が否めないゲーム機「Xbox」。
北米や欧州での販売実績は決して好調と呼べないが順調に普及台数を伸ばしてはいる一方で、日本国内販売は依然として低迷を続けている。PS2が華々しい普及台数を発表するたびに、厳しい戦いを強いられているXboxの国内での存在感は薄くなりつつある。もはや、発売以前に持たれていた三強の一角というイメージは消え去ってしまった感がある。
同機が販売不振に陥った大きな原因は、ヒット作をコンスタントに出し続けることができていないからであろう。特に、Xboxの普及を手助けしたDOA3以外に目立ったソフトが登場しなかったのが響いている。しかも、そのDOA3ですら今年6月下旬の時点で値崩れを起こしているのが現状だ。
『現在の店頭価格は千九百八十円〜五千七百八十円で、安値は約六割強下落している』(日本経済新聞 2002年7月1日)。その他のソフトもDOA3同様に下落が続き『本体と同時発売の主要なソフトは四割以上値下がりしている』(同)という。
さらには、Xboxの最大の売りであるオンラインゲームが未だに出てきていないのも、不振を煽る原因になっている。いくらオンラインに強いから魅力があると言っても、対応ソフトが出なければその高機能も意味が無い。これでは、販売不振に陥るのも無理はないだろう。現状のXboxは決して良い環境におかれているわけではないのだ。
殆ど普及していない現時点でのXboxは、はっきり言って“MSの実験機”として機能しているに過ぎない。ハードディスクが内蔵なされているゲーム機は今まで無かったものであるし、オンライン対応機能が標準装備されているのも特筆すべき点である。このようなXboxの高性能は誰もが認める所だ。
だが、その性能を実際に活かすことができなければ、それは“実験的”でしかない。そもそも新参者のマイクロソフト(MS)がゲーム機を発売すること自体、実験的だとも言えるのだ。
しかし、Xboxをゲーム機ではなく“実験機”にしかさせていないのは、MS自身のせいであろう。Xboxが現在、不振に陥っている現状を“失敗”と呼ぶのであれば、MSが犯した失敗の原因はMS自身の「ユックリズム」にある。(つづく)
第二章:「MSの失敗」へ続く
