2008年01月20日

過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part4

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年6月30日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」の第四章(最終章)です。


Xbox360の前世代機種「初代Xbox」。当時、ドリームキャストが脱落し
プレイステーション2やゲームキューブの二強対決になりつつあった
時代ですが、そこに第三極として名乗りを上げたのがマイクロソフトの
Xboxでした。しかしながら、初代Xboxの評判はあまり良いものとは
言えず、マイクロソフト関係者から発せられる「絶賛の声」が多少
むなしく響いておりました。

その初代Xboxはゲーム業界からどのように見られていたのかを、今回は
纏めてコラムにしたものです。当時、Xboxがどのように分析されて
いたのかを見ていただければ幸いです。



過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part3
第四章(最終章):「関係者」


Xboxの性能は評価されつつも、販売戦略上問題があり、全体としてあまり評判が良くない。ソフトメーカーからの声によって、こんなXbox像が浮かび上がってきた。こうした現状を踏まえて、週間ファミ通の浜村弘一編集長は『マイクロソフトは最高のゲーム機さえ提供すれば、ソフトメーカーがついてくると考えているようだ』(2001年5月18日日経産業新聞)と主張し、性能と販売戦略がうまく噛み合っていないマイクロソフトのやり方に疑問を投げかけている。


ただ、Xboxはわずか20〜30年で世界最大のコンピューター・ソフトウェア・メーカーになった、あのマイクロソフトが作り上げたものである。その会社が力を入れて、ゲーム市場に参入するのである。確かに今は評判は悪いかもしれないが、これから先、新参者のXboxがソニーのプレイステーションのようにゲーム市場の覇権を握ることだって十分に考えられるのだ。マイクロソフトにゲーム市場で覇者になる可能性が無いとは、決して断言できないのである。


アメリカに株式投資だけで、億万長者になった著名な投資家ウォーレン・バフェット氏がいるが、彼はビル・ゲイツに関して、非常に興味深いことを言っている。


仮に、ゲイツがソフトウェア会社ではなくホットドッグ・スタンドを始めていても、きっと世界のホットドッグ王になっていたでしょう。どんなゲームにも勝つ男です。(略)私はゲイツに賭けます。ゲイツに賭けて負けた人は、まだ一人もいませんからね』(「ウォーレン・バフェット自分を信じるものが勝つ!」 著ジャネット・ロウ 訳平野誠一 1999 ダイヤモンド社 P188〜189)


果たして、ビル・ゲイツはバフェット氏の主張する通り、「世界のゲーム王」になれるのだろうか。パソコンソフト業界では連戦連勝のマイクロソフト。不敗神話は続くのか、それともゲーム業界ではその神通力は通用しないのか。決して前途洋々では無いXboxを抱え、ゲーム業界に参入するマイクロソフトであっても、バフェット氏はビル・ゲイツに賭けるのだろうか。『オマハ(注)の預言者』(同ページi)とも呼ばれているバフェット氏に一度聞いてみたいと考えている方は著者だけではないだろう。(おわり)


注…アメリカ・ネブラスカ州オマハのこと。バフェット氏の出身地。

2008年01月19日

過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part3

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年6月30日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」の第三章です。


Xbox360の前世代機種「初代Xbox」。当時、ドリームキャストが脱落し
プレイステーション2やゲームキューブの二強対決になりつつあった
時代ですが、そこに第三極として名乗りを上げたのがマイクロソフトの
Xboxでした。しかしながら、初代Xboxの評判はあまり良いものとは
言えず、マイクロソフト関係者から発せられる「絶賛の声」が多少
むなしく響いておりました。

その初代Xboxはゲーム業界からどのように見られていたのかを、今回は
纏めてコラムにしたものです。当時、Xboxがどのように分析されて
いたのかを見ていただければ幸いです。



過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part3
第三章:「ソフトメーカーの声」


Xboxを生かすも殺すもゲームソフト次第。つまり、Xboxの命運はソフトメーカーが握っていると言っても過言ではないだろう。ならば、彼らの意見を聞く事は大いに参考になるはずである。ここでは、ゲームソフトメーカーの話を取り上げることにしたい


ゲームソフトメーカーは基本的に「Xbox」を歓迎している。100社以上のゲームソフトメーカーが参入を表明している事から考えれば、Xboxをひとまず評価しているのが分かる。すでに参入表明をし、ソフトの供給を決めているカプコンやテクモなどは、Xboxについて『世界唯一、最高峰の性能』 (2001年5月26日日経プラスワン)との見方を示し、Xboxの性能面に対して一定の評価を与えている。ただ、一方でXboxに否定的な声があるのは確かだ。それは「Xbox」自体ではなく、マイクロソフトに向けられている。


Xboxにソフトを供給することを予定しているあるソフトメーカーの幹部は『マイクロソフトには失望した』(2001年5月18日日経産業新聞)と語っている。さらには、『ゲームソフトはヒットするかしないかの二つに一つ。マイクロソフトが得意とするビジネスソフトとは違い、必需品ではない。挑戦者なのにソフトメーカーを引き留めようという熱意を感じない』(同)と洩らす幹部も存在しているのだ。


ソフトメーカーに、このように感じさせている最大の理由が、マイクロソフトの販売戦略だろう。マイクロソフトはXboxについて、本体価格をプレイステーション2と同じ299ドルとし、初回出荷が60〜80万台、年末までに100〜150万台を出荷する計画を立てているが、ソフトメーカーにとっては、この計画自体が不満なのだ。


米インターナショナル・データのアナリスト、ジュリー・オルババ氏はXboxの価格について『最悪のシナリオは299ドルだ。マイクロソフトが279ドルまで価格を下げ、ソニー製品を少し下回るようにすればベストだ』(ZDNet 2001.03.07 「Xboxは20億ドルの損失?――Merrill Lynchが予測」)と述べていたが、マイクロソフトはXboxの価格を299ドルにしてしまっている。しかも、販売台数の計画も少なすぎる。


一般に『ゲーム機は国内で累計三百万台を超えると新作ソフトが一気に増え、機器とソフトが相乗効果を生みながらヒットするといわれている』(2001年1月1日日本経済新聞)。それなのに最大でも150万台では、苦しい。ゲーム業界にそういう定説がある以上、マイクロソフトの計画は少なすぎると、不満に思われるのは仕方が無いことであろう。


こうしてみると、性能面では評価されつつも、販売戦略などの面では評判を落としているのが、Xboxであると言える。つまり、Xbox自体にはそれほど落ち度が無く、むしろ評価されているのに、マイクロソフトの戦略の甘さが、ソフトメーカーに嫌気されてつつあるのだ。これが、ソフトメーカーからみた Xboxの現状であろう。(つづく)


続きはこちら→第四章(最終章):「関係者」

2008年01月16日

過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part2

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年6月30日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」の第二章です。


Xbox360の前世代機種「初代Xbox」。当時、ドリームキャストが脱落し
プレイステーション2やゲームキューブの二強対決になりつつあった
時代ですが、そこに第三極として名乗りを上げたのがマイクロソフトの
Xboxでした。しかしながら、初代Xboxの評判はあまり良いものとは
言えず、マイクロソフト関係者から発せられる「絶賛の声」が多少
むなしく響いておりました。

その初代Xboxはゲーム業界からどのように見られていたのかを、今回は
纏めてコラムにしたものです。当時、Xboxがどのように分析されて
いたのかを見ていただければ幸いです。




過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part2
第二章:「酷評」


Xboxを迎え撃つ形のソニー・コンピュータ・エンタテイメント(SCE)、任天堂のトップはXboxに関して非常に厳しい意見を口にしている。特に SCEの久夛良木社長は英フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、Xboxを酷評している。


そこには、世界最大のゲーム見本市「エレクトロニック・エンターテインメント・エクスポ」(E3)で展示されていたXboxが、関係者の失望を呼ぶものであったとし、『マイクロソフトは(次世代ゲーム機競争が)始まる前に終わったも同然』(CNNホームページ 2001.05.25 「Xboxは“終わったも同然”−ソニーCE社長」) と言い放った。


具体的には『マイクロソフトは、エンターテインメントビジネスを理解していない。処理速度は十分でなく、グラフィックスも雑だ


(米国の)小売り業者は、金額ベースで(ソニーの)プレイステーションが売り上げの70%を占めると予想している。残りの30%が任天堂とXboxだが、そのほとんどは任天堂となるだろう』(同)


と、Xbox自体に魅力が無いことを指摘しつつ、さらにXbox はプレイステーションに勝つどころか、任天堂のゲームキューブにすら負けると予想したのだ。このニュースを伝えたCNNのホームページにはこの主張を裏付けるかのように、Xboxへの評価がアナリストの間では下がっているようだとも付け加えている。


今年9月にゲームキューブを発売する予定の任天堂山内社長も、久夛良木社長に負けず劣らず強気の発言をし、Xboxを冷評した。


Xboxとゲームキューブは発想が根本的に違う。Xboxはハードディスクを内蔵するなどパソコンの延長線上にあるものだ。性能ばかり追求するマイクロソフトは、ゲームがソフトで遊ぶものという、ことの本質を理解していない。任天堂のゲーム機はあくまで“おもちゃ”。遊びのための最高の機械で全く別物だ。相撲取りとプロレスラーが違うルールで試合するようなもの。競合相手とは考えていない』(2001年5月24日 日経産業新聞)


こうしてみると、山内社長も 久夛良木社長もXboxは自社の提供するゲーム機とは全く相手にならないゲーム機であるという意見で一致しているのが分かる。ただ、これも考えてみれば当たり前だろう。誰も、自社の製品以上に他社の製品を褒めたりしないものだ。それが自信作であればなおさらである。


SCE・任天堂の主張は、マイクロソフトの主張を真っ向から対立するものだが、これはそれぞれの立場上仕方が無い。しかし、それでは、Xboxの真の姿は見えてこない。Xboxはどんなゲーム機であるのかを知るためには、さらに別な意見を聞く必要があるだろう。(つづく)


続きはこちら→第三章:「ソフトメーカーの声」

2008年01月15日

過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part1

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年6月30日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」の第一章です。


Xbox360の前世代機種「初代Xbox」。当時、ドリームキャストが脱落し
プレイステーション2やゲームキューブの二強対決になりつつあった
時代ですが、そこに第三極として名乗りを上げたのがマイクロソフトの
Xboxでした。しかしながら、初代Xboxの評判はあまり良いものとは
言えず、マイクロソフト関係者から発せられる「絶賛の声」が多少
むなしく響いておりました。

その初代Xboxはゲーム業界からどのように見られていたのかを、今回は
纏めてコラムにしたものです。当時、Xboxがどのように分析されて
いたのかを見ていただければ幸いです。




過去のコラム編集:2001年6月「Xboxを取り巻く人々 〜Xboxの評価〜」Part1
第一章:「マイクロソフトの野望」


今秋に発売が予定されているマイクロソフトの新型ゲーム機「Xbox」。マイクロソフトはこの「Xbox」に対して、大きな期待を寄せている。期待の大きさは、マイクロソフトが用意した巨額な販売促進費を見れば分かるだろう。2000年9月にXbox販売戦略を発表した時、今後2年間で5億ドル以上の販売促進費をかけることを明らかにしているのだ。


5億ドルと言えば、ソニーがプレイステーション2を生産するために投入した約1200億円のおよそ半分である。これほどまでの大金を「販売キャンペーン」のために使用するのであるから、驚きだ。逆に、それだけマイクロソフトは本気でゲーム市場の覇権を狙っている証拠でもあろう。


覇権を握れると考えている背景には、Xboxの高性能さがある。マイクロソフト関係者は、ことあるごとにXboxの性能の高さに言及する。特にマイクロソフト会長ビル・ゲイツの話はその代表例であろう。彼は2001年1月にアメリカで開催された国際家電見本市において講演し、Xboxについて『画期的な技術と高度なグラフィックス機能を武器に、今後のゲーム産業の標準となる』(2001年1月8日日本経済新聞)と述べている。


さらに、その2ヶ月後の東京ゲームショウ2001春においても、同様にXboxの性能の高さについて大いに語っているし、後日行われた日本経済新聞社のインタビューに対しても『世界最高水準のソフト、ハードを組み合わせて勝ち抜くチャンスとみている』(2001年3月31日日本経済新聞)と答え、Xboxの高性能さを以ってすればゲーム業界を制することが出来ると、存分にアピールしているのだ。


マイクロソフトのバック上級副社長もビル・ゲイツと同じように『最新の他社機に比べて三倍近い能力を持つうえ、ソフト開発者を手助けするソフトを充実してゲームを作りやすくする』(2000年9月21日 日本経済新聞)と言い、Xboxの良さを強調する。


このようにマイクロソフト関係者からベタ誉めのXboxだが、考えてみればマイクロソフトが自社のゲーム機を褒め上げるのは当然である。なぜなら、Xboxが売れなかったらセガのように大損害を被ってしまうのだから。


こうした事情があるため、マイクロソフトの人間だけの評価で、これこそがXboxの真の評価である、とはおよそ言い難い。彼ら以外の人間の評価なども考慮しなければ、Xboxの本当の姿は見えてこないだろう。果たして、Xboxは本当にマイクロソフト関係者が主張するように高性能であって、ゲーム業界を勝ち抜けるだけの実力を有しているのだろうか。


今回はXboxを取り巻く人達の声から、Xboxがどのような見方をされているのかを、考えてみることにしたい。(つづく)


続きはこちら→第二章:「酷評」