2008年05月04日

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part5

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第五章(最終章)です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part5第五章(最終章):「夢は叶うのか」


ゲームメーカーが抱く淡い期待は、本当に叶えられるものであろうか。その答えはまだ出ていない。ただ、確実に言える事は、面白いゲームを作り出さなければ、2000億円市場の誕生は決してありえない、ということだけである。しかも、ただ「おもしろい」を打ち出したゲームでは苦戦するかもしれない。


筆者が考えるに、携帯電話ゲームが成功するには、単純に面白さを追求しただけのゲームではなく、携帯電話の特長を生かした面白さを前面に押し出した「面白い」ゲームを作りだせるかどうかに懸かっていると思う。


つまり、携帯電話でしか出来ない面白いゲームを供給していかなければ、成功する確率は低いと考えている。なぜなら、携帯電話の特長を活かさず、既存のゲームハードでも出来るようなゲームを、わざわざ携帯電話でプレイする理由が無いからだ。


「ゲームボーイやプレイステーションでもできるゲームならば携帯でやる必要があるのか」


ユーザーにそう思われては、成功は難しいであろう。逆に「携帯でこのゲームがやりたい」と思わせれば、携帯電話ゲーム市場は巨大市場になる


携帯電話ならではの新しい面白さを追求したゲームを開発し、世に送り出す。これが、ゲームメーカーに与えられた課題だ。もし、携帯電話の特長を活かし、携帯電話以外のゲームハードでは絶対にできない(ゲームが成立しない)面白いゲームをどこかのメーカーが作ったとき、ゲーム業界はこの巨大市場を手中に収められるかもしれない


携帯電話ゲーム市場を巨大な市場に成長させるのも、数百億円という小さな市場に留めるのも、すべてはゲームメーカーのアイディア一つに懸かっている。(おわり)

2008年05月03日

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part4

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第四章(後編)です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part4第四章 後編:「淡い期待〜客単価の増加〜」


ゲームメーカーが狙っているのは、本当はこの点であるかもしれない。コナミ北上本部長の発言に代表されるように、しきりに「将来」という言葉を連発する裏には、携帯電話利用者が、一人当たり120円程度でしかなかった利用料を今後、増やすと見込んでいるからではないだろうか。


現在、携帯コンテンツにおける客単価は120円程度でしかないが、それが、この後もずっとその水準で落ち着くとは限らない。今は、携帯電話ゲームと言っても、かつて業務用ゲームや家庭用ゲームとして世に出ていたゲームがリメイクされて、配信されているものが多いため、それほど騒がれるようなゲームは登場していない。


だが、この傾向は徐々に改善されていくと考えられる。なぜなら、過去のリメイク作品を用いるのでは無く、携帯電話独自のゲームを配信する動きが既にあるからだ。そうした流れを作りつつある一つのゲームメーカーが「ドワンゴ」だ。


2001年3月19日付の日経産業新聞に、ドワンゴのゲーム制作に携わる清水亮氏がインタビューに応じた記事がある。そこにはこういった一文があった。


ドワンゴのゲームはかつて、通信料を含めた一カ月の利用料が十万円を超えるヘビーユーザーを続出させた逸話を持つ。『ドコモから通信料を抑制する仕組みをゲームに取り入れるよう要請されたほどだった』と清水氏は苦笑する


この、10万円を超える利用料を払ってでもドワンゴのゲームをやりたいと思わせた成功体験は、「携帯電話独自のゲームを生み出す事によって客単価の増加を見こめる」というゲームメーカーの目論見を見事に実現させたものではなかっただろうか


もし、携帯電話ゲームの主流が、今のようなリメイク全盛から、携帯電話独自のゲームになった場合、客単価は一体どうなるのであろうか。携帯電話でしか、そのゲームが出来ないと考えれば、ユーザーはそれ相応の金額を投入してでもやるだろう。


すると、客単価は以前の120円程度の水準が維持されるとは到底思えない。数百円や千数百円にまで伸びる可能性だって充分にあるのだ。ゲームメーカーが狙っているのはまさにここだ。


それだけに、月額500円とか、800円、 1000円といった価格の携帯電話ゲームが表れることもありえよう。この金額は携帯電話コンテンツとしては破格の値段だが、一般のゲームソフトに比べると激安なのである(通常、新作ゲームを主に遊ぶ期間は数ヶ月。仮に6800円の新作を買ったとして、3ヶ月遊ぶとすると、一月分のソフト代は2267円になる。これでは、携帯電話ゲームのほうが断然安いことになる)。


携帯電話独自のゲームを投入によって、客単価の増加・急騰は決して夢物語では無いだろう。そうなると、携帯電話コンテンツの市場規模は、以前計算していたものとは比べ物にならないくらい拡大する。


前に、一人あたりの月額使用料を120円と仮定し、3000万人が一年間利用すると、市場規模は432億円になるといった。だが、今回は客単価を600円だと仮定すると(一般的な携帯電話ゲームサイトの月額使用料300円を単純に倍にする)、市場規模は2160億円(600円×12ヶ月×3000万人)にもなってしまうのだ。


この巨大市場は、ゲームメーカーにとって非常に魅力的だ。だからこそ、ゲームメーカーはこぞって、携帯電話ゲーム市場に参入しているのである。(つづく)


→続きはこちら:第五章(最終章)「夢は叶うのか」

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part4

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第四章(中編)です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part4
第四章(中編):「淡い期待〜新規ユーザーの獲得〜」
 



ゲームメーカーが考える利益とは、まず第一に「新規ユーザーの獲得」であろう。日本国民の二人に一人は携帯電話を持っているため、携帯ユーザー層は幅広い。既存のゲームの主要購入者である若年者層だけではなく、ゲームに殆ど触れずにいる年齢層の人達にも携帯電話は普及しているのである。


ゲームメーカーは携帯電話にゲームを供給する事によって、今までゲームにあまり触れずにいた人達を、ユーザーとしてととりこむことを狙っているのだ。


携帯電話で行うゲームは、従来のゲームと比べて敷居が低い。通常、ゲームをやるためにはハードを買ったり、メモリーカードを買ったり、ソフトウェアを買ったりと、決して安くは無い買物をしなければならない。だが、携帯電話ゲームではそんなことはない。月額わずか数百円を支払うだけで、手軽にゲームに親しむ事ができるのだ。この差は大きい。


そうなると、彼らにゲームにさえ興味を抱かせることができたならば、「100円ショップ」で気軽にモノを買うようにゲームもまた、買ってくれるかもしれない。そうして、ゲームに親しめば、新たにゲームハードやソフトを買って遊んでくれるかもしれない。ゲームメーカーはそう考えているのではないだろうか。


つまり、携帯電話ゲームを呼び水にして、新しいゲームユーザーを増やそうとしているのだ。(つづく)


→続きはこちら:第四章(後編)「淡い期待 〜客単価の増加〜」

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part4

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第四章(前編)です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part4第四章 前編:「淡い期待」


携帯電話市場における客単価の低さにも拘わらず、各ゲームメーカーがこぞって携帯電話にゲームを供給している背景には、携帯電話市場にかける「淡い期待」がある。この淡い期待が、ゲームメーカーの携帯電話市場への進出を支えている


「将来に向けての先行投資」(2001年1月11日付 日経産業新聞)「あくまでも将来を見据えた実験」(週刊ファミ通 2001 3・16号 P100)ゲームソフト大手のコナミのCS事業本部長北上一三氏は携帯電話にゲームを供給する事に対して、こう述べている。


北上本部長は「将来」という言葉を連発するが、その発言の裏には、携帯電話市場は将来、ゲームメーカーに利益をもたらすかもしれないという淡い期待がある。当然ながら、彼の言葉は携帯電話にゲームを供給している全メーカーの声でもある。では、将来「得られるかもしれない利益」とは何なのであろうか。筆者はそれを大きく2つに分けて、次に考えてみることにしたい。


→続きはこちら:第四章 中編「淡い期待 〜新規ユーザーの獲得〜」

2008年05月02日

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part3

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第三章です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part3
第三章:「携帯電話市場の現実」
 



携帯電話自体には期待をかける反面、大きな期待をしていない。ゲームメーカーの携帯電話市場への本音が「ファミ通アンケート」により解ったのだが、ただこの「本音」には疑問が残る。どうして、彼らは3000万人とも言われる携帯電話市場に魅力を感じていないのであろうか。数の上ではPS2ユーザーの何倍もの巨大な顧客層を抱える携帯電話市場をどうして重要視しないだろうか。それを知るためには携帯電話市場の現実を見る必要がある。


その現実とは、「客単価の低さ」だ。携帯電話のインターネット接続サービス市場で最も成功しているサイトは「キャラっぱ!」と言っても過言ではない。月額数百円と言う低価格で、各ユーザーにキャラクター画像を配信しているサービズだ。


このサービスを提供しているのが、バンダイネットワークスと言う会社である。同社は、こういったサービスを売りに360万人ものユーザーを有するほどの有力企業なのである。ただ、「キャラっぱ!」という巨大サイトを抱えるバンダイネットワークスでさえ、大きな問題がある。それは「客単価の低さ」である。


携帯向けコンテンツ業界は百円ショップと同じような構造」(2001年1月25日付 日経産業新聞)と同社社長である林俊樹氏は言う。確かに、「キャラっぱ!」は一人のユーザーに対して、キャラクター1種類につき100円の利用料しか徴収する事が出来ない。そのため、同社の一人一人のユーザーの利用料金は毎月平均して120〜130円程度でしかないのである。客単価が120〜130円では厳しい


一方、ゲームメーカーが製作・販売しているゲームソフトの場合、客単価は高い。ゲームソフトは一本数千円から一万円を超すものまである。例えば、誰か一人が6800円のソフト一本買うだけで、もうそれでメーカーには数千円の収入が転がり込むのだ。


客単価は携帯電話のそれと、何十倍もの開きが出てしまうのだ。単価の面からいえば、携帯電話ユーザーが束になっても、ゲームソフトユーザーにはかなわないのである。仮に、現在3000万人ともいわれているネット接続サービスを利用している人全員がバンダイネットワークスと同じような利用料金を支払ったとしても、年間で僅か432億円にしかならない(120円×12ヶ月×3000万人)。


他方、ゲームソフト市場は年間で4000億とも、5000億とも言われている。この差は半端ではない。この携帯電話市場の規模の小ささが、ゲームメーカーに過度の期待を抱かせない大きな理由なのである。(つづく)


続きはこちら→第四章:「淡い期待」

2008年04月30日

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part2

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第二章です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part2
第二章:「ゲームメーカー進出」
 


 
携帯電話を新たな成長路線に乗せたインターネット接続サービスであるが、それを利用しているユーザーは急速に増えている。2001年3月4日の日本経済新聞では、2月末までで3000万人が携帯電話でネットに接続している模様だと伝えた。


この巨大ユーザー層に夢をはせ、ゲームメーカーが続々と参入している。コナミ・ナムコ・セガと言った大手メーカーだけでなく、バンダイ・トミーなどの玩具メーカーも独自のサイトを立ち上げ、サービスを提供している。


伸びつづける携帯電話市場に期待する声は、ゲームメーカーから多い。特に2001年1月から始まった、NTTドコモの新サービス「iアプリ」にメーカーは期待をかけている。iアプリの登場によって、より携帯電話の機能が高まり、ゲームをプレイする環境が、以前と比べて数段高まったためだと思われる。


「週刊 ファミ通 2001 2・16号」(発行 エンターブレイン 2001 P10〜11)には、ゲームメーカー100社にアンケートをとった結果、そのうち59.8%のメーカーが「iアプリ」に期待していると、報じた記事があった。ファミ通調査では実に6割ものメーカーが「iアプリ」、つまり携帯電話に期待してる状況なのであるが、では、ゲームメーカーは携帯電話にどの程度、力を入れてゲームを提供していくつもりなのであろうか。


同じく「週刊 ファミ通 2001 3・16号」(同 P106)に、各ゲームメーカー100社に対して行ったアンケート結果がある。そこには、いま言った疑問に答えるゲームメーカーの「本音」があった。その本音を聞き出したファミ通側の質問は次の通りである。


Q.1 「発売中のハードでもっとも力を入れているのは?」
Q.2 「今年発売のハードでいちばんシェアを伸ばしたいものは何?」



それに対する回答を順に並べてみる。


A.1 「プレイステーション2」46票・「ゲームボーイ」21票・「プレイステーション」13票・「携帯電話」6票・「ドリームキャスト」4票・「ニンテンドウ64」2票・「ワンダースワン」2票(複数回答あり・有効回答87票)


A.2「ゲームボーイアドバンス」60票・「ゲームキューブ」44票・「XBOX」36票・「iアプリ」26票(複数回答あり・有効回答92票)


この回答を見る限り、ゲームメーカーは携帯電話にそれほど期待していないのが良くわかる。なぜなら、このアンケートは複数回答を認めているからだ。仮に最も力を入れるハードにPS2などの有力ハードの他に、携帯電話を加えたとしても問題は無いのである。「PS2と携帯電話に力を入れていきたい」とあるメーカーが考えていれば両方に一票ずつ入る事になるはずである。


そうであるならば、携帯電話は下位に甘んじる事無く、上位に顔を出すだろう。しかし、統計ではそうなっていない。なぜだろうか。それは、各ゲームメーカーが携帯電話にあまり強い魅力を感じていないからである。確かに、携帯電話自体には期待している。だが、その度合いは別のゲームハードに比べると劣っているのだ。


期待しつつも、過度の期待してはいないというゲームメーカーの本音がこのアンケートに表れている。(つづく)



続きはこちら→第三章:「携帯電話市場の現実」

2008年04月28日

過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part1

当該のゲーム業界コラム記事は、2001年4月17日前後(詳細な月日は現在、不明)にメールマガジン「ゲームいろいろ情報」にて掲載された連載記事「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」の第一章です。



今でこそ、多様な使い方がされている携帯電話ですが、2000年頃ではNTTドコモの「iモード」が登場したばかりでまだまだ普及期にありました。

J−phoneの「写メール」やドコモの「iモード」の出現は、携帯電話そのものを「単なる携帯できる電話機」ではない「コミュニケーションツール」として進化させることになりますが、そこに目をつけたのがゲーム業界でした。

すでに2001年頃には、ゲーム業界には「ケータイ脅威論」のような考えがあり、携帯電話にゲームユーザーの余暇とお金が奪われたとの認識があったため、逆に携帯電話にゲーム配信を行うことで取り込んでしまおうとの試みがありました。

今回のコラムはその当時の携帯電話に、ソフトメーカーが懸けた期待とその限界を題材として構成されております。




過去のコラム編集:2001年4月「ケータイに懸ける淡い期待〜携帯電話市場の限界と夢」Part1
第一章:「二人に一人」
 



2001年3月7日、携帯電話各社から加入状況(稼動ベース・速報値)が発表された。それによると、PHSを含む携帯電話の総加入台数が6527万 9000台に達し、人口普及率が51.4%にまで高まった事がわかった。つまり、日本人の二人に一人は携帯電話・PHSを所有している計算になる(日経産業新聞 2001年3月8日付)。


ここまで携帯電話を普及させた理由は第一に「低価格」、第ニに「多様化」であろう。以前は高価なものであった携帯電話の価格が引き下げられ、僅かな負担で誰でも利用できるようになった事は大きい。加入者獲得競争合戦がもたらした「低価格化」は、携帯電話所有者層を広げた一つの大きな要因である。


ただ、低価格路線だけでは、加入者も限られてくる。ある程度、携帯電話を持ちたいと思う人達に行き渡れば、そこでひと区切りついてしまうからだ。さらなる加入者増のためには、新たな戦略が必要になる。その戦略が、「多様化」だ。


携帯電話でなんでも出来る。NTTドコモが提供するインターネット接続サービス、通称「iモード」は携帯電話を「会話が出来る」携帯電話から、「会話も出来る」携帯電話へと変えてしまった。これによって、携帯電話はインターネット端末に姿を変える事になった。


今や、天気やニュースを知る事も、各種チケットを予約するのも、銀行振込などをするにも携帯電話さえあれば十分なのだ。携帯電話が会話の道具から、ネット端末になったことで、携帯電話所有者は飛躍的に増加した。何でも出来ると言う高い付加価値を携帯電話に与えた事で、ユーザーの層が限りなく広がったのである。(つづく)



続きはこちら→第二章:「ゲームメーカー進出」