当該のゲーム業界記事は、2001年10月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ときめきメモリアル3、発売へ〜ゲームファンドの再評価〜」の第四章(最終章)です。
2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
当時、コナミはゲームソフトの開発費を一般から募集する方法にて
人気ソフト「ときめきメモリアル」を開発いたしました。その時に
使われたスキームが「ゲームファンド」なるファンド形式でした。
このコラムでは「ゲームファンドの意義」を改めて評価するものと
なっております。
第四章(最終章):「影響と評価」
ゲーム開発費を一般から集めるときめもファンドは、新しい資金調達方法であり、ソフトメーカー側からすれば、このようなリスク分散方法が誕生したのは喜ばしいことである。しかし、この仕組みを当たり前に利用出来るようになるためには、投資家にゲームへの投資は儲かるものだと、最初に示す必要がある。
このような資金の調達方法はときめもファンドが日本で初めでである以上、ときめもファンドの成否が、この仕組みの全体的な評価を決めてしまう可能性があるためだ。だからこそ、ときめもファンドには成功する事が求められているのだ。
一度下された評価を変えることはなかなか難しい事である。それが特に、マイナスの評価であればなおさらだ。ゲームソフトメーカーのハドソンはその“評価”に苦しんでいる。
ハドソンは昨年の2000年12月にナスダック・ジャパンと呼ばれる株式市場に上場したが、その時に公表していた2001年2月期の業績予想は、実際の数字と大きく異なっていた。実際の数字は、予想していたものとはかけ離れて悪いものだった。
そのためハドソンは『一部の口さがないアナリストからは“うそつき”とまで呼ばれて市場の信頼を一気に失った』(2001年7月27日日経産業新聞)のだった。一度付いた悪い評価のせいで、ハドソンはまともな評価を受けられなくなった。ハドソンがコナミと提携しても『ハドソンは何をするのか分からない』(2001年7月31日日経産業新聞)と言われることもあった。
例え、2002年2月期の業績が前期と一転して好調であると会社側が発表しても、アナリストからは『今期中に投入するソフトはヒットが見込めず、業績は下方修正を迫られる可能性がある』(2001年6月19日 日経金融新聞)と言われる始末だ。
このハドソンの例をみれば分かる通り、一度ついた評価、特に悪い評価を変えることは難しいのだ。そういうことがあるからこそ、投資家にはゲームへの投資が儲かるのだと最初に思ってもらわなければならないのである。
果たして、ときめもファンドは成功するのであろうか。そして、ゲーム業界に新しい資金調達方法を根付かせてくれるのであろうか。それとも、ときめもファンドと同じ形のゲームファンドは、これが最初で最後になってしまうのだろうか。その答えを知るためには、まだもう少し時間が必要になる。(おわり)
2007年11月02日
2007年11月01日
過去のコラム編集:2001年10月「ときめきメモリアル3、発売へ〜ゲームファンドの再評価〜」Part3
当該のゲーム業界記事は、2001年10月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ときめきメモリアル3、発売へ〜ゲームファンドの再評価〜」の第三章です。
2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
当時、コナミはゲームソフトの開発費を一般から募集する方法にて
人気ソフト「ときめきメモリアル」を開発いたしました。その時に
使われたスキームが「ゲームファンド」なるファンド形式でした。
このコラムでは「ゲームファンドの意義」を改めて評価するものと
なっております。
第三章:「課せられた責任」
ゲーム開発資金を一般から調達する仕組みは、このときめもファンドが初めてである。それだけにこのファンドの成否がゲーム業界に与える影響は大きいだろう。
ゲームを制作する側としては、開発資金を集める方法が多様化すればするほど、リスクの分散が図れる。これまで、ソフトメーカーはゲームビジネスの不安定さをカバーするために、ソフトの発売タイトル数を増やし、総販売本数を確保するように努めてきた。
証券アナリストである森本展正氏がゲームビジネスの不安定さを避けるためには『供給するタイトル数を増やし、リスクを分散すべきだ』(2001年3月2日日経金融新聞)と語っていることからも、その戦略の有効性が分かる。
しかし、今回のときめもファンドの登場により供給するタイトル数を増やし、リスクを分散するという「数によるリスクの分散」だけではなく、開発資金を別な所から調達し、リスクを極力抑えようとする「資金調達の多様化によるリスクの分散」をも出来るようになったのだ。
ゲームの開発費は、減れば減るほどソフトメーカーのリスクの低減に繋がる。なぜなら、ゲームに投資する資金が少なければ少ないほど、たとえゲームソフトが期待したほど売れなかった時でも、会社全体に与える影響は少なく抑える事が出来るからだ。リスクの分散という観点から言えば、ときめもファンドの登場により、新たに生まれた資金調達の方法は、ソフトメーカーにとって良い話であろう。
だが、ソフトメーカーがゲームビジネスにおけるリスク分散の一つの方法として、このような資金調達方法を日常的に利用できるようになるためには、それが広く定着しなければならない。では、ときめもファンドのような仕組みを定着させるためにはどうしたら良いのであろうか。
簡単に言えば、今回のときめもファンドが成功する事である。ゲームソフトが売れて、資金提供者の投資家に利益を分配することである。そうすれば、この資金調達方法は定着して行く事だろう。
反対に、ゲームソフトが売れずに投資家が損をするようであれば、定着は難しい。どうしてそうなるのかと言えば、資金を出す側の投資家が常に利益を追求して行動しているからだ。彼らはゲームへの投資が利益になるのかならないのかをときめもファンドを通じて、評価しようとしている。
もし、ときめきファンドが成功すれば、ゲームへの投資は儲かるのだと考え、積極的に投資をしていくだろう。逆に失敗すれば、投資家はゲームへの投資に警戒感を持ち、投資を控えるだろう。誰も、失敗したときめもファンドの二の舞にはなりたくはないからだ。そうなれば、いくらソフトメーカーが資金を集めようと思っても、集まらず資金調達ができない状況になる。これでは、定着したとはいえない。
つまり、すべてはときめもファンドの成否に掛かっているといっても過言ではないのである。ときめもファンドは、一般の投資家がゲームに投資する仕組みの成功例を作るのか、悪しき前例となるのか、それによって彼らの考え方も決まってくる。もし、一般から開発資金を集める仕組みを定着させたいと思うのであれば、ときめもファンドは成功を納めなければならないのだ。
ときめもファンドに課せられた責任は重い。(つづく)
→続きはこちら:第四章「影響と評価」
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当時、コナミはゲームソフトの開発費を一般から募集する方法にて
人気ソフト「ときめきメモリアル」を開発いたしました。その時に
使われたスキームが「ゲームファンド」なるファンド形式でした。
このコラムでは「ゲームファンドの意義」を改めて評価するものと
なっております。
第三章:「課せられた責任」
ゲーム開発資金を一般から調達する仕組みは、このときめもファンドが初めてである。それだけにこのファンドの成否がゲーム業界に与える影響は大きいだろう。
ゲームを制作する側としては、開発資金を集める方法が多様化すればするほど、リスクの分散が図れる。これまで、ソフトメーカーはゲームビジネスの不安定さをカバーするために、ソフトの発売タイトル数を増やし、総販売本数を確保するように努めてきた。
証券アナリストである森本展正氏がゲームビジネスの不安定さを避けるためには『供給するタイトル数を増やし、リスクを分散すべきだ』(2001年3月2日日経金融新聞)と語っていることからも、その戦略の有効性が分かる。
しかし、今回のときめもファンドの登場により供給するタイトル数を増やし、リスクを分散するという「数によるリスクの分散」だけではなく、開発資金を別な所から調達し、リスクを極力抑えようとする「資金調達の多様化によるリスクの分散」をも出来るようになったのだ。
ゲームの開発費は、減れば減るほどソフトメーカーのリスクの低減に繋がる。なぜなら、ゲームに投資する資金が少なければ少ないほど、たとえゲームソフトが期待したほど売れなかった時でも、会社全体に与える影響は少なく抑える事が出来るからだ。リスクの分散という観点から言えば、ときめもファンドの登場により、新たに生まれた資金調達の方法は、ソフトメーカーにとって良い話であろう。
だが、ソフトメーカーがゲームビジネスにおけるリスク分散の一つの方法として、このような資金調達方法を日常的に利用できるようになるためには、それが広く定着しなければならない。では、ときめもファンドのような仕組みを定着させるためにはどうしたら良いのであろうか。
簡単に言えば、今回のときめもファンドが成功する事である。ゲームソフトが売れて、資金提供者の投資家に利益を分配することである。そうすれば、この資金調達方法は定着して行く事だろう。
反対に、ゲームソフトが売れずに投資家が損をするようであれば、定着は難しい。どうしてそうなるのかと言えば、資金を出す側の投資家が常に利益を追求して行動しているからだ。彼らはゲームへの投資が利益になるのかならないのかをときめもファンドを通じて、評価しようとしている。
もし、ときめきファンドが成功すれば、ゲームへの投資は儲かるのだと考え、積極的に投資をしていくだろう。逆に失敗すれば、投資家はゲームへの投資に警戒感を持ち、投資を控えるだろう。誰も、失敗したときめもファンドの二の舞にはなりたくはないからだ。そうなれば、いくらソフトメーカーが資金を集めようと思っても、集まらず資金調達ができない状況になる。これでは、定着したとはいえない。
つまり、すべてはときめもファンドの成否に掛かっているといっても過言ではないのである。ときめもファンドは、一般の投資家がゲームに投資する仕組みの成功例を作るのか、悪しき前例となるのか、それによって彼らの考え方も決まってくる。もし、一般から開発資金を集める仕組みを定着させたいと思うのであれば、ときめもファンドは成功を納めなければならないのだ。
ときめもファンドに課せられた責任は重い。(つづく)
→続きはこちら:第四章「影響と評価」
2007年10月28日
過去のコラム編集:2001年10月「ときめきメモリアル3、発売へ〜ゲームファンドの再評価〜」Part2
当該のゲーム業界記事は、2001年10月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ときめきメモリアル3、発売へ〜ゲームファンドの再評価〜」の第二章です。
2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
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当時、コナミはゲームソフトの開発費を一般から募集する方法にて
人気ソフト「ときめきメモリアル」を開発いたしました。その時に
使われたスキームが「ゲームファンド」なるファンド形式でした。
このコラムでは「ゲームファンドの意義」を改めて評価するものと
なっております。
第二章:「生まれた背景」
「ゲームファンド ときめきメモリアル」(ときめもファンド)は、一般にはゲーム開発費負担を少しでも軽減するために誕生したと思われている。最近のゲーム業界を取り巻く環境から考えれば、こう考えるのは間違いではない。
新しいゲーム機が登場するたびに高性能化している現状は、ソフトメーカー側の負担を以前とは比べものにならないほど大きくさせた。負担の主なものは、ゲーム機の高性能化に伴う開発期間の長期化と開発資金の大規模化であろう。
このような状態はソフトメーカーにとって決して好ましいものではない。そもそも、ソフトメーカーが商品にしているゲームソフト自体、売れるかどうか市場に出してみないと分からないリスクの高いものなのだ。それなのに、ソフト開発の段階で大規模な資金が必要になってしまっている。これでは、ソフトメーカー側は堪らない。こうした事情があったからこそ、ときめきファンドは『自社の資金負担を軽減』(2000年10月26日 日本経済新聞)するものだと評価されているのである。
だが、ときめもファンドが誕生したのは、もう一つの理由があったからではないだろうか。それはそのまま、なぜコナミがゲームファンドなるものを始めたのかという答えにもなる。
ゲーム開発のリスク低減の為にときめもファンドがあったとする一般的な見方は確かに間違いがないし、目的がそれであったのは事実だろう。しかし、ときめもファンドが生まれた背景には、近年活発化しているコナミの安定化志向も関係しているのではないか。
コナミは、ここ数年、家庭用・業務用問わずヒットゲームを次々に出し、非常に好調だ。2002年3月期こそ前期より悪くなると予想されているが、2001 年3月期までの業績はゲーム業界でもトップレベルだ。そんなコナミでさえも、わずか数年前の1995年3月期には100億円を超える巨額の赤字を出し、業績不振に苦しめられたことがある。
短い期間の間で地獄と天国を味わったコナミが学んだ事は、ゲームビジネスの好不調の差の激しさであろう。この経験からコナミは、ゲームビジネスの波がコナミ全体に与える影響を何とか平らにすべく行動するようになる。コナミの北上常務は『我々がやっているのはヒットビジネスなのでどうしても浮いたり沈んだりします。我々にとっても頭の痛い問題ですが、どうやって波をなくして安定させるかを常に課題としています』(P50 「電撃王 BUSINESS SPECIAL Vol.1」 メディアワークス 2000)と言い、安定することの重要性を強調する。
2000年から2001年にかけて、コナミはそれを実践するかのごとく、ゲームビジネス以外の事業を積極的に手掛けるようになった。一例を挙げれば、フィットネスクラブ運営企業のピープル(現コナミスポーツ)やアメリカのカジノ用システム開発企業を買収したことなどだろう。
この安定化を目指すコナミの考えた方はゲーム開発費にも及んでいると見て良いのではないか。これまで、ゲーム開発費は自社で賄ってきたが、今後もいままでと同様に自前で用意できるとは限らない。開発費の高騰によって、コナミ一社では支え切れなくなるかもしれないし、コナミ自体が資金不足に陥ってしまう可能性だってないとは言えないのだ。
そういった不安定さはコナミからすれば、無くしておきたいリスクの一つである。だからこそ、一般からゲーム開発費を集めるときめもファンドが、コナミから生まれたのではないだろうか。つまり、収益基盤を安定させるだけではなく、資金調達の面でも安定化させたいというコナミ特有の理由が、ときめもファンド誕生に作用していると考える事ができるのだ。(つづく)
続きはこちら→第三章:「課せられた責任」
2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
当時、コナミはゲームソフトの開発費を一般から募集する方法にて
人気ソフト「ときめきメモリアル」を開発いたしました。その時に
使われたスキームが「ゲームファンド」なるファンド形式でした。
このコラムでは「ゲームファンドの意義」を改めて評価するものと
なっております。
第二章:「生まれた背景」
「ゲームファンド ときめきメモリアル」(ときめもファンド)は、一般にはゲーム開発費負担を少しでも軽減するために誕生したと思われている。最近のゲーム業界を取り巻く環境から考えれば、こう考えるのは間違いではない。
新しいゲーム機が登場するたびに高性能化している現状は、ソフトメーカー側の負担を以前とは比べものにならないほど大きくさせた。負担の主なものは、ゲーム機の高性能化に伴う開発期間の長期化と開発資金の大規模化であろう。
このような状態はソフトメーカーにとって決して好ましいものではない。そもそも、ソフトメーカーが商品にしているゲームソフト自体、売れるかどうか市場に出してみないと分からないリスクの高いものなのだ。それなのに、ソフト開発の段階で大規模な資金が必要になってしまっている。これでは、ソフトメーカー側は堪らない。こうした事情があったからこそ、ときめきファンドは『自社の資金負担を軽減』(2000年10月26日 日本経済新聞)するものだと評価されているのである。
だが、ときめもファンドが誕生したのは、もう一つの理由があったからではないだろうか。それはそのまま、なぜコナミがゲームファンドなるものを始めたのかという答えにもなる。
ゲーム開発のリスク低減の為にときめもファンドがあったとする一般的な見方は確かに間違いがないし、目的がそれであったのは事実だろう。しかし、ときめもファンドが生まれた背景には、近年活発化しているコナミの安定化志向も関係しているのではないか。
コナミは、ここ数年、家庭用・業務用問わずヒットゲームを次々に出し、非常に好調だ。2002年3月期こそ前期より悪くなると予想されているが、2001 年3月期までの業績はゲーム業界でもトップレベルだ。そんなコナミでさえも、わずか数年前の1995年3月期には100億円を超える巨額の赤字を出し、業績不振に苦しめられたことがある。
短い期間の間で地獄と天国を味わったコナミが学んだ事は、ゲームビジネスの好不調の差の激しさであろう。この経験からコナミは、ゲームビジネスの波がコナミ全体に与える影響を何とか平らにすべく行動するようになる。コナミの北上常務は『我々がやっているのはヒットビジネスなのでどうしても浮いたり沈んだりします。我々にとっても頭の痛い問題ですが、どうやって波をなくして安定させるかを常に課題としています』(P50 「電撃王 BUSINESS SPECIAL Vol.1」 メディアワークス 2000)と言い、安定することの重要性を強調する。
2000年から2001年にかけて、コナミはそれを実践するかのごとく、ゲームビジネス以外の事業を積極的に手掛けるようになった。一例を挙げれば、フィットネスクラブ運営企業のピープル(現コナミスポーツ)やアメリカのカジノ用システム開発企業を買収したことなどだろう。
この安定化を目指すコナミの考えた方はゲーム開発費にも及んでいると見て良いのではないか。これまで、ゲーム開発費は自社で賄ってきたが、今後もいままでと同様に自前で用意できるとは限らない。開発費の高騰によって、コナミ一社では支え切れなくなるかもしれないし、コナミ自体が資金不足に陥ってしまう可能性だってないとは言えないのだ。
そういった不安定さはコナミからすれば、無くしておきたいリスクの一つである。だからこそ、一般からゲーム開発費を集めるときめもファンドが、コナミから生まれたのではないだろうか。つまり、収益基盤を安定させるだけではなく、資金調達の面でも安定化させたいというコナミ特有の理由が、ときめもファンド誕生に作用していると考える事ができるのだ。(つづく)
続きはこちら→第三章:「課せられた責任」
2007年10月25日
過去のコラム編集:2001年10月「ときめきメモリアル3、発売へ〜ゲームファンドの再評価〜」Part1
当該のゲーム業界記事は、2001年10月2日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ときめきメモリアル3、発売へ〜ゲームファンドの再評価〜」の第一章です。
2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
当時、コナミはゲームソフトの開発費を一般から募集する方法にて
人気ソフト「ときめきメモリアル」を開発いたしました。その時に
使われたスキームが「ゲームファンド」なるファンド形式でした。
このコラムでは「ゲームファンドの意義」を改めて評価するものと
なっております。
第一章:「12月20日発売」
恋愛シミュレーションゲームの代表格である「ときめきメモリアル」シリーズの最新作「ときめきメモリアル3」が2001年12月20日に発売されることになった。コナミは8月30日の発表会にて、そのことを明らかにした。この「ときめきメモリアル」シリーズは1994年にPCエンジン用のゲームソフトとして発売されて以来、累計で300万本を出荷するほどの人気ソフトである。
今回発売される「ときめきメモリアル3」は今までの「ときめきメモリアル」シリーズとは、ちょっと違ったところがある。それは「ゲームファンド ときめきメモリアル」の資金をゲーム開発費に充てている点である。
「ゲームファンドときめきメモリアル」とは、12月20日に発売される「ときめきメモリアル3」と来春発売予定の「ときめきメモリアル Girl's Side」のゲーム開発費として、投資家が資金を出し、その出荷本数に応じて、彼らが受け取る償還金額が決まる投資信託の事である。
当然のことながら、ゲームの出荷が多ければ投資家が受け取る金額は増え、逆に少なければ減る事になる。つまり、この「ゲームファンドときめきメモリアル」を購入した投資家の資金がゲーム開発において重要な役割を果たしているということなのだ。このような、一般の投資家から資金を集め、それをゲームの開発費として投入する試みは日本で初めてであり、その点において他の「ときめきメモリアル」シリーズはもちろん、他のゲームソフトとも違っているのである。
「ゲームファンド ときめきメモリアル」が登場した当時、周りからは高騰を続けているゲーム開発費を少しでも抑えるために一般の投資家から資金を集め、開発リスクを低減したいのであろうと評されることが多かった。
しかし、「ゲームファンド ときめきメモリアル」が持っている意味は、本当にこれだけなのであろうか。一般の投資家からゲーム開発資金を集めるやり方は日本で初めての試みなのであるのに、それ以外には何もないのであろうか。
今回は「ときめきメモリアル3」の発売決定を機に再びクローズアップされた「ゲームファンド ときめきメモリアル」を従来の評価とは違う視点ではもう一度評価をし、このファンドがなぜ生まれたのか、そして今後にどのような影響を与えるのか等について考えてみることにしたい。(つづく)
続きはこちら→第二章「生まれた背景」
2001年の記事ですので、かなり古い記述になっておりますが、文章の保存を
目的に掲載しておりますので、ご了承下さい。
当時、コナミはゲームソフトの開発費を一般から募集する方法にて
人気ソフト「ときめきメモリアル」を開発いたしました。その時に
使われたスキームが「ゲームファンド」なるファンド形式でした。
このコラムでは「ゲームファンドの意義」を改めて評価するものと
なっております。
第一章:「12月20日発売」
恋愛シミュレーションゲームの代表格である「ときめきメモリアル」シリーズの最新作「ときめきメモリアル3」が2001年12月20日に発売されることになった。コナミは8月30日の発表会にて、そのことを明らかにした。この「ときめきメモリアル」シリーズは1994年にPCエンジン用のゲームソフトとして発売されて以来、累計で300万本を出荷するほどの人気ソフトである。
今回発売される「ときめきメモリアル3」は今までの「ときめきメモリアル」シリーズとは、ちょっと違ったところがある。それは「ゲームファンド ときめきメモリアル」の資金をゲーム開発費に充てている点である。
「ゲームファンドときめきメモリアル」とは、12月20日に発売される「ときめきメモリアル3」と来春発売予定の「ときめきメモリアル Girl's Side」のゲーム開発費として、投資家が資金を出し、その出荷本数に応じて、彼らが受け取る償還金額が決まる投資信託の事である。
当然のことながら、ゲームの出荷が多ければ投資家が受け取る金額は増え、逆に少なければ減る事になる。つまり、この「ゲームファンドときめきメモリアル」を購入した投資家の資金がゲーム開発において重要な役割を果たしているということなのだ。このような、一般の投資家から資金を集め、それをゲームの開発費として投入する試みは日本で初めてであり、その点において他の「ときめきメモリアル」シリーズはもちろん、他のゲームソフトとも違っているのである。
「ゲームファンド ときめきメモリアル」が登場した当時、周りからは高騰を続けているゲーム開発費を少しでも抑えるために一般の投資家から資金を集め、開発リスクを低減したいのであろうと評されることが多かった。
しかし、「ゲームファンド ときめきメモリアル」が持っている意味は、本当にこれだけなのであろうか。一般の投資家からゲーム開発資金を集めるやり方は日本で初めての試みなのであるのに、それ以外には何もないのであろうか。
今回は「ときめきメモリアル3」の発売決定を機に再びクローズアップされた「ゲームファンド ときめきメモリアル」を従来の評価とは違う視点ではもう一度評価をし、このファンドがなぜ生まれたのか、そして今後にどのような影響を与えるのか等について考えてみることにしたい。(つづく)
続きはこちら→第二章「生まれた背景」
